世界最強の強くてニューゲーム

ゼクト

北側

今回の冒険者殺害は、あえて政府側が大々的に発表した。

この国の普通の国とは違った大きなメリットというのは、市民がどう頑張っても、実力行使ができないのだ。

今まで、絶対王政などが崩れてきた過程で、大体が市民による反乱だった。

そして、その反乱に対処できなくなった政府は、市民に倒され、絶対王政が終わったということが多い。

しかし、この国に関しては、いくら市民が頑張っても、ゼアークに従っているモンスターは倒せない。

普段冒険者がモンスターを倒せているのは、統率がとれていなく、その上、協力もしないモンスターを倒しているからだ。

それに対して、この国に従っているモンスターは強く、それなりに統率が取れている。

つまり、史実の方で行われてきた革命というものが絶対にできないのだ。

そのことは、前の戦争で市民もよくわかっている。

この国の軍が一瞬にしてやられて行ったことは、すでに国内外で有名な話になっている。

別にこの国の軍は弱くなかったのだが、それでもここまで一瞬でやられるとは思っていなかったほかの国は、今度は自分たちの国のほうに来るのではないかと警戒を強めている。

つまり、今、冒険者たちの殺害を大々的に公開しても、政府に何かできるものが存在しなく、恐怖心を植え付けることだけできるのだ。

「とりあえず、最近の国内の一番大きな問題は解決できた。」

あまり人を殺すことはやりたくないと思っていたが、冒険者を殺した時には、特に何も感じなかった。

すでに心がダンジョンと一緒になってきているのだろう。

「これでひとまずの問題は解決だな。」

ここからは、一旦すべてを失ったこの国をどうやって元の状態異常に戻すかを考えなくてはいけない。

(それは、こつこつと直していくしかないか。)

彼は、そう思いながら、すでに始まり始めた書類仕事をやっていくのだった。

それに対してダンジョン側は…

「取り合えず、人間国の一つを手に入れましたが、この先はどうするのですか?」

「これからは、とりあえず、あの国が安定し始めたら、向こう側の国に侵攻して、勢力の拡大を行う。
そして、すべてをあの国主導で行うのではなく、南側の国に関しては、一国一国が小さいから、3つくらいの国をまとめて併合させよう。」

「それでは、北側は?」

「北側も勢力を伸ばしたい。
しかし、どうやら北側の国に関しては、それなりに強い国が多いということで、一気にすべての領土を持っていくのはきついだろう。」

「そうですか?戦力的には大丈夫だと思いますが。」

「そうだろうな。戦力的には一国を亡ぼすくらい大丈夫だろう。
しかし、もしも丸々一国をいきなり支配するとなると、反乱処理が面倒だからな。
だから、北側に関しては、じっくりと攻めていく。」

「わかりました。」

「ということで、もう少し戦力の増強をしたら、攻めに行くぞ。」

「了解です。」

こうして、北側列強にも攻めに行くことが決まったのだった。

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