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仮面ライダーエレメント

cicada

第一話「俺、転生!」その三

ガーズルを倒した俺は次の行動を起こす。

「お姉さん、大丈夫ですか?」

ドライバーを外して変身解除をしながら女性に歩み寄る。

「怖い目にあった直後で申し訳ないけど名前を教えてくれないかな。規則で目撃者は登録しないといけないんだ。」

嘘である。
仮面ライダーエレメントと異世界からやってくる怪人のことは政府によって秘匿され、目撃者は記憶処理を施さなければならない。
アニエルの記憶処理術式には対象の名前が必要で、毎回こうして聞き出さなければならない。

(毎度のこととはいえ助けた人に忘れられるのはしんどいもんがあるな。)

「さ、佐藤、…。」
ドゴーン!!!

「「!!」」

背後から爆発音。そんなまさか、ガーズルは確実に倒したはずだ。
振り向くとそこには、ガーズルが爆散したときの炎を媒介とした魔法陣が生成されていた。
魔法陣とは、大規模な魔術を行使するときの補助や自動で発動する魔術などに使われる技術である。つまりこの場合、…。

「くっそ、死んだら発動するトラップかよ!アニエル!へんs…。」

俺は即座にドライバーを装着し直し、変身しようとしたが、遅かった。

意識が遠のいていく。

視界の端で佐藤さんが倒れている。

巻き込んでしまった。

最低だ、何が「助けた」だ。記憶を消すどころか危険にさらしているじゃないか。

自責の念に支配されながら、荒海に飛び込むように俺は意識を手放した。








深い微睡みの中で俺は変な夢を見ていた。

そこで俺は父、母、妹の恵まれた幸せな家庭に産まれた少年で、両親にたっぷりと愛情を注がれ、それを真似るようにまだ赤ん坊の妹を可愛がっていた。

夢については色々な説がある。その一つは記憶の整理である。寝ている間に脳が記憶を整理するときにその一部が夢として見えるというものだ。

その理論で言えばこの夢はおかしい。

俺は孤児院育ちなのだ。家族と言える家族の記憶がない。強いて言うならアニエルが家族と言えるかもしれない。

他にもおかしいところがある。

この夢の中で俺は未知の言語を使いこなし意味を理解している。まるで産まれたときから聞いていたかのように。





気づけば俺は湖畔にいた。

あたりを見回すと遠くに大きな屋敷がある。ここは屋敷の裏庭のようだ。

そして、立っているのにやけに近い湖面に映る自分の顔を見て絶叫した。

「なんじゃこりゃぁぁああああ!!」

そこに映っていたのは将来有望な美少年だった。

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