とある作者の困惑日記

小鳥 遊(ことり ゆう)

とある作者の困惑日記

 めちゃくちゃな事を言うが僕は本を読むのはあまりすきじゃない。でも、物語やいわゆる”お話”を作るのが好きだ。頭の中での妄想は漫画やアニメに近いもので再生されてつまらない灰色の人生を色づけていた。
 そんな中で出会ったのは誰でも投稿できるサイトだった。その頃は丁度異世界転生ものがやたらに流行っていて人気小説もそんな感じだった。本を読まない、ましてやライトノベルなんて手を出したこともないし、どっちかというと嫌いなジャンルだった。そんなところに足を踏み入れたからさぁ大変。


「あー、やっぱそんな感じかぁ。でも俺の考えた作品は世界観はSF。しかもヒーローもの。ちょっと流行ってるし書いてみよう。」
当時書きだした作品は今でもノベルバで書き続けている「エルダーマン」
快活な主人公が正体不明の怪人と戦う王道ストーリーという構成だ。


自分は国語の教科書に載っているような小説の影響で最初の一行が肝心だと感じていた。世界観の設定。環境主人公の性格・・・、それらを凝縮したようなインパクトが重要なんだと。エルダーマンのような難しくてありえないような世界観は特に重要だった。そして主人公がヒーローが好きでなおかつヒーローになれる人物であるという事実を作品から”見える”ようにしなければならない。その使命は楽しかったがあまりにもハードだった。


さて、自分の妄想から始まったヒーロー小説、当然欠点がある。キャラクターはよく練っている。ここらでどう出てくるかも決めた。しかし、細かい設定や肝心の世界のブレが生じてきた。 当たり前だ。点々とした構想がうまくいくわけがない。僕は少し手を休めてしまった。


「書きたい。でも文章にするって難しいな。」
そんなところに来たのはありがたいコメントだった。それは話の内容が好きというものだった。僕はその時うれしかった。自分の面白いと思ったことが他の人にも通じたんだと。でも本当に厳しかったのはそこからだった。うれしさのあまり僕は勘違いをするようになった。もっと見てもらいたい。楽しんでもらいたい。そんな浮ついた状況で続きが書かれた。そして書き続けた。


蓋を開けるとコメントもいいねもフォローも無かった。才能がないと思った。僕は完全に書く手を止めた。なにもしなかった。でも自分の中にはお話の亡霊が書いてくれと言わんばかりに湧いてくる。
お話の亡霊は今日も
「おい、今日は何書く?こんな話面白いんだけどなぁ・・・書いてくれないかな?」
と囁いてくる。 悪魔のささやきだ。僕は
「確かにかいてみたい。でも、盛り上がらなければ黒歴史になるだけだ。」
首を振る僕に対していつも反論してくるその悪魔は
「なってもいいじゃないか。それがお前の選んだいばらの道なんだ。」
きつかった。面白い話を書きたいという欲と誰も見てもらえないさみしさに頭がどうにかなりそうだった。


幾分か時が流れて、大好きな動画はまた悪魔を呼び起こした。ゲーム実況で見た「デトロイト‐ビカムヒューマン‐」だった。
アンドロイドと人間のドラマ性は自分の中での『AIは信用できるか』という問いにマッチングして
「AI'sアイズ」という化け物を呼んだ。アイズは最初の方しか考えてなくてお蔵入りにしようか迷っていた時、気付いた。


「一人、フォローしてくれてる・・・」


悪魔は成長しつつも現実主義の自分は続きを期待してくれている人のため苦肉の策で短編で終わらせる決意をした。それは途中の前後感や考えていた出来事をいびつに付け焼刃に最終局面へと誘った。そして完結した。完結記念にとツイッターを始めて宣伝活動で盛り上げた。アイズは一人増えた。


少し話は前後するがアイズ構想に難色を示していた頃、小説家になろうに投稿をしようと思った。その時はやはり悪魔が自分の体の主導権を握っていた。少女が勇者として戦うオリジナル戦記ものの予定が何を血迷ったがもう一人主人公を作りその異質な少年に新たな存在としてロールプレイさせる異世界ものを作った。
 まぁ、これが何とも言えないのだが。
話を戻すとして、ツイッターの方ではがんばってフォロワーをふやせるよう努力している。これも、うまくいっていないのだ。これが。
どうやら趣味でやっているもう一つのアカウントから考えるといろんなことをやってる人はあまり増えなさそうにある。その趣味アカウントは自分のやってるゲームについて主にツイートしてフォロワーも関連で増えてきた。この“小鳥 遊”もしくは”五位奏馬”のアカウントもそうしたいが僕はいろんなことがしたい。その一環が執筆なだけなのだ。
 だから今も戦い、共生し続けている。自分の中の自己満足と自己顕示欲という名の悪魔と。

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