Endの後のDiary
3 Quiet白女子
▽
「…シーズンタウンかい?」
俺は肩をびくつかせながら首を縦に振った。どうしてスクルドは、俺の質問を当てにくるのだろうか。
「僕もよくは知らないんだ。僕が知っている限りでは、シーズンタウンは、この世界の中でも一番大きい都市らしいんだ。大きなビルがそびえたって、高級なお店が建ち並んでいるらしいよ。」
俺は、その大都市を想像してみた。しかし、考えるだけでぞくぞくするほどトラウマになりそうだった。
「ただし…」
説明に続けて、声を発したスクルドの顔を見ると、さっきよりも確実に表情が暗くなっているのがわかった。
「その大都市には、絶対に近づいてはならない。」
その顔は、誰が見ても恐怖を覚える顔だった。それに続き、彼は、俺の持っている本に指を指した。
「それには、絶対に何も書き込まないこと。約束してくれるね?」
また、新たなトラウマができてしまったかもしれない。
約束を守るかどうか分からないが、彼にはその不気味な笑みをしてほしくないので、とにかくその約束を了承した。
とたんに、彼はそのトラウマを止めてくれた。こんなにほっとしたのは、いつぶりだろうか。
すると…
ゴンッ…ゴンッ…
俺は、耳をすました。どうやらこの音は、ドアを叩いている音らしい。ノックではない、容赦しない叩き方だ。殺人鬼でも来たのだろうか。
「…君、そこで待ってて。」
スクルドは、ドアの方へ歩いていく。ドアを叩く音は、どんどん大きくなっていく。
スクルドが、腰に手を伸ばした。何を取り出したかと思うと、丁寧に研がれた刃のついた、ナイフだった。
外の何者かに警戒しているらしい。
そして、急に音が止まる。しばらく静寂が辺りを包んだ。
そのとたん、スクルドは、ナイフをしまってしまった。まだ襲われる可能性だってあるのに。
そして、ゆっくりドアを開けると、スクルドは、そこに膝から崩れ落ちた。
俺もあわてて、ベッドから飛び降りて、スクルドの元へ走った。
すると、そこには。ドアの奥には、ボロボロになって、力尽きていた白い女子が横たわっていた。
「き、君!?ここに来ちゃいけな…」
その瞬間、体に激痛が走った。気を失いかけていた。力を振り絞って前を見ると、そこには、何かが揺らめいて動いていた。それは、俺を呼んでいるかのように。
不思議な感覚だった。一度、どこかで感じたような、そんな気がした。
▽
それから、間もなくして、夢を見た。何か懐かしい夢だった。
気づくと、公園にいた。ベンチに横になっている。
そして、誰かに呼ばれた気がした。小さな声で。まだ知らない俺の名前は、生憎小さすぎて、聞こえなかった。
振り返るとそこには、麦わら帽子を被った、小さな女の子がいた。白のワンピースを着て、雲のように、ふわふわだった。
女の子は、下を向き、何もしゃべらない。ただ、黙って下を向いていた。
俺は、ベンチから立ち上がり、彼女の方へ近寄った。
女の子は突然顔を上げ、少しびっくりした顔で見ていた。そして、少し微笑みがこぼれた。
すると彼女は手を差し出した。俺の方へ。手を握りたいのか、よくわからないが、俺も手を差し出した。こうしておかないといけない気がしたから。
もう少しで彼女に触れられる。と、思った瞬間。
突如、彼女が消えた。
俺の目の前は、真っ暗になった。
ただ、闇が続くだけだった。
「…シーズンタウンかい?」
俺は肩をびくつかせながら首を縦に振った。どうしてスクルドは、俺の質問を当てにくるのだろうか。
「僕もよくは知らないんだ。僕が知っている限りでは、シーズンタウンは、この世界の中でも一番大きい都市らしいんだ。大きなビルがそびえたって、高級なお店が建ち並んでいるらしいよ。」
俺は、その大都市を想像してみた。しかし、考えるだけでぞくぞくするほどトラウマになりそうだった。
「ただし…」
説明に続けて、声を発したスクルドの顔を見ると、さっきよりも確実に表情が暗くなっているのがわかった。
「その大都市には、絶対に近づいてはならない。」
その顔は、誰が見ても恐怖を覚える顔だった。それに続き、彼は、俺の持っている本に指を指した。
「それには、絶対に何も書き込まないこと。約束してくれるね?」
また、新たなトラウマができてしまったかもしれない。
約束を守るかどうか分からないが、彼にはその不気味な笑みをしてほしくないので、とにかくその約束を了承した。
とたんに、彼はそのトラウマを止めてくれた。こんなにほっとしたのは、いつぶりだろうか。
すると…
ゴンッ…ゴンッ…
俺は、耳をすました。どうやらこの音は、ドアを叩いている音らしい。ノックではない、容赦しない叩き方だ。殺人鬼でも来たのだろうか。
「…君、そこで待ってて。」
スクルドは、ドアの方へ歩いていく。ドアを叩く音は、どんどん大きくなっていく。
スクルドが、腰に手を伸ばした。何を取り出したかと思うと、丁寧に研がれた刃のついた、ナイフだった。
外の何者かに警戒しているらしい。
そして、急に音が止まる。しばらく静寂が辺りを包んだ。
そのとたん、スクルドは、ナイフをしまってしまった。まだ襲われる可能性だってあるのに。
そして、ゆっくりドアを開けると、スクルドは、そこに膝から崩れ落ちた。
俺もあわてて、ベッドから飛び降りて、スクルドの元へ走った。
すると、そこには。ドアの奥には、ボロボロになって、力尽きていた白い女子が横たわっていた。
「き、君!?ここに来ちゃいけな…」
その瞬間、体に激痛が走った。気を失いかけていた。力を振り絞って前を見ると、そこには、何かが揺らめいて動いていた。それは、俺を呼んでいるかのように。
不思議な感覚だった。一度、どこかで感じたような、そんな気がした。
▽
それから、間もなくして、夢を見た。何か懐かしい夢だった。
気づくと、公園にいた。ベンチに横になっている。
そして、誰かに呼ばれた気がした。小さな声で。まだ知らない俺の名前は、生憎小さすぎて、聞こえなかった。
振り返るとそこには、麦わら帽子を被った、小さな女の子がいた。白のワンピースを着て、雲のように、ふわふわだった。
女の子は、下を向き、何もしゃべらない。ただ、黙って下を向いていた。
俺は、ベンチから立ち上がり、彼女の方へ近寄った。
女の子は突然顔を上げ、少しびっくりした顔で見ていた。そして、少し微笑みがこぼれた。
すると彼女は手を差し出した。俺の方へ。手を握りたいのか、よくわからないが、俺も手を差し出した。こうしておかないといけない気がしたから。
もう少しで彼女に触れられる。と、思った瞬間。
突如、彼女が消えた。
俺の目の前は、真っ暗になった。
ただ、闇が続くだけだった。
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