涙の色は

衝撃の過去

「俺の従姉妹いとこの樋口愛花あいかって知ってるか?」
「うん、知ってるよ。2つ上の先輩で海里の隣の家だよね。何度か話した事もあるよ。とても美人でスカウトもされているとか聞いた事ある」
「じゃあその兄の樋口雅人まさとって知ってるか?」
「もちろん。最近は全然会わないけど。ていうか何で愛花先輩のお兄さんの話?本題からずらしてない?」
「ずらしてない。ここからが本題だ。そのお兄さんに最近会わない理由それはな…捕まったんだよ警察に」
「…えっ?そうなんだ…。何をしたの?」
「今から一年前の話をちゃんとする。信じるも信じないもお前の自由だ。ただし先に言う。俺は本当の事を今から話す。」


一年前
雅人は成瀬の事を俺の彼女と知る前から一目惚れをしていた。俺の彼女と知ってある意味ラッキーと思ったらしい。なぜなら話す機会が出来ると思ったから。でも口を開ければいつも俺の話しかしなかった成瀬。それに対して雅人は俺を妬み始めた。そして雅人が
「お前の彼女すげー可愛いな」と言ったから
「だろ、自慢の彼女だから」
雅人は俺が言ったこの言葉がどうにも気に入らなかったようで行動がエスカレートしていった。成瀬は全く気づかなかったかもしれないけどGPSを付けられたりもしていた。その度に俺は成瀬にバレないように取っていたから多分気づいてなかったと思う。そして俺が「もうやめてくれ」そう言ったら
「彼女の家に俺も連れて行け」そう言った。
だから別れる前に一度三人で家で遊んだだろ?今思えばそれがいけなかった。おそらくその時にふろ場にカメラを付けた。そして雅人からその写真を見せられて怒っていた俺にこう言った。
「明日までに別れろ。じゃないとこれをネットで拡散する。もし警察何かに連絡すればインターホンに出る前にネットに出して拡散する。俺は捕まっても構わないが彼女は痛い目にあうかもな。それが嫌なら明日までに別れろ。」
そう言われて言われるがままにしかできなかった俺はバカだったよな。

その後俺は警察に連絡し、雅人は出かけている時に逮捕された。だから拡散はされなかった。警察の人から彼女にも一応伝えると言われたけどそんな怖い想いをさせることはできないと思って頭を下げて言わないでくれと警察を説得した。でもやっぱり言うべきと思ったけど完全に何もしてない彼女をフッた俺にはそんな話をする勇気すらなかった。もう少しでも早くこの話は伝えるべきだったと思ってる。本当にごめん。





「今話した内容が別れる原因となった。盗撮していた事本当にごめん。」
「別に海里が謝る事じゃないよ」

そう言った私の目にはきっとオレンジ色の優しさに溢れる涙と紫色の恐怖の涙が流れていた。でももしこれが海里じゃなかったら、きっとオレンジ色の優しさに溢れる涙なんて流れていなかった。だから

「ありがとう、海里」
「俺なんて何も出来てないじゃねぇか。本当は別れるのは絶対嫌だった。だけどお前が傷つくのはそれ以上に嫌だった。だからその時の俺にはそんな選択しかなかった。雅人が捕まってから復縁できると思った
。」

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