起きて人生眠って妖生!

豆腐8@59

夢に夢見る

「蓮くーん♡」

おほほっ!

ビキニ姿のゆるふわ系ギャルが蓮に呼びかけ蓮の鼻の下は伸びる。

「やーん♡れーん♡」

お次はビキニの紐が外れかの金髪ビッチギャルが蓮の名前を呼び更に鼻の下が伸びる伸びる。

おっほっ!

彼は今桃源郷ともいえるピンクのオーラが充満する世界を夢見心地にさまよう、右を向けばポロリ、左を向けばハラりと必ず美がつく女性達のラッキーなスケベイベントの真っ最中だった。

「あぁ、なんて素晴らしいんだ!まるで夢みたいだ!これが俺が追い求め探し回った桃源郷だよ!」

などと蓮は叫ぶが勘違いしてはいけない、これは夢なのだ。現実ではなければ仮想現実バーチャルリアリティでも無い。

現にほら、もうすぐ...

「む?あの子は!」

視線を右に左に忙しなく移していた彼は一人の少女に目を奪われた。
と、言うより彼女を探していたのだが。
彼の目に止まったのは特徴的な耳をしていたからだった。
ケモ耳と呼ばれるフサフサもふもふの猫耳をつけた黒髪ロングの少女、顔は影で隠れて見えなくともこちらをほほ笑みかける口元は見えた。

どストライクである!

「きみ、かわうぃ~ね〜!」

一昔前に流行っていたであろう言葉を叫び少女の胸元に飛び込もうとする。
少女の決して豊かとは言えないが全てを包み込んでくれそうな胸元に近づくほどに興奮で胸の奥が高鳴るのを感じる。

そして、少女に触れる既のとこで───




─────『ジリリリリリリン!!』

意識を乱す程けたたましく耳障りな音が全てを無に帰す。

《あぁ、またか...なんでいつもここで...》

真っ暗な視界の中で何かを悟った蓮は悔しがる。

《また彼女に触れれなかった...何故いつもこの時に...》

次第にハッキリとする意識の中、彼女の姿を思い出し、夢に逃げようと抵抗するが

《いつか、絶対、君の顔を──》





「───見てやる」

抵抗虚しく、寝言を呟き重いまぶたがパチリと開いた。

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