天才が異世界で困ってます

夏季

3話 神になる

「神ってどうゆうことなの?」

神と呼ばれ男子達が少し喜んでいる中、マナミは冷静に聞き返す。確かにいきなり神と言われてもびっくりだ。

「まぁ、待て。まずはわし達の自己紹介からじゃ。
わしはここレイクリア国の王、アルバートじゃ」
「私が、アルバートの妻ローシャですわ」
「私はローシャさまの召使いのレイラでございます」
「ローシャさん随分と若ぇんだな。王様と違って」
「ふふっ、ありがと」

リキの無神経な言葉に王は少し顔がひきつっている。
でも、本当にローシャは綺麗だ。王が50歳後半ぐらいの年齢だろうが、ローシャは多分20後半ぐらいだろう。

「んで、なんで俺達が神なんだ?」

少し話がズレたところをケンタが元に戻す。王も気を取り直しまた喋り始めた。

「実はな、少し前から世界全体の魔物達の動きが活発になってのう。なぜかと思ったら急にこの城に女の預言者が来てな。そいつが言ったんじゃ、『魔王が複数復活した。このままではこの世界は危ない。近いうちに5人の神たちが現れるだろう。その神たちには手の甲に模様がついている。それを手掛かりにしろ。そして神たちと協力して世界を救え』とな。」

「なるほど、僕達5人ですしね。手の甲にも模様がある。本当に神なのですね。」

「そうじゃ、だから頼む!魔王を倒すのを手伝ってはくれないか?報酬はいくらでも出す!この世界を救ってくれ!」

王は真面目な表情で俺達に頭を下げた。
マナミとケンタはこしょこしょ話で俺に聞いてくる。

「どうするの?ガク君」
「これは断れない雰囲気だぞ」
「私は全然いいよー」
「俺もだ。ガクはどうだ?」

そうだな……。正直死ぬかもしれないから怖いが、魔王を倒すために俺達はこの世界に飛ばされたのだろう。
だから、俺は構わないのだが。

「リキとハヤトはどうだ?」

俺は後からグチグチ言われない為にも、先に2人にたずねる。多分、2人の様子的に確実に許可は貰えるだろうが。

「いいですよ。僕、こうゆうの大好きですしね」
「俺もだ!燃えてきたぞ!」

やっぱりな。ならもう決まりだ。

「わかった。魔王を倒すのに協力しよう」

こうして俺達は魔王を倒すための神になった。

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