ディフェレアル(仮)

結愛銘友

始動前《ローディング》-02

「なんだ・・・・・・さっきのお前か・・・・・・」
「なんだって何それ!ひどくなーい?」


 いやなんだ無駄にテンション高ぇな。


「・・・・・・んで、なんであなたはここにいるんですか?」
「キミをいざなうため。」
「はぁ?」


 俺を誘う?何に?


「何にだよ・・・・・・」


 俺は心で思ったことを素直に口にする。すると返答があった。





 いよいよ訳が分からん。この世界に誘う?俺はもうここに存在しているじゃないか・・・・・・いやまてよ、こいつの言葉が本当だとするとここはやっぱり異世界ということになる・・・・・・。俺、ヤバくね?


「・・・・・・どういう意味だ・・・・・・?」
「言葉の通りの意味だよ。恐らく異世界から来たであろうキミを、ーーいや、に誘うと言っているんだよ。」


 俺の思考が停止フリーズした。
 ここはーー地球であり・・・・・・東京・・・・・・?ここは異世界じゃないのか?しかも俺が異世界人ってどういうことだ?


「・・・・・・俺は地球生まれでしかも東京生まれだぞ・・・・・・異世界人なんかじゃない。断じて違う。」
「えっ・・・・・・!?」


 今度は少女の方が驚いている。まるで想定外の事態、とでもいいたげな顔をしている。俺、そんなに異世界人みたいな顔立ちしてたっけ?してないよな?普通だよな?


「キミ・・・・・・東京生まれ・・・・・・なの・・・・・・?」
「だーかーら、そうだって言ってんじゃん、わかんねぇの?」
「この・・・・・・二、三十年新生児は生まれてないはずじゃ・・・・・・」


 なに?俺はいま21歳だぞ?いやまてよ、それだったらこいつは何歳になるんだ?ロリBBA的なやつなのか?俺あんま好きじゃねぇぞ?


「俺、21歳ですけど。てゆーか、あんたこそ何歳だよ。まさか異世界から来ましたーみたいな?」
「そうだよ」
「そうですよねそんなことあるわk・・・・・・え?」
「異世界人だよ?」


 ・・・・・・当たってしまった。昔から俺は無駄な勘が強い。不思議だ。これが俺にとって良い才能なのか悪い才能なのかよくわからない。


「えっと・・・・・・どこから来たんです?」
「《テラグレイン》から来たんだー。」
「テ・・・・・・《テラグレイン》?」


 聞いたことがない世界だ。神話にもそんなの出てこなかったはずだし…マジで?マジで異世界人なの?…こんなん信じられるわけねぇだろ…
 いや、大体テラグレインのスペルってなんなんだ…?そんな英単語存在したっけ…


「《Terra grain》」


 えっ?


「《Terra grain》ーーそれが、《テラグレイン》のスペル。知りたかったんでしょ?」
「お、おう…ありがと…」


 ーー何こいつ!人の心読めんの!?第六感とかいうやつ!?いやー待て待て、まさかテラグレインの民族全員こんな力を持ってることになる……?


 彼女の方をみると、彼女は微笑んでいた。うん。怖い。なに?どうせこれも読んでるんでしょ?さぁ、早く答えてくれよ。


「この世界にはね」


 急に彼女が話し出した。


「異世界人の存在が欠かせなくなってるんだよ。あの飛行装置だって異世界の技術。攻撃装置とか武器も基本的には異世界技術。まぁ、一部は地球人のだけどね。そして、この世界ではその異世界技術を総称して《アンティ》って呼んでる。この世界には本来存在しないはずの技術。《unentity》。英語としてはおかしいんだけど…まぁ、こっちの方がかっこいいじゃん?だからみんなこれで呼んでるよ。」


 ふむ。


「ちなみに、《Terra grain》の意味はね、《怪物の粒子》って意味だよ。」


 怪物の……粒子……

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