3話 転生

ここから俺の新しい人生が始まるんだ！

目を覚ますとそこは......知らない天井だった。はい、すいません。やりたかっただけです。お約束はさておいて、いったい俺はどこに転生したのだろう？

まずは、起き上がって現状を確認しよう。あれ？起き上がれる？おかしいぞ？転生なら赤ん坊になっているのが普通だと思ったんだが......。

少し混乱していると、段々思い出してきた。俺の今の名前はレン・ジセル。ジセル公爵家の長男で今日で2歳だ！おそらく、女神様が赤ん坊で過ごす羞恥を考えて、こうしてくれたのかな？

ちなみに、ジセル公爵家はここメイリーン王国の有力な貴族だ。まだ屋敷の敷地から出たことがないのだが、この屋敷はかなり広い。さて、落ち着いたところで自分の能力を確かめておきたいな。こういうときは『ステータスオープン』と言うか、心の中で唱えればいいのだろうか？

『ステータスオープン』

レン・ジセル
2歳
公爵家長男

レベル 1
体力 1000
魔力 250

アビリティ
看破
心聴
嗅分
全属性魔法適正

ふむふむ、これがどれほどのものかはわからないが、色んなアビリティを持ってるな。上3つは俺の願いがそのまま能力になったんだろうけど、全属性魔法適正ってのはなんだ？女神様が最後にサービスと言っていたあれかな？体が丈夫なのは能力に入らないからアビリティじゃないのかな？

色々とわからないことが多いし、まずは能力の把握かな。

そして、自分のステータスを確認した後、起き上がると、にこやかに微笑みながらこっちを見ている女性がいた。

「おはよう、レン」

そうこの女性が俺の今の母だ。名前はミリス・ジセル。まだ2歳なので、母が何をしている人で、どんな性格かなどはあまりわかっていない。しかし、その見た目はまだまだ若く、高身長で、ナイスバディな美人さんだ。具体的な見た目で言うと、金髪に青い瞳で、かわいいというよりは、綺麗な人だ。まだ確認はできていないが、俺の容姿にも期待ができそうだ。

「おはようございます。母上。」

「もう熱は大丈夫そうかしら？」

どうやら、昨日までは高熱で倒れていたようだ。おそらく、記憶を思い出したのと同時にアビリティの取得が行われたせいなのだろうと推測する。

「はい、ご心配お掛けしました。」

「レンったら、そんな口調だったかしら？熱が治まってから何か変わった？」

「い、いえ。2歳になったのでこれくらい普通ですよ。」

我ながら苦しい言い訳だ。この口調で慣れていればそうそう言葉遣いが崩れることもないだろうからね。今後のためにやってるというわけさ。

「まぁ、それはいいわ。顔洗ったら食堂にいらっしゃい。朝ごはんにしましょう。」

「はい、すぐに参ります。」

言うなり出ていった母親にホッとする。何故か緊張してしまって、アビリティを試せなかった。食堂には他の家族もいるだろうし、そのときに試すか。