いつか夢見た夢の跡
第十話 その言葉は、きっと誰かを救えたかな
【過去・紅華館地下】
わたしがひとりぼっちになったのは、お姉様に能力を完全に制御出来るまでと言われ部屋に閉じ込められた時からだった。
勿論、脱走を試みたけどまず部屋の扉が絶対に壊れないようになっていて、窓もない地下室だったから壁を壊す事も出来なかった。薄ら寒くお部屋もちょっと暗い。
ただ、本当にひとりぼっちと言う訳ではなく、お部屋にはお人形さんがいっぱいあった!
それだけじゃない!見た事もない舶来の物が置いてあったりして見ていてとてもわくわくした!
「外には、どんな物があるんだろう!どんな生き物がいるんだろう!」
そう思い、想い続けて外に出られる日を待っている。でも、たまにここへ覗きに来るこの館の住人は皆、揃ってこう言うんだ。
「外は、危険しかないから出てはいけないよ」
口調はそれぞれだけど皆が皆同じような事を言う、でも思うの。
"それじゃぁなんで皆はそこにいるの?"
って・・・
ある日、お姉様にその事を聞いてみたら、部屋に閉じ込められたあの時みたいな冷たい表情で
「貴女が、能力を抑えられない程愚かだからよ」
と突き放されるように言われた。
じゃぁ、どうすれば能力を制御出来るようになるのかわたしはわたしなりに閉じ込められて考えてみた。だけど分からなかった。
「わからない、わからないよぉ・・・お姉様。誰かぁ・・・。」
絶対壊れない扉、その向こうに向かって、誰ともない者に、わたしことこの館の主の実妹、フランドール・V・E・スカーレッドは泣いて祈った。
【現在・紅華館】
「んで、撃破対象は!?」
紅華館へ続く林道を息が切れそうになるのを必死にこらえながら半力で走り抜ける
「紅華館主よ、他の従者は交戦しない限り無視」
「了解!」
霊華の打てば響く声に俺は負けじと答える。そうこうしている内に館らしき建造物が木々の隙間から見えてくる
「・・・霊華お姉ちゃん。ここ、昨日崩落しているはずたよね?・・・なんで、"工事の跡がない"の?」
隣の紫芳が問い掛ける。
確かに、工事後だからどこかしら新しくなっている所があってもいいのだ。だが見た所そのような部分は見当らない。
まるで何事もなかったかのように。
「言われて見れば確かにそうね・・・あれだけの損害があって工事の跡がないってのはキナ臭いわ」
「まぁ、そこら辺含めてちゃっちゃと先行こうぜ、どうやらお迎えまでいるみたいだしよ」
俺はそう急かしながら門の前に居る紅髪のチャイナ服の女性を睨めつける
「あやや、こりゃ完全に警戒されてますなぁ・・・・・・」
紅髪の女性がおどけたように呟く、その文言1つ1つは脱力感があるものの、程よく鍛えられているであろう肉体からはただならぬ気配。闘気を漲らせていた。
「はじめまして、巫女さんに限ってはこんにちは。自分、この館の門番をしております鈴 鳳紅っす。」
そう気軽に自己紹介しながらも、臨戦態勢に入っている彼女をみて、説得とか安い文句で中に入れさせて貰えない事は十分分かった。
「錺、なんか初っ端からヤバそうなんだけど」
呼びかけると、この場にいないノイズが掛かったような少女の戦慄じみた声が聞こえる。
『確かに・・・ちょっとヤバイね。彼女、人間の見た目しているけど魔力の量がバケモノだ!いくら媒体術でも魔力を込めた物理攻撃を貰ったら、威力を殺し切れない・・・脇を締めて!ヤシロ!レーカ!シオリ!』
「「了解!!」」
「ん!」
口々に賛同する。チャイナ服の女性が静かに口角を上げ右手を握ったり開いたりして挑発を繰り返す
「チッ・・・!上等じゃない!」
先に動いたのは玲華だ。
女性に向かって一瞬で肉迫しお祓い棒を袈裟斬りに振り抜く。次いで左拳のストレート、勢いを殺さずに右脚で水平回し蹴り、流れるような動作でサマーソルトを放つが相手方は容易く避ける。
「おやおや、巫女さん。そんなものですか?その程度で自分に挑もうなどと、はっきり言って笑止千万!あの世の笑い草にもなりませんねぇ・・・」
「あら、そう?そう思うのも今の内よ?今頃後ろにいる連れがヤバイ事企んでるかも知れないわよ?それこそ
あんたなんかが問題にならないくらいのレベルでね」
「ふんっ!気を逸らそうったって無駄な足掻き、自分が早々引っ掛かる訳が・・・!?」
やっとのことさ、こっちに意識が向いたようだ。
即席のパーティなのに崩壊しないのは、それぞれの役割を理解しているからだろうか。
そう、玲華が言ったのは本当の事で、今俺の隣の紫芳が大量の魔力を塊にこねこねしている。生身の人間が直に喰らえば失神では済まないだろう量の魔力を両の手で器用に練り上げる。
「まずい!!・・・!?まだ何か隠し玉が!?」
「えぇ、正解よ、今後は足元をよく見なさいな」
「これは・・・呪符?いや、霊符か!?」
「ご名答、では・・・【天礫叢輪:雨美雲蜂】」
先程の連撃の途中に密かに女性の足元に忍ばせておいたのだろう1枚の札が、形を変えてスズメバチのような形に成り変わる。スズメバチは即座に群れを作りチャイナ服の女性の周囲を飛び、視界を奪う。その隙を突いて玲華が後退する。
「こんの・・・逃がしませんよ!!」
チャイナ服の女性がスズメバチに攻撃する。すると一瞬だけ拳大の穴が開いたが、丁度そこには玲華のお祓い棒だけが浮いていた。
ひっかかったようだ!!
「これは!?」
『シオリ!今!』
「『―――ゆるるゆるこゆるそら、せらさぎししのおのにまいして、はなのにおいまそかりか』・・・どいて、そこ邪魔!!!」
形の良い唇が細々と動き言の葉を紡ぐ、魔力がただの塊から指向性を変えて千槍の形へと。
千もの槍はまっすぐ女性が開けた穴へと突き進む!
「しまっ!!?」
その声と魔力の槍が莫大な熱量となって爆発するのは同時だった。
「初めての連携だったけど、問題はなさそうね」
玲華が満足げに微笑む、一方紫芳はこちらに向けて嘲笑?の眼差しを浮かべている・・・多分、ばーか!この役立たず!とでも思っているのだろう。
しかして事実なので申し訳無さげにしかする事が出来ない。
「さて、先に行きましょう。油売っている場合では無いわ」
皆が皆安心している最中、錺が鋭い声を上げる
『油断しないで!まだ倒せてない!!』
「何言っているのよ、雨美雲蜂と紫芳の【汰木芯線】喰らって、倒せてない方がおかし――――」
「残念・・・なが・・らまだ生きてます・・・よ!」
「「「ッ!!?」」」
さっきまで、回復姿勢で寝ていた女性が膝立ちで起き上がる。無傷というわけには行かないようだった、現に息は上がっており、所々破けた服に煤がついていたり、浅傷が痛々しい。
「なんで・・・なんでまだ倒せてないのよ!!?」
『汰木芯線や天礫叢輪を使っても意味なさげだね・・・いまある攻撃系媒体は蚊が刺す程度の威力しか出ない・・・吸血鬼の手下なら"アレ"を使えるだろうけど・・・火力不足で望み薄か。』
小さな声で呟くのが聞こえた、しかし俺らはそれと同時に向かってきた攻撃に避けるのに真剣で聞くことが出来なかった。
「・・・ちっ!ゴ○○○ですか貴方達!」
サラッと放送禁止用語を垂れた女性に向かって叫ぶ、鼓舞するため。目的を果たすため。
「言われたかないねっ!門の前から移動していない鈍亀さんにはよぉ!!」
「ちょっ!社何言ってるのよ!油断しているとあたって死ぬわよ!」
「・・・神裂社、何バカなことしてるの」
それぞれがそれぞれの言の葉とともに色鮮やかな敵の攻撃を回避し、俺の身を案じている。
自意識過剰かもしれないけど、向こうじゃこんな事はなかった。
自分は群衆の中のただ"一人"でしか無くて、"一人としての俺"を感じてくれた人は・・・果たして居たのだろうか・・・。
両親が早くに死んで、でっかい家で沢山の親戚に囲まれて[大変だったね]とか憐れんで貰って何も無い空っぽの笑顔で答えていた。
"それ"は俺なのか?
果たしてその空っぽの中身は一体誰なのだろうか?
そう問いかけさせる周りが嫌で、一人で越して来たけど何も変わらなかった。
変わるわけ無かった、変えてくれなかったんじゃ無い、変える気が無かったからだ。
一時の平穏欲しさに・・・意志の関係なく、ただ空気と言う意味の分からない流れに沿う日々はうんざりしていたし、反吐が出そうだった。
だから
「だから俺は・・・いつまでも後ろに居るのは気が引ける!何なら、前に出る、生きる事に執着してやる!!俺の中にある大事な物が・・・これ以上溢れないように!!!」
【同時刻・紅華館地下】
「誰かぁ・・・助けてぇ・・・」
日が届かない暗い部屋で、今日もわたしは泣き崩れる。助けを呼んでも誰も答えてくれないのは知っているけど、呼ばずには居られなかった。
その時
「―――――――!!」
どこか遠くから声が聞こえた。
地上からだろうかうっすらと聞こえる。だけど、その言葉には力強さが滲み出ていた。
声の主はそれ程強くはないのだろう。だけど、胸のあたりがなんだか暖かくなる。なぜかはわからないけれど、多分期待位はしてもいいんじゃないのだろうか。
此処から出してくれることを祈りながら涙を流した。
わたしがひとりぼっちになったのは、お姉様に能力を完全に制御出来るまでと言われ部屋に閉じ込められた時からだった。
勿論、脱走を試みたけどまず部屋の扉が絶対に壊れないようになっていて、窓もない地下室だったから壁を壊す事も出来なかった。薄ら寒くお部屋もちょっと暗い。
ただ、本当にひとりぼっちと言う訳ではなく、お部屋にはお人形さんがいっぱいあった!
それだけじゃない!見た事もない舶来の物が置いてあったりして見ていてとてもわくわくした!
「外には、どんな物があるんだろう!どんな生き物がいるんだろう!」
そう思い、想い続けて外に出られる日を待っている。でも、たまにここへ覗きに来るこの館の住人は皆、揃ってこう言うんだ。
「外は、危険しかないから出てはいけないよ」
口調はそれぞれだけど皆が皆同じような事を言う、でも思うの。
"それじゃぁなんで皆はそこにいるの?"
って・・・
ある日、お姉様にその事を聞いてみたら、部屋に閉じ込められたあの時みたいな冷たい表情で
「貴女が、能力を抑えられない程愚かだからよ」
と突き放されるように言われた。
じゃぁ、どうすれば能力を制御出来るようになるのかわたしはわたしなりに閉じ込められて考えてみた。だけど分からなかった。
「わからない、わからないよぉ・・・お姉様。誰かぁ・・・。」
絶対壊れない扉、その向こうに向かって、誰ともない者に、わたしことこの館の主の実妹、フランドール・V・E・スカーレッドは泣いて祈った。
【現在・紅華館】
「んで、撃破対象は!?」
紅華館へ続く林道を息が切れそうになるのを必死にこらえながら半力で走り抜ける
「紅華館主よ、他の従者は交戦しない限り無視」
「了解!」
霊華の打てば響く声に俺は負けじと答える。そうこうしている内に館らしき建造物が木々の隙間から見えてくる
「・・・霊華お姉ちゃん。ここ、昨日崩落しているはずたよね?・・・なんで、"工事の跡がない"の?」
隣の紫芳が問い掛ける。
確かに、工事後だからどこかしら新しくなっている所があってもいいのだ。だが見た所そのような部分は見当らない。
まるで何事もなかったかのように。
「言われて見れば確かにそうね・・・あれだけの損害があって工事の跡がないってのはキナ臭いわ」
「まぁ、そこら辺含めてちゃっちゃと先行こうぜ、どうやらお迎えまでいるみたいだしよ」
俺はそう急かしながら門の前に居る紅髪のチャイナ服の女性を睨めつける
「あやや、こりゃ完全に警戒されてますなぁ・・・・・・」
紅髪の女性がおどけたように呟く、その文言1つ1つは脱力感があるものの、程よく鍛えられているであろう肉体からはただならぬ気配。闘気を漲らせていた。
「はじめまして、巫女さんに限ってはこんにちは。自分、この館の門番をしております鈴 鳳紅っす。」
そう気軽に自己紹介しながらも、臨戦態勢に入っている彼女をみて、説得とか安い文句で中に入れさせて貰えない事は十分分かった。
「錺、なんか初っ端からヤバそうなんだけど」
呼びかけると、この場にいないノイズが掛かったような少女の戦慄じみた声が聞こえる。
『確かに・・・ちょっとヤバイね。彼女、人間の見た目しているけど魔力の量がバケモノだ!いくら媒体術でも魔力を込めた物理攻撃を貰ったら、威力を殺し切れない・・・脇を締めて!ヤシロ!レーカ!シオリ!』
「「了解!!」」
「ん!」
口々に賛同する。チャイナ服の女性が静かに口角を上げ右手を握ったり開いたりして挑発を繰り返す
「チッ・・・!上等じゃない!」
先に動いたのは玲華だ。
女性に向かって一瞬で肉迫しお祓い棒を袈裟斬りに振り抜く。次いで左拳のストレート、勢いを殺さずに右脚で水平回し蹴り、流れるような動作でサマーソルトを放つが相手方は容易く避ける。
「おやおや、巫女さん。そんなものですか?その程度で自分に挑もうなどと、はっきり言って笑止千万!あの世の笑い草にもなりませんねぇ・・・」
「あら、そう?そう思うのも今の内よ?今頃後ろにいる連れがヤバイ事企んでるかも知れないわよ?それこそ
あんたなんかが問題にならないくらいのレベルでね」
「ふんっ!気を逸らそうったって無駄な足掻き、自分が早々引っ掛かる訳が・・・!?」
やっとのことさ、こっちに意識が向いたようだ。
即席のパーティなのに崩壊しないのは、それぞれの役割を理解しているからだろうか。
そう、玲華が言ったのは本当の事で、今俺の隣の紫芳が大量の魔力を塊にこねこねしている。生身の人間が直に喰らえば失神では済まないだろう量の魔力を両の手で器用に練り上げる。
「まずい!!・・・!?まだ何か隠し玉が!?」
「えぇ、正解よ、今後は足元をよく見なさいな」
「これは・・・呪符?いや、霊符か!?」
「ご名答、では・・・【天礫叢輪:雨美雲蜂】」
先程の連撃の途中に密かに女性の足元に忍ばせておいたのだろう1枚の札が、形を変えてスズメバチのような形に成り変わる。スズメバチは即座に群れを作りチャイナ服の女性の周囲を飛び、視界を奪う。その隙を突いて玲華が後退する。
「こんの・・・逃がしませんよ!!」
チャイナ服の女性がスズメバチに攻撃する。すると一瞬だけ拳大の穴が開いたが、丁度そこには玲華のお祓い棒だけが浮いていた。
ひっかかったようだ!!
「これは!?」
『シオリ!今!』
「『―――ゆるるゆるこゆるそら、せらさぎししのおのにまいして、はなのにおいまそかりか』・・・どいて、そこ邪魔!!!」
形の良い唇が細々と動き言の葉を紡ぐ、魔力がただの塊から指向性を変えて千槍の形へと。
千もの槍はまっすぐ女性が開けた穴へと突き進む!
「しまっ!!?」
その声と魔力の槍が莫大な熱量となって爆発するのは同時だった。
「初めての連携だったけど、問題はなさそうね」
玲華が満足げに微笑む、一方紫芳はこちらに向けて嘲笑?の眼差しを浮かべている・・・多分、ばーか!この役立たず!とでも思っているのだろう。
しかして事実なので申し訳無さげにしかする事が出来ない。
「さて、先に行きましょう。油売っている場合では無いわ」
皆が皆安心している最中、錺が鋭い声を上げる
『油断しないで!まだ倒せてない!!』
「何言っているのよ、雨美雲蜂と紫芳の【汰木芯線】喰らって、倒せてない方がおかし――――」
「残念・・・なが・・らまだ生きてます・・・よ!」
「「「ッ!!?」」」
さっきまで、回復姿勢で寝ていた女性が膝立ちで起き上がる。無傷というわけには行かないようだった、現に息は上がっており、所々破けた服に煤がついていたり、浅傷が痛々しい。
「なんで・・・なんでまだ倒せてないのよ!!?」
『汰木芯線や天礫叢輪を使っても意味なさげだね・・・いまある攻撃系媒体は蚊が刺す程度の威力しか出ない・・・吸血鬼の手下なら"アレ"を使えるだろうけど・・・火力不足で望み薄か。』
小さな声で呟くのが聞こえた、しかし俺らはそれと同時に向かってきた攻撃に避けるのに真剣で聞くことが出来なかった。
「・・・ちっ!ゴ○○○ですか貴方達!」
サラッと放送禁止用語を垂れた女性に向かって叫ぶ、鼓舞するため。目的を果たすため。
「言われたかないねっ!門の前から移動していない鈍亀さんにはよぉ!!」
「ちょっ!社何言ってるのよ!油断しているとあたって死ぬわよ!」
「・・・神裂社、何バカなことしてるの」
それぞれがそれぞれの言の葉とともに色鮮やかな敵の攻撃を回避し、俺の身を案じている。
自意識過剰かもしれないけど、向こうじゃこんな事はなかった。
自分は群衆の中のただ"一人"でしか無くて、"一人としての俺"を感じてくれた人は・・・果たして居たのだろうか・・・。
両親が早くに死んで、でっかい家で沢山の親戚に囲まれて[大変だったね]とか憐れんで貰って何も無い空っぽの笑顔で答えていた。
"それ"は俺なのか?
果たしてその空っぽの中身は一体誰なのだろうか?
そう問いかけさせる周りが嫌で、一人で越して来たけど何も変わらなかった。
変わるわけ無かった、変えてくれなかったんじゃ無い、変える気が無かったからだ。
一時の平穏欲しさに・・・意志の関係なく、ただ空気と言う意味の分からない流れに沿う日々はうんざりしていたし、反吐が出そうだった。
だから
「だから俺は・・・いつまでも後ろに居るのは気が引ける!何なら、前に出る、生きる事に執着してやる!!俺の中にある大事な物が・・・これ以上溢れないように!!!」
【同時刻・紅華館地下】
「誰かぁ・・・助けてぇ・・・」
日が届かない暗い部屋で、今日もわたしは泣き崩れる。助けを呼んでも誰も答えてくれないのは知っているけど、呼ばずには居られなかった。
その時
「―――――――!!」
どこか遠くから声が聞こえた。
地上からだろうかうっすらと聞こえる。だけど、その言葉には力強さが滲み出ていた。
声の主はそれ程強くはないのだろう。だけど、胸のあたりがなんだか暖かくなる。なぜかはわからないけれど、多分期待位はしてもいいんじゃないのだろうか。
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