魔法少年の自由奇行

パルパス・パンプルドア

006

 ゴ〜ン、ゴ〜ン、ゴ〜ン。

 午後の授業の終わりを告げる鐘の音が鳴った。

 アルフォートは魔力操作の練習を辞めて結界をゆっくりと解いていった。

 一気に解くと突然現れたかの様な違和感を与えてしまうからだ。

 10秒程かけて解くと前からセドリックがやって来た。

 「なぁ、アル。今度の長期休みダンジョン行こうぜ。」

 セドリックは僕が冒険者としてダンジョンに潜っている事を知っている。まあ何回層まで降りているのかまでは知らないんだけどね。

 「うーん。…セドリックがいるとダンジョンに行くの難しくなるからなぁー。」

 少しだけ悩んでから僕は。

 「わかった。良いよ。二十階層くらいで良いね。」

 潜る階層もセドリックに合わせる事になるから比較的浅い二十階層を提案した。

 僕の返事を聞いてからセドリックは嬉しそういった。

 「おし、決まりだからな約束守れよ。」

 そう言って去って行った。

 セドリックは結構強い最低でもレベル以上の戦闘能力はある。僕自身はレベル相応の強さだと思いたい。

 少し昔のことを思い出す。僕がセドリックと初めて出会ったのは実はダンジョンだった。

 三年前、まだ僕が10歳の時の事だよ。僕はいつも通りダンジョンで魔物を倒していたんだけど突然僕の方に必死に走って来る僕と同じくらい歳の男の子がいてね。逃げろって叫んでるんだよ。その後ろには馬鹿みたいに沢山の魔物が居たんだよ。うん。トレインってやつだね。

 もうそこからは必死だった。僕も男の子と一緒に逃げながらだけど、魔法をバンバン撃って数え切れないくらいの魔物を倒したからね。でも途中で行き止まりに入っちゃってさやばいなーと思っていたらさ。男の子が、すごく珍しい聖光属性の魔力を剣の形にしてから言ったんだよ。巻き込んで悪いがもうちょと協力してくれってさ。そこで男の子…まあセドリックが前衛で僕が後衛になって魔物を殲滅したんだよ。

 いやぁ〜、あの時は流石に危なかったなぁって今でも思うよ。全部倒せたのはいいんだけど流石にもう魔力が尽きてしまってね。しばらく二人で話をしてさぁ。護衛付きで三階層でレベル上げしてたらしいけど突然転移のトラップに引っかかってそこがたまたま僕のいた所の近くで、しかもそこには魔物が大量にポップする罠があってまだ魔物の数が少ない内に逃げたらしい。

 その話を聞いて絶対仕組まれてるなこれ。と僕は思ったんだ。いや、普通転移のトラップなんて無いし。ここは十階層だけどモンスターハウスだってまだ無い筈の場所だからね。

 本当にセドリックは運が良かったよ。僕は普段最も深い場所に潜っているからね。魔物の数が多くてもなんとか対処することが出来た。

 え、なんで普段より浅いところにいたのか?決まってるじゃん、魔法の練習だよ。

 まあ、かなりの数の魔物を倒したお陰でセドリックもレベルが結構上がったから最初の目的は達成できて良かったね。と言ったら何故か怒られた。

 まあ、何だかんだでそれからは一緒にいる事が多いんだよ。

 例えば一緒隠れてダンジョンに潜ったりね。

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