永遠という概念自体になった少年はきっともうチートどころじゃ無い気がする。

マッキーマン

EPISODE3:Enounter

 「ふわぁぁぁぁ・・・」

一人病室にて大きなあくびをする。
さっき起きたばかりでまだ寝ぼけているであろう意識を覚醒させた。
そしてボーっと病室の壁の一部分を眺め続ける。ふと、カルノ医師の言葉を思い出した。

「・・・ああ、そう言えば僕を助けてくれたって子が隣で寝てるんだったな。ちょっと挨拶しに行こうか。」

 先生が娘と言っていたことに何か引っかかるが、取り合えず会ってみればわかるだろうとベットから這い出る。できたばかりの足ももう立てるまでに仕上がっていた。完全にバケモンだな僕。
 
 ドアに手を掛け病室を出る。病院は木造建築で思ったより新しいらしい。建てられて2、3年程だろうかなり大きめの建物だ。一通り見渡してから扉を開ける。中にはベットがたくさん置いてあった。

「失礼します。どなたかいらっしゃいますか?」

 声を掛けるが返ってくる様子はない。幾らかカーテンのかかっているベッドに目を向けた。

「・・・ん?誰かいる?」

たしかにカーテンの間に人を見た。あまりよく見えなかったがそれだけは確認できた。まだ眠っているのだろう。僕はそのベットに近ずくき軽くカーテンを開けた。

「―――――こんな子供が・・・」

 そこには中学生くらいの女の子が眠っていた。とても疲れたのだろうまるで死んだように眠っている。だが、ここで一つ疑問が現れた、

「・・・細い」

 そう、腕があまりに細すぎるのである。とてもじゃないが大人一人持ち上げられるほどの力があるように思えない。たとえそれが人体の半分だったとしても。

「・・・っ・・・・・うっ・・・」

 目が覚めたようだ。すこしうめき声が聞こえる。

「おはよう、やっと起きたみたいだね。」

 声を掛ける。彼女は目をこすって僕に顔を向けた。

「・・・・・・お化け?」

「じゃないよ。ちゃんと生きてる」

 僕がそう言うと彼女は僕の足を見る。

「だって足・・・・・・」

「う~ん、僕は少し特殊でね。」

「そう・・・」

 彼女はそういうと黙ってしまう。何だろうか、ここの世界の人は全員他人と話すのが苦手なのか?
しかし、よく見るとこの娘かなり顔が整ってるな。髪の毛の銀髪と肌の色が良く合っている。いや、年下に欲情してるわけじゃないからね?でも心ここにあらずと言う感じで自我がないみたいな、なんか目が死んでる。
そう思っていると彼女はが何か呟く。

「・・・・・・リーラ」

「え?・・・リーラ?」

「私の名前・・・リーラ・クリストフ・・・リーラって呼んで」

 なんだ自己紹介か。

「リーラか・・・良い名前だね。うん、じゃあ僕の名前は藤見 正一、正一って呼んでよ。」

「ショーイチ?・・・変な名前」

「へ、変・・・?は、初めて言われたよ。僕の国では結構メジャーな名前なんだけどね」

ハハ、と苦笑いしながらそう返す、すると何かに突っかかった様に彼女は首を傾けて聞く


「ねぇ、ショーイチ・・・あなたの国ってどこなの?」


 ――――――え?」
聞いた瞬間僕の思考は止まる。忘れていた。そうだ、僕はもうあそこに帰れないんだった。
母さんにも父さんにも妹にも会うことはない・・・そうだ・・・今の僕にはもう何もないんだった。

 転生したと言われた。夢を叶えると言われた。だけど得たものは少なく失った方が多いことに今になって気付いた。あまりにも愚かだ。笑えてくる。



「遠い・・・・・・とてつもなく遠い所だよ・・・」


 
 苦笑いしながら僕はそう返した。
その反応が、あまりにも不自然だったらしい。リーラは少し肩を縮めた。

「ごめん。怒ってるわけじゃないんだ。ただ、あまりの遠さに今になって気が付いただけだよ」

 そう謝るとリーラは元に戻る。

「そう言えばリーラの親御さんはどうしたの?」

 すると彼女の目は潤み始めた。僕は驚く。
どうすればいいかアタフタしてるとリーラは呟いた

「・・・死んじゃったよ・・・一年前の戦争で」

 戦争孤児・・・まさにリーラはそれだった。
戦争が起きれば死ぬ人間は続出する、その中には小さな子供の親がいたって不思議じゃない。日本だって昔はそんな子は存在していたと聞く。僕はあわてて謝った。

「ご、ごめん。不謹慎だったね。」

「ううん、大丈夫。知らなくて当然だから」

 そう言うと、リーラはの遠く空を見上げた。次の瞬間空に向かって何かリーラが何か呟いた。何を言っているかはわからなかったけど何処か安心した顔で僕に向きなおす

「・・・ねぇ、ショーイチ。勇者って知ってる?」






だれも見てないであろうあとがきにようこそ。
そしてさようなら。だって言うことなんざ何一つないもんていうかいう事がないっていう事しか言うことが無いんだもんしかたないでしょ(逆ギレ)

次回:EPISODE4:The beginning of Eternity

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