人間界最弱がある世界を救ったそうですよ

ノベルバユーザー315989

No.1 人間界最弱男

朝のチャイムが鳴る。 
本当に憂鬱な時間が始まる。 
喋る友達もいなければ、勉強をしたいわけでもない。 
使命感で高校に入学したが、自分でもこれ程落ちこぼれているとは、びっくりだ。 
高校で会話をする時は、何かをパシリされる時か、お金をカツアゲされる時だ。 
つまり俺は、いじめられっ子だ。 

こんな世界俺のいるところじゃない 
 
「おせーよ竜舞、ちょっと来いよ」  
体育館裏に呼ばれる事もなれたことだ。 
「今月厳しくてさ、金貸せよ」  

「昨日も貸さなかった?」  

「うるせぇ、早く出せ」  

「わ、わかったよ」 
心の底から、ぶん殴りたいだかそれとは裏腹に、財布から金を出す自分に腹が立つ。 
「お!ありがとうな〜またよろしくw」 
何も言い返せなかった。 
こうして1日が終わっていく。 
今日はまだ軽い方だ、よかった。 

そして1時間かけて家に帰る。 
「ただいまー」   

「竜舞、ご飯は食べるんでしょ?」   

「いらない」   

「食べないと強くなりませんよ!」 
無視して部屋に帰る。 
優しかった母の言葉が、高校に入ってから無性に腹が立つ。 

部屋に戻ると急に、無力感、脱力感に襲われる、それなのに、中々眠りにつけない。 
自分の存在意義を考えてしまうのだ。 

いつからか、一人でいる時でさえ、誰かに監視され、誹謗中傷の嵐の中に居るような気がしてくる。 
自然と涙が流れた。 
「いつかぁ…見返すからな…」 

そんな事を考え眠りについた。  


眩しい光と共に目が覚めた。 
「ここは?」 
知らない街並みだ。 
しかも、目の前に銀髪の可愛い少女がたっている。 
「お待ちしていましたよ、竜舞様!貴方には、魔王を倒すための勇者になってもらいます」  

「え?ん?なに?ちょっと訳わかんないんだけど」  

「だからー、魔王を倒すための勇者になってもらうんですよっ!理解力のない勇者様ですねっ」  

にっこりと笑う顔に、思わずにやけてしまう、頭の中で可愛いのループが起きている。 
それから、ぐちゃぐちゃと説明され、理解の追いつかないまま、どんどん進んでいく。  

「では、改めまして!申し遅れました、私は王国エタールの女剣士、リオナ・バームと申す、色々あってこれからは、勇者様をサポートする、パートナーを組むことになったからよろしく頼むぞ!」   

「えっと、リオナ?俺は長谷川竜舞って言うんだ、よろしくお願いします」 

「では、さっそくだか竜舞、私と戦え」 

「はぁぁあ??戦い方も知らないってゆーのに、戦えなんて無理だろーが」  

「私は、勇者様のパートナーだ、私のやり方でしごかせてもらうぞ!」  

「絶対やだ、絶対絶対やだ」  

「ではこうしよう、武器はなし、私は手を出さない。私に一発でも食らわしたら勇者様の勝ちとする、制限時間は10分までだ」 
相変わらず、舐められるのは変わらないのか。 
「わかった、その勝負乗ってやるよ!」

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