Astral Beat
幕間 公開可能な情報 ~能力体研究報告書~
 能力体【Astral Beat】関連異能力
通称アストラルシリーズ
 ランクG~D(複合体でC~S)
 アストラルシリーズの異能力は、19世紀末の南極大陸で結晶体が発見される。その後、世界各地で同様の結晶体が確認される。
この異能力は、人間の白皮症の雌の個体にのみ寄生し、変性させる。
 初めて発見された結晶体の最初の被検体に発現した能力は、驚異的な復元能力であり、実験では、生体内の異能の核を保護した状態で、爆薬により被検体を吹き飛ばした後、観察した結果、2.5秒で体を完全に復元した。
 また、他の結晶体での異能力は、あらゆる物体を崩し、原子レベルまで分解した。
 これらの異能力には、同じような性質があり、後に、【魔術】に用いられるエネルギーである
(霊力)であると判明した。
                                   中略
 また、他の結晶体で、死火山を噴火させる現象を確認。それ以外の結晶体では、周囲の生命を全て死滅させる能力が発現。これらの能力もやはり同性質の(霊力)が用いられているが、前述した二つの異能のものとは真逆の性質を持つ。
この2タイプの霊力を、前者の場合『α回路』、後者の場合『Ω回路』と名付ける。
                                    中略
『α回路』、『Ω回路』の同性質の能力間では、融合することが可能であり、能力の更なる強化が見込める。これに関して、更なる研究のため、多くのサンプルと被検体が必要になるだろう。
                                     中略
 大規模な研究施設を建造。世界中からサンプル、及び被検体を収集。能力の強さは、基本的に被検体次第なので、優良な成績を残した被検体の種を掛け合わせ、強力な能力者を製造する方針だ。被検体は、雌のみであるが、最新のバイオテクノロジーを用いれば問題は無い。
 サンプルの融合は、生体のゲノム上で起こる。すなわち、生殖(ここでは生体の養殖下で起こる)により混じり会うので、優良な被検体が出るまでは、そのまま異能の核を取り出し、別の被検体に移植する。この二つを平行して行っていく。
                                       中略
 ついに『α回路』、『Ω回路』双方の最終形態の異能が完成。『α回路』を【Astralbeat α】、『Ω回路』を【Astralbeat Ω】と名付ける。能力者達も過去最高の成績を出している。
 ここで一つある興味が出てくる。この二つの能力は、霊力が違うだけで本質敵対的には同じもの。
今までは、この二者間では融合は起こらなかったが、最終形態の今なら融合が起こるのではないか。
もしも、それが起こったのなら、それこそが、この異能の完全体なのではないのだろうか。
 さっそく融合実験をしてみようと思う。
 
 「……こいつは酷いな。」
 とある研究所のデスクにて、その男は呻くように呟く。
 「班長!全棟制圧、完了しました!」
 「ああ、桑原か。ご苦労。」
 その男はデスクのパソコンから目を離し、報告に来た轍次を見やる。
 その男は、貝崎 暁斗と言う。
 特殊災害対策局第1班班長を勤めている。この男は、驚いたことに、無能力者である。その代わり、高い統率力と、現状把握能力に長けている。
 そして、刀を用いて能力者と渡り合う、無茶苦茶な男だ。
 「桑原、こいつを読んでくれ。」
 「?…はい。」
 そう言われ、轍次はパソコンの画面に映る文章を読む。そして、その残酷な文面を脳裏に焼き付けた。
 「これ……は……」
 「異能力の研究だと。最後の被検体ってのは、あの子の事だろう。」
 暁斗が指を指した先には、ガラス張りの壁の向こうに、ベッドに寝かされた少女がいた。
 「被害者もあの子で最後か?」
 「はい。他の被害者は全て保護しました。」
 よし、と、暁斗は扉を開け、少女を保護する。
そして、その研究所を後にした。
通称アストラルシリーズ
 ランクG~D(複合体でC~S)
 アストラルシリーズの異能力は、19世紀末の南極大陸で結晶体が発見される。その後、世界各地で同様の結晶体が確認される。
この異能力は、人間の白皮症の雌の個体にのみ寄生し、変性させる。
 初めて発見された結晶体の最初の被検体に発現した能力は、驚異的な復元能力であり、実験では、生体内の異能の核を保護した状態で、爆薬により被検体を吹き飛ばした後、観察した結果、2.5秒で体を完全に復元した。
 また、他の結晶体での異能力は、あらゆる物体を崩し、原子レベルまで分解した。
 これらの異能力には、同じような性質があり、後に、【魔術】に用いられるエネルギーである
(霊力)であると判明した。
                                   中略
 また、他の結晶体で、死火山を噴火させる現象を確認。それ以外の結晶体では、周囲の生命を全て死滅させる能力が発現。これらの能力もやはり同性質の(霊力)が用いられているが、前述した二つの異能のものとは真逆の性質を持つ。
この2タイプの霊力を、前者の場合『α回路』、後者の場合『Ω回路』と名付ける。
                                    中略
『α回路』、『Ω回路』の同性質の能力間では、融合することが可能であり、能力の更なる強化が見込める。これに関して、更なる研究のため、多くのサンプルと被検体が必要になるだろう。
                                     中略
 大規模な研究施設を建造。世界中からサンプル、及び被検体を収集。能力の強さは、基本的に被検体次第なので、優良な成績を残した被検体の種を掛け合わせ、強力な能力者を製造する方針だ。被検体は、雌のみであるが、最新のバイオテクノロジーを用いれば問題は無い。
 サンプルの融合は、生体のゲノム上で起こる。すなわち、生殖(ここでは生体の養殖下で起こる)により混じり会うので、優良な被検体が出るまでは、そのまま異能の核を取り出し、別の被検体に移植する。この二つを平行して行っていく。
                                       中略
 ついに『α回路』、『Ω回路』双方の最終形態の異能が完成。『α回路』を【Astralbeat α】、『Ω回路』を【Astralbeat Ω】と名付ける。能力者達も過去最高の成績を出している。
 ここで一つある興味が出てくる。この二つの能力は、霊力が違うだけで本質敵対的には同じもの。
今までは、この二者間では融合は起こらなかったが、最終形態の今なら融合が起こるのではないか。
もしも、それが起こったのなら、それこそが、この異能の完全体なのではないのだろうか。
 さっそく融合実験をしてみようと思う。
 
 「……こいつは酷いな。」
 とある研究所のデスクにて、その男は呻くように呟く。
 「班長!全棟制圧、完了しました!」
 「ああ、桑原か。ご苦労。」
 その男はデスクのパソコンから目を離し、報告に来た轍次を見やる。
 その男は、貝崎 暁斗と言う。
 特殊災害対策局第1班班長を勤めている。この男は、驚いたことに、無能力者である。その代わり、高い統率力と、現状把握能力に長けている。
 そして、刀を用いて能力者と渡り合う、無茶苦茶な男だ。
 「桑原、こいつを読んでくれ。」
 「?…はい。」
 そう言われ、轍次はパソコンの画面に映る文章を読む。そして、その残酷な文面を脳裏に焼き付けた。
 「これ……は……」
 「異能力の研究だと。最後の被検体ってのは、あの子の事だろう。」
 暁斗が指を指した先には、ガラス張りの壁の向こうに、ベッドに寝かされた少女がいた。
 「被害者もあの子で最後か?」
 「はい。他の被害者は全て保護しました。」
 よし、と、暁斗は扉を開け、少女を保護する。
そして、その研究所を後にした。
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