東方学幻創

如月大河

初登校

「ヤバイ。遅刻する!」
今日から俺は高校生。今日、初めての登校日だ。・・・だと言うのに俺は寝坊した。登校日に遅刻したら・・・印象が悪すぎる。
「・・・急ごう。早く準備をー」
その瞬間、部屋のドアが突然開き、鬼が顔を見せた。
「・・・来斗ぉー?何で部屋に居るのかな?」
「いやー。これにはマリアナ海溝よりも深い理由がありまして・・・」
鬼の顔は更に恐ろしいものになった。当然、俺はその威圧には耐えられなかった。
「・・・はい。寝坊しました。」
「・・・あんたこれで何回目よ。」
俺は中学校を含めてこれで23回、遅刻している。母が呆れるのも無理はない。
「とにかく早く行きなさい。・・・誰に2段だか。」

「はぁ。はぁ。つ、着いた。」
30分後、俺は高校に着いた。勿論、遅刻だ。
「・・・どうしようかなぁ。」
さすがに初日から遅刻はまずい。言い訳を考えながら、俺は校門をくぐった。

「来島。後で職員室にこい。」
「・・・ですよねー。」
俺はHRの後、担任に呼び出された。まあ、当たり前だよな。と、辺りを見渡すとクラスメイトたちが俺を見て笑っている。ちくしょう。そんな中、俺に近づいてくる奴がいる。
「よう。相変わらずだな。」
いつも通り金髪の少女が俺をおちょくってくる。
「・・・それはあんたもよ。魔理沙。」
ともう一人の少女がツッコミを入れる。ナイス。彼女らは俺の幼馴染みの霊夢と魔理沙だ。小中学校ずっと同じクラスだった。今考えると凄いな。10年間離れなかったって。
「はぁ。とりあえず、行ってくる。」

「失礼します。」
俺は担任呼ばれ、職員室に来た。その担任が居ない。ふざけるなよ。
「・・・初日から遅刻とは、あまり感心しないな。」
代わりに俺に声を掛けてきたのは、副担の上白沢慧音先生だ。噂では、鬼みたいに恐ろしいらしい。・・・やべぇ。
「け、慧音先生。ち、ちょっと訳がありまして。」
「ほーぅ。その訳を聞こうか。」
・・・あるぇ?この顔、朝にも見た気がするぞ?勿論、降参だ。
「・・・すみません。寝坊しました。」
「・・・調査書道りだな。お前、頑張らないと留年だぞ。」
「・・・ですよね。頑張ります。」
「個人的には応援してるぞ。何かあったら相談してくれ。」
「ありがとうございます。慧音先生。失礼します。」
俺はそう言葉を残し、職員室を出た。
「ふぅー。助かったー。」
俺は安堵の息をこぼす。いや、本当マジで。
てっきり、もっと怒られるかと思っていた。
「っと。早く教室に戻ろう。」
俺は足早に教室に戻る。って、
「・・・教室、何処だっけ?」

コメント

  • 如月大河

    後日談。学園ものは難しい。
    YouTubeの物語動画は凄いな。
    いつか、僕も同じ様なものを作りたい。

    1
  • 如月大河

    ありがとうー。これからも頑張ります!

    0
  • ノベルバユーザー317126

    表現が面白い!1話のマリアナ海溝より深い理由は笑ったー!

    0
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