冴えないワタルは異世界勇者より勇者らしい。

小鳥 遊(ことり ゆう)

第18話 |:勇者アエナと伝説の英雄

 「・・・エナ! アエナ! 起きてアエナ!」


「えっ? オーガス? どうしてここに・・・」
「いやどうしてって、普通にここまで旅してきたじゃないか。 また変な夢でも見てたんじゃない?」


そうだろうか。なにか重要なことを忘れている気がするし、とんでもない悪夢を見ていた気もする。私は少し寝ぼけているのだろうと近くに川があったので顔を洗ってくると言って離れた。顔を洗ってもあまり気は晴れなかったが魔王を倒さなければという考えで気を紛らわした。


「待たせたわね。 行きましょう。 ベ・デルを倒したから後はマ・ゾールよね?」
「なに言ってんの? ルナ王国に行くんだよ。そこにデ・モールという魔王がいるからそいつを倒すって言ってたじゃないか。」


彼の宣言通り、ルナ王国に入るとそこにはデ・モールに操られた騎士たちや手下の魔物たちが徘徊していた。騎士たちは殺すわけにもいかないのでオーガスが混乱させて眠りに誘った。行く手を阻むモンスターたちを倒して行き、ふてぶてしくも玉座に座るデ・モールが王室で私たちを迎えた。王家の人たちは魔王が始末していた。私はそれを許さず、二人で戦いに挑んだ。初めは全く手に負えなかったけどオーガスが奮闘してくれて助かった。意外にやる時はやるのだなあと感心した。その後、眠っていた騎士たちが目覚めた。事情を話すと騎士の一人が話しかけてきた。


「お嬢ちゃん、魔王を倒してもらってありがたいが魔王ってのはあいつ一人じゃない。この世界には何体もの魔王がいる。その親玉がマ・ゾール。そいつと戦うためには他の魔王を倒して行くしかない。奴らは魔と闇の力で強くなっているからな。減れば弱体化するさ。 」
「で? 他に何か言いたそうだけど。」
「俺も仲間にしてくれ。 戦士は多い方がいい。そこの兄ちゃんじゃあ心元無いだろうが。」
「ぼくを見くびらないでくれるかな?」
「そうね、外見だけで判断できない私たちの力がある。 だけど人は多い方がいいわ。 名前は?」
「俺はカイ。よろしく!」
「・・・よろしく。」


その後も私たちは沢山の魔王を倒してきた。 それはいたって普通な事だったし三人の連携は次第に良くなってきた。特にカイは私にとって唯一背中を預けられる存在となりつつあった。オーガスもとても頼もしいけどどこか気の置けない所がある。私とカイが話してると時々冷たい視線が当たってくる。そういうところが気の置けないと感じるのだろうか? 違和感を残しつつ、ケモイの国ではマ・ゾールの義兄弟 デ・ゾールとの攻防に勝利して詳細なマ・ゾールや他の魔王の居場所を聞き出せた。次の標的は影の魔王と呼ばれるデ・ゴールらしい。カイは私を気にかけて


「アエナ、少し疲れてないか?」
「いえ、大丈夫よ。 ・・・ありがとう。」
「・・・いや、休もうぜ。俺もちょっと疲れた。おまえもそうだろ?」


「君はそうやってまた、アエナの心の隙を狙ってるのかい?」
「何を意味のわからんことを・・・俺はアエナが万全に魔王退治に行けるように、」
「まあ、アエナが心配なのはボクもだから。 」


「二人ともありがとう。 所でオーガス、私、カイと会った時からやっぱり彼と初めてじゃない気がするの。これって運命ってやつなの?」
「いや、君たちは運命ではないよ。たとえ避けられない運命だとしても・・・」


「やっぱ、オーガス。君はアエナに執着し過ぎている。それは凶器になりかねん。 そんな奴に彼女を任せられん。」
「彼女を守れるのはボクだけだ!」




その時光が目の前に広がって真っ白になった。また夢で、も・・・


 「・・・エナ! アエナ! 起きてアエナ!」


「えっ? オーガス? どうしてここに・・・」
「いやどうしてって、普通にここまで旅してきたじゃないか。 また変な夢でも見てたんじゃない?」


そうだろうか。なにか重要なことを忘れている気がするし、とんでもない悪夢を見ていた気もする。私は少し寝ぼけているのだろうと近くに川があったので顔を洗ってくると言って離れた。顔を洗ってもあまり気は晴れなかったが魔王を倒さなければという考えで気を紛らわした。


「待たせたわね。 行きましょう。 ベ・デルを倒したから後はマ・ゾールよね?」
「なに言ってんの? ルナ王国に行くんだよ。そこにデ・モールという魔王がいるからそいつを倒すって言ってたじゃないか。」


ん?さっきも同じような夢をというか会話をしたような気がするとも私は会話のやりとりをしつつ思っていたが、きっとまだ夢見心地なのだ、気が引き締まっていないのだと思った。 気を取り直して
彼の宣言通り、ルナ王国に入るとそこにはデ・モールに操られた騎士たちや手下の魔物たちが徘徊していた。騎士たちは殺すわけにもいかないのでオーガスが混乱させて眠りに誘った。行く手を阻むモンスターたちを倒して行き、ふてぶてしくも玉座に座るデ・モールが王室で私たちを迎えた。王家の人たちは魔王が始末していた。私はそれを許さず、二人で戦いに挑んだ。初めは全く手に負えなかったけどオーガスが奮闘してくれて助かった。意外にやる時はやるのだなあと感心した。デ・モールを倒すと暗くどんよりとした空気が少し明るくなったような気がした。この調子で魔王を倒して行けば魔王の力も弱まるかもしれない。オーガスにそういうと


「確かに そうだよ! さすが、勇者アエナだね。」


といつも通り褒めてくれた。ルナ王国を出ると気弱な青年と出会った。彼はとても端麗で女の人のようであった。彼によると故郷であるケモイの国が魔王に襲われているという話だった。その魔王はデ・ゾールという名前だった。夢と同じ名前だと私は思い出した。だけど同時に
「ここを襲ったのってデ・ゴルバじゃなかった? あ、えっと」
「え、エル・シドです・・・。さっき言ったようにデ・ゾールという名前でマ・ゾールの義兄弟だそうです。」


なんで私はここまで記憶違いがあるのだろう? 不思議な点がいっぱいあるけどどうにも思い出せない何かがある。それを早く思い出さないと・・・



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