なり損ねた俺と天才悪魔の自己満足な世界救済

ニートは引きこもりたい

非日常の始まり

ジリリリリリリー。
パチ,

「もう朝か。」
目覚まし時計を止めながら紅は目をさます。昨日は入学式。つまり自動的に今日から新学期っである。紅はニュースを見ながら適当に作った朝ごはん食べてそれから身支度を整えて最後におじいちゃんからもらったお守りを手に持ち家を出る。
そしていつもどおりの通学路を歩き学校が始まる15分前,8時15分に教室に行き自分の席で爆睡した。
授業式でつまらなく長い先生の話しを聞き終え新しい先生の話も終わり今日の学校生活は終わりを迎える。紅もこの後家に帰ったら適当に寝るかゲームをするつもりだったので彼にとっても今日という日はもう終わりを迎えたのだ。

しかし本人の考えとは逆にこれから本当の意味で紅にとって長い今日が始まる。
それは突然だった。彼が昼を近くのレストランで食べている時,急に大きな爆発音が響いた。周りは騒ぎいろんな方向に逃げ出す。紅も内心慌てていたが食欲の方が優っていたらしい。大急ぎで目の前のハンバーグ定食を食べていた。そのため少し逃げ遅れたが紅もレストランの外に出て現場を観察する。周りは爆炎を見ているようだが紅は違うものに注目していた。なんと爆炎の中で2人の人影があろうことか空を飛び戦っているではないか。片方は白い光を纏いもう片方は紫色の光を纏っていた。そして紅は不思議に思う。なぜ周りの人はこの事に気付いてないのだろう?っと。
そう思っていると彼らの流れ弾が1人のサラリーマンに当たった。サラリーマンは体から血を流し倒れる。誰がどう見ても死んでることが分かる状況だった。しかし周りの人は誰も気づかない。人が1人死んだというのにそれに気づいているのは紅ただ1人だけだった。
するとその事に彼らが気づいたのか2人は紅のもとに近づいてくる。まだ結構距離はあるがすぐ追いつかれるだろう。そのくらい2人のスピードは速かった。紅はすぐ路地裏に向かって走り出す。あのスピードなら複雑な路地裏を通れないと思いながら。しかし2人はそれでもなおスピードを落とさず紅を追いかける。白い方は難なく曲がりくねった道を渡りきるが紫の方は建物にぶつかりながらそれでもスピードを落とさず追いかける。そして紅が廃工場についた瞬間2人が追いつく。仕方なく紅は止まり2人に向き合う。

「お前らは一体なんなんだ!」
紅がそう言うも2人は返答をせず光弾を放つ。紅は必死に避けようとする。しかし紅はただの高校2年生。超人でもなければ物語の中のヒーローでもない紅は数発避けれただけでほとんどの光弾に当たる。当たった瞬間,紅は死んだと思った。しかし光弾は紅を貫くことはなく体に当たった瞬間消えてしまった。それでも紅は吹き飛ぶ。外傷はないが1発,1発が自転車にはねられているようなものだ。逆に無傷なのがありえないくらいだ。紅がそう思っていると2人はさらに光弾を撃ってきた。紅は必死に工場の中に逃げ込み隠れる。そして息を整えていると後ろから光弾が壁を貫き紅に襲いかかってくる。再び紅は吹き飛びポケットからお守りが落ちる。しかしそんな事を気にする余裕もなく紅は地下に落ちる。そしてまた逃げるが数分で追いつかれ立ち止まる。2人は紅を確実に仕留めるためか,光弾をどんどん大きくしている。紅はもう逃げる気力もないのかその場に佇んで最後の時を待っている。そして2人が光弾を放つが紅に届く前に横から青い光弾が飛んできて2人の光弾をそらす。紅と2人がその青い光弾が飛んできた方向を見るとそこには1人の少女がいた。見た目は小学生くらいだろうが髪を腰まで伸ばしていてそしてその髪の色が日本人ではありえない青色だった。少女は紅の方を見て近づきながら,

「これが,白草の孫なのかぁー?ちっとも似てないな。いや,目はそっくりだな。とりあえず無事で何よりだ。」
紅は驚きながらも質問しようとするが少女は2人の方を向き,

「なんで魔術師と天使がここにいるんだ?いや,ちょっと違うな。……,そうかお前らそもそも生物じゃないな。なるほど物に自分の魔力を分けゴーレムみたいにしているのか。」
そう言っていたので紅も2人をよく見るとどちらもマネキンだった。

「ふーん,じゃ殺しても問題ないな。って事でドーン。」
少女はそう言い2つのマネキンに向けてなにかをした。本当は違うのだろうが早すぎて紅には何をしたかが全くわからなかったのだ。マネキンは空中で壊れ地面に落ちる。紅はそれを見て緊張の糸が切れたのかそこから先はよく覚えていない。

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