オタクとヤクザが恋したら…

かのちゃん

29 バースデーパーティー

8月15日。

「今日ね、めいのたんじょうびばい!」

そう!8月15日はめいちゃんの誕生日!3歳になるんだよぉ。

「そうか……。」

「おじしゃんも、いわってくれる?めいのたんじょうび!」

「えっ……。」

「毎年、家で誕生日パーティーしとるけど……遼太郎さんにすっかり懐いたのか、祝って欲しいみたいです。」

それじゃあ、家でやらん?

「よかよ。」

「ごめんねえ、おばさん。」

「大丈夫よ。紗栄子お姉さん達に連絡せんばね。」

「誕生日プレゼントは、何がいい?」

「遼太郎さん……買ってきてくれると?」

「ああ。」

「すみません……よかったねえ、めい!」

「うん!じゃあ、うさまるのぬいぐるみがいい!」

「任せろ。」

「じゃあ、私達はご馳走ば作ろうかね。」

「由香。ケーキば買いに着いてきて。」

わかった。






麦ちゃんの車に乗って、ケーキ屋さんに向かう私と麦ちゃん。

「遼太郎さんはよか人ね〜。最初は怖か人やね思いよったけど、優しくて、頼りがあって!」

私も。最初はそう思いよったよ。
赤信号になって、車は止まった。

「……よかったね。」

へ?

「いい人と巡り会えて。」

うん。
もし、遼ちゃんが私を助けに来なかったら、私はチンピラ達に酷い目に遭わされたに違いない……。
ほんっと、運命の人が遼ちゃんでよかったよ。






パーン!パーン!

「めいちゃん、誕生日おめでとう!」

「ありがとう!」

「さ、ろうそくの火ば消して!」

めいちゃんがケーキに刺してあるろうそくの火を消すと、電気が付いて、拍手が巻き起こった。

「めいちゃん、来年幼稚園生やね!」

「早かね〜。」

「ほい。」

遼ちゃんが、めいちゃんにピンクの袋を渡して、それをめいちゃんが開けると……忍者の格好をしたうさぎのぬいぐるみが!

「うさまるだぁ〜!おじしゃん、ありがと〜!」

めいちゃんは嬉しそうに、遼ちゃんに抱きついた。

「いいえ。」

いいなあ〜。遼ちゃんとあんなことして!

「あれれ〜?由香姉、3歳児にやきもち妬いとる〜。」

や、妬いてなかっ!

「じゃ、写真撮ろうか。みんな、集まって〜。」

「おじしゃんのところいく〜!」

「じゃ、行きますよ〜。はい、チーズ!」

カシャッ!





「『めいちゃん、3歳かあ。』」

「『大きくなったねえ。』」

えへへへへ。
私は今、仲良し3人とグル電やってます!

「『ところで……そろそろやらないの?』」

へっ?なにを?

「『遼ちゃんさんの御両親にご挨拶だよぉ!』」

「『遼ちゃんさんの実家って、どこにあるか聞いてる?』」

遼ちゃんの御両親……。
そういえば、聞いたことないな。遼ちゃんの家族のこと……。

続く!


コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品