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天才が異世界で困ってます

夏季

10話 王の異変

しばらくして俺の称号授与式みたいなものが行われた。だが、俺はローシャの言葉のせいでずっと緊張しっぱなしだ。

王に気をつけろか……

今王を見てる限り特に怪しい所はないのだが、ローシャが言うには心がひとつも読めないらしい。実はローシャは透心術というスキルを持っていたらしく、ほぼ全員の心を読むことが出来るらしい。だから、俺達の思っていたこともバレバレだったのだ。

こんな透心術を使っても心の読めない王も怖いのだが、俺が緊張しているのはもう1つ理由がある。リキとハヤトだ。この2人は俺が特別研究者という称号をもらった時から態度が前よりももっと酷くなった。今も俺を殺しそうな目で見ている。あれは冗談じゃなくて本気の目だ。
確かに、全く危険な場所にいない俺が毎日危険な場所に行き血汗を流しているリキ達より先に称号を得るのはおかしいと思う。しかも村人達には俺の方が有名なぐらいだ。俺がリキ達の立場だったら絶対に嫌だしウザイだろう。

「博神、ガク殿!前へ」

そんなことを考えている中、俺の名前が呼ばれる。俺はリキ達の鋭い視線を感じながらも、ゆっくりとニコニコ笑っている王の前へ向かい歩く。

全然おかしなところなんてないじゃないか、ずっとニコニコしてるし……

そう思いながら俺は王の目の前に立つ。そして王の顔を見た瞬間、俺は今までの考えが全て変わった。

王は全く笑っていなかったのだ。

その瞬間、一気に体全身の毛穴から汗が吹き出す。足もなぜか震えて動かない。これは人間の前にいるというより魔物の前にいる感覚だ。しかもこの前のゴーレムの時よりも圧倒的に恐ろしい。

俺は身の危険を感じスキル【鑑定】を使う。【鑑定】はあらゆる生き物や物質の名前や特徴、弱点などを見ることが出来るものなのだが……

どういうことだよ……

全てエラーとしか出てこなかったのだ。
さらに怖くなって動けなくなっている中、王が急にニヤリと笑い顔を近づけてくる。

「どうしたのかね?博神よ」

王は何もかも分かっているような顔をして言った。
いや、もう分かっているのだろう。今俺がスキルを使ったことも、そして何もわからなかったことも。
俺はもう汗が止まらなかった。もう逃げたいと思ったその時だった。

「式中すいません!!神山の麓の村で魔物がいきなり大量発生しました!!しかもここらへんでは見つからない魔物ばかりで……私達だけでは止めれそうにありません!!」

ボロボロになった兵士がいきなり入ってきたのだ。

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