青空は、異世界でも同じでした。

娘々ノベライザー8975

第7話 今そこにある危機

賢者からゆなに近づいている危機の報告を受けてなる早で街中を走っている。

ーアスカ様。次の角で右斜め上に向けて壁に飛び込んでください。

ん?
今、なんと?

ー今、です。

走りながらで言われた通りにやってみたのだが、思い切り良く空に飛び上がった。

「え!?」

なして飛び上がったのかが不思議でならなかったアスカは、飛びかたがぎこちなくただただ浮かんでいる感が拭えない。

ー不服、ですか?

満足してはいないよね。これ。

分かっていたけど取り敢えずは、ゆなを見つけることを優先にしたアスカ。
ふと、お城ぐらいの広い敷地にやたらと目立つ歪な塔となっているギルドが見えた。
大乱闘をしている野郎たちがあちこちでちらほらと見えていたのだが、吹っ掛けた本人たちは、戦闘後に気絶か戦闘不能になっているかぐらいでタンカーに運ばれながら捨て台詞を飛ばせる力が残っているのか野次が酷かった。

まだそれが言えるなら、最後までやればいいのに。

ー解。捨て台詞は、生き延びた勲章スキルに反映されます。男性冒険者たちは、好んでしている模様です。

なんだかなぁ。
男性の性なのかはわからないけど、私には、理解できません。

ー女性に例えるならば、愛嬌かと思われます。

嫌なことを言わないで。
私は、絶対にあんなことを言うもんか!!

ー振り、ですね。解しました。

理解せんでいいわ!!
てか、マジでしないったら!!

ゆなを見つけたアスカは、マジで死にかけているゆなを見て涙を流していた。
ゆなは、それはそれは、満足そうな笑顔でお腹いっぱいにたらふく食べてお腹がはち切れんばかりに膨れていて食死になろうとしておられたようで。

てか、私の貯めたお金は!?
なんで、ゆなが嬉しいそうに魂が出掛けているの!?

ーそれで?

「ぎゃふん。(泣)」

言うもんかと先ほどまでに話していたフラグを速攻で回収したアスカだった。
賢者と仲が良いなと見ている小さな子供のオーガは、眺めることしかしてない。
楽しいなら良いけど、今月分のお金である一週間分がとんじゃいました。

なぜ、こうなったのか。
オーガの子供から聞いてみることにした。

ゆな曰く。

「ゆなお姉ちゃんがギルドで登録したあとで男性冒険者たちからパーティを組まないかと誘われたの。それで、冒険者の人たちが付きまとってきて女性冒険者の人たちが助けてくれたんだけど、ゆなお姉ちゃんが助けてくれたお礼に食事を奢ることにしたの。それからは、食事しながら会話が弾んであぁなったわけなのですよ。」

なるほど。

ー解。彼女は、幸せな状態でヘブン死になりかけていたわけですね。ふっ。

今、何気に鼻で笑っていなかったかな?
まぁ、私にも同意なのだけど。

さて、アスカは、ゆなとオーガの子供の二人にこれからのことを話すことにした。
冒険者として活躍すべきことを成す、これが最善な目標ともいえよう。
簡単な目標だけど、これからが大変なことがあるかもしれない。

三人で見つけていこう。
目標に向けて必ず叶えてみる。

死地を越えた先の危機を、乗り越えて。

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