それでも僕らは明日に向かう

ノベルバユーザー311087

第七話

僕はそれからはこれまで以上に彼女と出かけたり話したりとできるだけ関わるようにした。
もちろん取り戻したいという気持ちもあったしそれに加えて彼女としゃべるのは非常に楽しかったのだ。
そんなこんなで彼女と再会してからクリスマスまでと今までの人生では味わったことのないような幸福に溢れた生活を送らせてもらった。
そしてあの事件があった。
僕はそれ以降感情も何もかもふさぎ込みただただ抜け殻のように暮らしていた。
もちろん大学側には祖母たちからではあったが退学を申請させてもらった。
そしてそれが受理された翌日、祖父と祖母は自殺した。
それまでに事件のことで疲れていた。
さらに僕が抜け殻になってしまったのでその世話にも追われた。
さらにそこに報道者たちの身勝手な僕を出せのコールでもう限界が来ていたのだ。
そのせいで僕は飯を自分で作らないといけなくなってしまった。
一度絶食自殺を試してみたのだが軟弱な僕にそんな辛抱ができるわけもなく腹が減ったら作ってちゃんと食べていた。
おかげさまで家事は完ぺきである。
おかげとか言うと不謹慎だがほんとに祖母たちがいなくなってから完ぺきといっていいほどまでに上り詰めたのだ。
つまり祖母たちがいたら僕はそのままダメなままだったのだろうってことだ。
まあそんなことはどうでもいい、本題に戻ろう。
僕がふさぎ込んで引きこもっている間少なくとも僕の記憶には誰かと会った記憶もなければ話した記憶もない。
葬儀屋と特殊清掃員の人にはお礼の言葉と「はい」しか言っていないしそれは必要経費だ。カウントしなくてもいいだろう。
僕は彼女のことをその時に忘れていた。
もう何ともかかわりたくない
何も信じれない
人はだれかを腐らせるために生きてるんだと思った
もうなにもしたくない
もうこんな思いをするのは嫌だ。
僕は現実から逃避していた。
いやしないと精神をまともに持っていられなくなった。
そこから僕の自殺ライフが始まった。
まず始めは首つりだ。
6回試してすべてちぎれたり締め切れていなかったりでダメだった。
次は水死を目指した。
目指したなんて表現は何かおかしいと思うが僕にとってはまさにその言葉のまま、それを目指していた。
死ぬことを
これに関しては毎回気絶まではいけたのだがそのあと絶対に顔は上向きになってしっかりと口で呼吸をしていた。
生存本能というものだろう神は厄介なものを人間に取り付けたもんだなと思った。
13回すべてがダメだった。
その次に飛び降りだ。
ついさっきやったやつだ。
もううんざりだった。一気にこの世から意識ごと消し去ってしまえばいいと思った。消えてしまえと思った。
一回目は町中のど真ん中でやって警察を呼ばれた。
だから僕はできるだけ人目につかないように日の目を見ないような場所から飛び降りてやる。
そう思って毎日散歩をしていた。
結局ほぼ完ぺきといっていいほどの健康体を手に入れてしまった。
何というかこう本末転倒だがいい結果に…なってないんだなこれが。
僕は死にたいのだ。
なぜ神は僕に死ではなく健康という死とは対極にあるようなものをくれたのだろうか…。
もうやってられない。
もう訳が分からなかった。
そんな時に見つけたのが今回のアパートだった。

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