救え!!!!!!!!!!!

ユリス

7話 花流の過去




 花流の過去

私は中学二年生の秋からいじめられ始めた 。
その理由はある試合に負けたからだ。

同じクラスだった鈴風香というクラスの女子の中でボス的な存在だった人と私は勝負を申し込まれた。
「気にくわない」とかそんな理由で。
勝負の内容は『学校の周り(約10km )を先に一周した方が相手の言うことをなんでも聞く』というものだった。
その戦いで私は勝てるはずだった。
なのに、なのに私は勝てなかった。

なぜなら香はイカサマをしたからだ。

私はあの時のことを思い出すだけで腹が立つ。

「はぁー。はぁー。はぁー。またこの夢か。」

この夢は最近見るようになっている。

さっきの夢の続きだけど、香がしたイカサマというのは・・・

学校の周り(約10km)を二人で走ったことだ。最初、私が聞いたときはポカーンとした。でも、それをやってみせた。
その二人目の人物は南原清美で、いつも香の横にいる人だ。

彼女たちの足の速さは私の次に速い二人だった。

清美は香と全く同じ格好をしていた。
髪型、顔までもほとんど一緒だったから少しの違和感しか感じられなかった。

スタートしたのは多分清美だろう。

4km地点まではほとんど一緒だった。そこから香(清美)と10mぐらいの差ができた。5km地点まではその距離を保っていた。

それからだ。

香がいきなり速くなった。多分入れ替わったんだと思う。それでも私は必死に香に食らい付いた。9km地点でもう限界を超えていた。

ゴールまで50mを切ったとき香との差は1mぐらいだった。最後の力を振り絞って香と並んだが足1歩分香には追い付かなかった。

そこからの記憶は全くない。私は地面に倒れたらしい。

それから1日後、目が覚めたら病院にいた。
病院の先生からは肉離れだと言われた。
全治1ヵ月程の。

お姉ちゃんは私の異変に気づいたんだと思う。だからこう言ってくれた。

「大丈夫?花流が肉離れって珍しいね。学校で何かあった?」

と優しく。

でも私は首を横に振った。

「そうなの?ならいいけど。あまり無理はしちゃいけないからね。」

私はそれから学校を1週間休んだ。
1週間ぶりの学校はただならない空気だった。

その日の放課後香に呼び出された。

「勝負の約束事忘れてねーよな。」

私はうなずいた。

内容は休日と長期休みを除く、平日の放課後に香のサウンドバックになれ。というものだった。

さ、サウンドバックになれだって!?それって私が殴られるってこと!?

「勝ったやつの約束は絶対なんだろう。ま、高校生が終わるまででいいけど。」

高校生まで!?それって約4年半じゃん。

それから毎日、殴られた。痛くても、痛くても絶対に先生には言っちゃいけない。それが香の付けたルールだから。

なぜ、私が香に負けたんだろうと思ったのは中2の冬期休みの頃だった。
それは私の数少ない友達の1人の横浦加美が教えてくれた。

「イカサマをしたのよ。」

「えっ、どういうこと?」

そして、私はさっきの話を知った。

私が昔のことを思い出しているとドアがノックされた。

「はーい。」

私は返事をした。

「入るよ。」

入ってきたのは茨運お姉ちゃんだった。

「花流が5時に起きないなんて珍しいね。」

時計を見ると時間は5時半だった。

「やばっ。今から制服を着るからお姉ちゃんは出てって。」

「はーい。」

お兄ちゃん、私はいじめられてても平気だから何もしないでね。

私は昨日、お兄ちゃんが逃げるところを見てしまった。でも何もしなくていいからね。
私が種を蒔いたことだから!

私は心の中でそう思った。




どうも、ユリスです。

今回は花流の回想という話でした。
花流はこれからどうなってしまうのか頑張って書いていこうと思います。

では、また。

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