冴えないワタルは異世界勇者より勇者らしい。
第22話:雪のなごり:|螺旋越える時
アエナ・・・アエナ・・・・・・「・・・エナ、アエナ!」
私を呼ぶ誰かの声、これはだれなんだろう。そして目の前にいるオーガスは何者なんだろう。起きて辺りを見渡すと古い宿のようだった。心配した顔のオーガスに状況を聞きだした。
「急に倒れて、だから僕は君をおぶってこのベテルク帝国のはなれにある安宿で休んだんだ。もう、大丈夫なんだね。」
私は少し考えてまだ少し混乱しているから一人にしてほしいとだけ言い、部屋で一人きりになった。これまでの事を整理したい。ずっと夢を見ていたような、記憶がおかしい部分がいろいろあった。オーガス・トムゼン彼はホントにずっといたの? いやそれはありえない。そうじゃなくて彼とずっと同じことを繰り返しているような感覚は何? でも、彼は普通だし・・・一度聞いて見る方がいいかも。
そう思い、私はオーガスにこの違和感について話してみた。だが彼は
「そんなことは気にしなくていいだよ。 君はボクと共にいればいい、言うことを聞いておけばいいんだよ。アエナ。 それより、今は氷の魔女マ・ゴンテだよ。早く倒してマ・ゾールの所へ向かわないと。」
マ・ゴンテ・・・たしか大昔にそんな名前の魔王は女神アエ・ルナによって倒されたという話だけど、どういうことなの?もしかして私のこの違和感と関係があるんじゃ・・・とにかくここは行ってみるしかない。こうして私とオーガスはマ・ゴンテが待つ山のふもとの城へと向かって行った。途中屋敷があり、そこに住む住人がマ・ゴンテの傘下のモンスターで、城へ向かって行くほどより強い敵が私たちを襲った。だけど私の力は私が思っていた以上に強く、圧倒していた。さらにオーガスの助言で次に来る敵の位置を把握できたのでよりやりやすかった。これにはさすがに私自身驚いたがオーガスはそこまで驚いていなかった。やっぱりなにかおかしいとも思った。次に彼が来る敵が知っているかのように知っている事も、私自身の強さの異常さやそれを普通に受け入れていることも。だが私たちはもうマ・ゴンテの城の前まで来ていた。だが、今までのオーガスの違和感や不信感をぬぐわなければやはり魔王を倒すのは難しいと感じてしまった。
「オーガス、ごめんなさい。私、あなたが何者なのか分からなくなっちゃった。私が異常に強いことにも冷静だし、まるであなたは先の事を知っているように行動するし、何があったの? 私の不思議な夢と何か関係あるの?」
「そんなこと気にしなくていいといったはずだ! 君は、君の未来は魔王を倒していく過程で王家の忘れられた息女だとわかり、真の名、アエーナ・フローラ・ルナとして! アエ・ルナという女神として語られ、ボクと一緒に一生を遂げると言う完璧な未来があるんだ! 」
「よくは分からなかったけど、つまりは私がその未来を選ぶまでずっと時間の牢獄に幽閉しようというのね。」
「言ってしまった。だが、時間が巻きもどると君の記憶は無くなる。君の言う夢の話さ。だから君に選ぶ権利は無い。ボクと幸せな未来を選ぶか、永遠にこの茶番を続けるか、だよ。」
「あなたとは一緒には行けない。でもまだ、全てを思い出してない。そのためには・・・」
そういって私はマ・ゴンテの城へ向かった。必死になって城の主を探した。あらゆる罠も強引に抜け出した。オーガスは後ろで追いかけてくるがそれを無視した。そしてやっと見つけ、私は彼女に不可思議なお願いをした。それは私に倒されないことと、私を倒してほしいということ。その事実によってもしかしたらこの繰り返す時間が変わるかもしれない。そしてもう一つのお願いをした。私は重傷を負った。しばらくするとその話を聞いていたのか、オーガスが
「やめろ! 事実ややるべきことが変わった時どうなるか分からないんだぞ!それに死んでしまったら君を一生守れない! そいつを殺せ! コロセ!!
「こんな風に守られるのは嫌よ。どうせならあなたの悔しがる姿を見て死ぬわ。」
「ヤ、ヤ メ ローーーーーーーーー!!!」
マ・ゴンテが切り裂く音とオーガスの光が同時に起きた。彼らはどこかへと消えてしまった。
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一方、ワタル達はおつかいをすませ山のふもとにあるマ・ゴンテ城へと向かっていた。最中、雪がどんどん降り始めていていた。つくころにはくるぶしが雪に埋まるほど積雪していた。そして彼らは信じられない光景を目の当たりにする。それは、戻る前までは廃墟であったマ・ゴンテ城やその周辺がきれいな氷の床で覆われ、一面冬景色になっていたのであった。城もまるで中に人がいるような気配さえした。雪が降った事と言い、これはマ・ゴンテが復活したということなのだろうか。そう疑問に思ったワタルはウガルに慎重に聞いた。
「これってどういう事なんです?」
「分からんが、多分、悠久の石の影響かもしれん。アエナとオーガスが過去で何か事実と違うことをして特異点が生まれたんだろう。」
「でも、私たち、何もないわよ? それにその歴史が変わってるってことを理解してるし。」
「それは多分、恒久の石の効果なんだろう。悠久の石が時間干渉だとしたら恒久の石はその逆で時間遵守なんだろう。」
「何言ってんのか、訳わかんないですよ!」
「アエナ達を取り戻せるかもしれん、いわば正念場や。」
三人は中に入るとマ・ゴンテが待っており、彼らの仮説は希望となった。マ・ゴンテは彼らを見ると
「待っていたぞ。お前がこの時代の勇者か。ん?それは恒久の石ではないか。因果かもしれんな。」
「ど、どういうことですか?・・・」
そういうと途端に周りが吹雪で覆われ、三人は閉ざされた扉に叩きつけられてしまった。マ・ゴンテは両手を広げ、どこからでもかかってこい、話はそれからだと言わんばかりの殺気を放っている。ワタル達もやらねばこちらがやられると思い、立ち直り、戦いを挑むのであった。
私を呼ぶ誰かの声、これはだれなんだろう。そして目の前にいるオーガスは何者なんだろう。起きて辺りを見渡すと古い宿のようだった。心配した顔のオーガスに状況を聞きだした。
「急に倒れて、だから僕は君をおぶってこのベテルク帝国のはなれにある安宿で休んだんだ。もう、大丈夫なんだね。」
私は少し考えてまだ少し混乱しているから一人にしてほしいとだけ言い、部屋で一人きりになった。これまでの事を整理したい。ずっと夢を見ていたような、記憶がおかしい部分がいろいろあった。オーガス・トムゼン彼はホントにずっといたの? いやそれはありえない。そうじゃなくて彼とずっと同じことを繰り返しているような感覚は何? でも、彼は普通だし・・・一度聞いて見る方がいいかも。
そう思い、私はオーガスにこの違和感について話してみた。だが彼は
「そんなことは気にしなくていいだよ。 君はボクと共にいればいい、言うことを聞いておけばいいんだよ。アエナ。 それより、今は氷の魔女マ・ゴンテだよ。早く倒してマ・ゾールの所へ向かわないと。」
マ・ゴンテ・・・たしか大昔にそんな名前の魔王は女神アエ・ルナによって倒されたという話だけど、どういうことなの?もしかして私のこの違和感と関係があるんじゃ・・・とにかくここは行ってみるしかない。こうして私とオーガスはマ・ゴンテが待つ山のふもとの城へと向かって行った。途中屋敷があり、そこに住む住人がマ・ゴンテの傘下のモンスターで、城へ向かって行くほどより強い敵が私たちを襲った。だけど私の力は私が思っていた以上に強く、圧倒していた。さらにオーガスの助言で次に来る敵の位置を把握できたのでよりやりやすかった。これにはさすがに私自身驚いたがオーガスはそこまで驚いていなかった。やっぱりなにかおかしいとも思った。次に彼が来る敵が知っているかのように知っている事も、私自身の強さの異常さやそれを普通に受け入れていることも。だが私たちはもうマ・ゴンテの城の前まで来ていた。だが、今までのオーガスの違和感や不信感をぬぐわなければやはり魔王を倒すのは難しいと感じてしまった。
「オーガス、ごめんなさい。私、あなたが何者なのか分からなくなっちゃった。私が異常に強いことにも冷静だし、まるであなたは先の事を知っているように行動するし、何があったの? 私の不思議な夢と何か関係あるの?」
「そんなこと気にしなくていいといったはずだ! 君は、君の未来は魔王を倒していく過程で王家の忘れられた息女だとわかり、真の名、アエーナ・フローラ・ルナとして! アエ・ルナという女神として語られ、ボクと一緒に一生を遂げると言う完璧な未来があるんだ! 」
「よくは分からなかったけど、つまりは私がその未来を選ぶまでずっと時間の牢獄に幽閉しようというのね。」
「言ってしまった。だが、時間が巻きもどると君の記憶は無くなる。君の言う夢の話さ。だから君に選ぶ権利は無い。ボクと幸せな未来を選ぶか、永遠にこの茶番を続けるか、だよ。」
「あなたとは一緒には行けない。でもまだ、全てを思い出してない。そのためには・・・」
そういって私はマ・ゴンテの城へ向かった。必死になって城の主を探した。あらゆる罠も強引に抜け出した。オーガスは後ろで追いかけてくるがそれを無視した。そしてやっと見つけ、私は彼女に不可思議なお願いをした。それは私に倒されないことと、私を倒してほしいということ。その事実によってもしかしたらこの繰り返す時間が変わるかもしれない。そしてもう一つのお願いをした。私は重傷を負った。しばらくするとその話を聞いていたのか、オーガスが
「やめろ! 事実ややるべきことが変わった時どうなるか分からないんだぞ!それに死んでしまったら君を一生守れない! そいつを殺せ! コロセ!!
「こんな風に守られるのは嫌よ。どうせならあなたの悔しがる姿を見て死ぬわ。」
「ヤ、ヤ メ ローーーーーーーーー!!!」
マ・ゴンテが切り裂く音とオーガスの光が同時に起きた。彼らはどこかへと消えてしまった。
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一方、ワタル達はおつかいをすませ山のふもとにあるマ・ゴンテ城へと向かっていた。最中、雪がどんどん降り始めていていた。つくころにはくるぶしが雪に埋まるほど積雪していた。そして彼らは信じられない光景を目の当たりにする。それは、戻る前までは廃墟であったマ・ゴンテ城やその周辺がきれいな氷の床で覆われ、一面冬景色になっていたのであった。城もまるで中に人がいるような気配さえした。雪が降った事と言い、これはマ・ゴンテが復活したということなのだろうか。そう疑問に思ったワタルはウガルに慎重に聞いた。
「これってどういう事なんです?」
「分からんが、多分、悠久の石の影響かもしれん。アエナとオーガスが過去で何か事実と違うことをして特異点が生まれたんだろう。」
「でも、私たち、何もないわよ? それにその歴史が変わってるってことを理解してるし。」
「それは多分、恒久の石の効果なんだろう。悠久の石が時間干渉だとしたら恒久の石はその逆で時間遵守なんだろう。」
「何言ってんのか、訳わかんないですよ!」
「アエナ達を取り戻せるかもしれん、いわば正念場や。」
三人は中に入るとマ・ゴンテが待っており、彼らの仮説は希望となった。マ・ゴンテは彼らを見ると
「待っていたぞ。お前がこの時代の勇者か。ん?それは恒久の石ではないか。因果かもしれんな。」
「ど、どういうことですか?・・・」
そういうと途端に周りが吹雪で覆われ、三人は閉ざされた扉に叩きつけられてしまった。マ・ゴンテは両手を広げ、どこからでもかかってこい、話はそれからだと言わんばかりの殺気を放っている。ワタル達もやらねばこちらがやられると思い、立ち直り、戦いを挑むのであった。
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