『勝ったら賞金10億』ゲーム依存者がデスゲームに参加した結果。

豚の人。

答え



「さぁ、ゲームを始めましょう」

GMは箱の中からトランプを取り出す。

「ルールはさっき言った通りです。私が今からカードを引くので、そのカードを当てるだけです」

「そんなの...運ゲーじゃねぇか 」

確かにその通りだ。運ゲーも確かにゲームの一つだが、デスゲームを楽しもうとする奴等が運ゲーなんてつまらないことをするのか?

「運ゲー?...誰がそんなつまらないことをしますか。少し考えれば分かることですよ」

GMはトランプを"シャッフルせずに"長机に綺麗に並べる。よくマジックとかであるやつな。

「この中から一つ、私がカードを引きます。分かった人から私の元へ来て私が何のカードを引いたか答えて下さい」

よく考えれば分かる...?よく分からんな。

「...そうですねぇ。では、このカードにしますか」

GMが手に取ったのは右から2番目のカード。

あのトランプは新品だった。市販のトランプの新品のトランプの並びは箱を開けた時、一番上はフェイス面。
  
フェイス側からジョーカー、エキストラジョーカー、スペードのA~K、ダイヤのA~K、クラブのK~A、ハートのK~A...


  あのGMは右から2番目のカードを選んだ。

一番右はフェイス面側...普通に考えたらエキストラジョーカーのカード。こんな問題、分かる人にしか分からないと思うが...

   GMは確かに少し考えれば分かると言っていた。...本当にエキストラジョーカーなのか?...分からんな。


   その時、後ろから一人の若い女が口でフッと笑う。

「...幼稚園でも分かる問題ね」

そう言いながら、若い一人の女がスタスタとGMの元へ歩いてゆく。

「.........正解です。一人目の正解者が出ました。次の方はいませんか?」

  幼稚園でも分かる問題?そんな簡単な問題じゃないと思うんだが...。

「くそっ...こんなの運に任せるしかねぇだろ!」

一人のおっさんが荒い足取りでGMの元へ歩いてゆく。

  一か八か...ってところか?その選択はさすがに...

「......不正解です。それでは代償として貴方の命を頂きます」

GMは拳銃を男の頭に当てる。

「GAMEOVERです」

銃声音と共に男の頭が弾け飛ぶ。

   即死するように脳天にバッチリ決めやがった...。

「う、嘘だろ...嫌だ...死にたくないっ... 」

目の前で人が殺されればそうなるよな...。

   さて、切り替えていこう。きっとGMの中の発言にヒントがあるはず。でなきゃこの問題はクリア不可能。

  
  "カードを当てるだけ"...そう、カードを当てるだけ......。

 カードを、当てるだけ......?

「...はは、何悩んでんだ、俺...」

確かに、幼稚園児でも分かる、こんな問題。

  こんな問題に何悩んでんだ、俺。

俺はGMのもとへ足を進める。



「...答はこれだ」

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