天才が異世界で困ってます

夏季

4話 ステータス

王の話が終わった後、俺達は召使いのレイラに違う部屋まで連れていかれた。中には大きな水晶。直径でいったところ3メートルはあるだろう。

「きれい……」
「すげぇな、俺よりでけぇぞ」

さすが異世界といったところだな。
皆感心して水晶を見ていると、レイラが口を開く。

「こちらは測定器になります。皆さんには今からこれに触れてもらいます。測定が終わったら水晶の中からステータスが書かれたカードが出てくるのでそちらでご確認ください」

なるほど。なんとも便利な道具だ。
それにしてもステータスか、異世界人はだいたい強いのがお決まりのパターンだから少し楽しみだ。

「じゃあ僕から行きますね」

まず最初にハヤトが前にでる。そして静かに水晶に手を触れると水晶が光り始めた。
その10秒後、光が消え中からでてきたカードを見てみると、そこにはしっかりとステータスが書かれていた。
こんな感じだ。

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本田ハヤト 男 Lv1

ちから 80
素早さ
まもり 71
魔力量 22
回復魔力 8
攻撃魔力 18
頭のよさ 90
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「基準がわからないのでよく分かりませんね。レイラさん、これってどのくらいなのですか?」

ハヤトはでてきたカードをレイラに渡す。
しかし、レイラはハヤトのステータスを見た瞬間黙ってしまった。顔をぽかんとさせながら。

「レイラさん……?」
「これは……すごいですよ!Lv1でこのステータスは見たことありません!ベテランの剣士でもちからが70いったら凄いのに……さすが神ですね。」

あの驚き方だと相当つよいのだろう。その後色々聞いてみたがステータスの上限は通常100らしいので今のハヤトのちからとかはほぼLvMAX並だ。もしかしたら100超えるのではないか。

「それにしてもなぜか素早さだけ何も書かれてないですね」

ハヤトはもう一度よくステータスを見てみると確かにそこには素早さだけが何も表示されていなかった。これもレイラ曰く初めて見たのでわからないらしい。

「まぁ、それはいつか分かるだろ。次は俺がいかせてもらうぞ」

この後、ケンタ、リキ、マナミの順でステータスの測定が続けられた。
それぞれのステータスものせておこう。

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松本ケンタ 男 Lv1
ちから 77
素早さ 60
まもり
魔力量 33
回復魔力 19
攻撃魔力 19
頭のよさ 95
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中川リキ 男 Lv1
ちから
素早さ 82
まもり 59
魔力量 15
回復魔力 0
攻撃魔力 15
頭のよさ 86
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白井マナミ 女 Lv1
ちから 31
素早さ 55
まもり 46
魔力量 99
回復魔力
攻撃魔力
頭のよさ 93
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皆化け物ぞろいだ。またそれぞれ表示されていないところがあるが、今は気にしても仕方ない。
とにかく次は俺の番だ。
俺は水晶の前に立ちそっと手を触れる。
そしてでてきたカードを見てみると、

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高山ガク 男 Lv1
ちから 22
素早さ 23
まもり 21
魔力量
回復魔力 5
攻撃魔力 5
頭のよさ
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あれ?俺だけなんとも言えない、いやちょっと弱くないか?

「常人と比べればまだいいほうてすが……」

レイラも少し気を使ってくれているが、やっぱりこの中じゃだいぶ弱いらしい。
クソっ、リキとハヤトが嬉しそうに笑ってやがる。

「ぷぷぷっ、ガクさーん、そんなんで大丈夫なんか?」
「足を引っ張らないでくださいよ」
「だ、大丈夫!ガク君なら何とかなるよ!ちからとかは私とそんな変わらないし……ね?」
「ガク、えーと……その……ドンマイだ!」

マナミとケンタも何もフォローできてない。
俺、この後どうなるんだろう……。

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