俺が猫で猫が俺

さくらもち

俺の猫は出来が良い(前編)

「小テスト満点!?」
今日、学校で先日やった数学の小テストが
返ってきたらしく、俺はその結果に驚いた

俺の学校ではある程度の頻度でなかなかの
レベルの小テストが行われている
毎回出されるやたらと問題文が長い問題に
「テストは死ぬ前提。なんでも一夜漬け基本」
を信念としてかかげる俺が敵うはずもなく
8割すら夢のまた夢とされてきた
なのにこいつは・・・!!!

とはいえ、すごいのは事実なので素直に認め、
頭を優しく肉球を使って撫でる

「にゃ~」
撫でてやるとこいつは甘えたように
ニコッと笑って座り込む。可愛いやつめ

こうして俺の日常は過ぎていく

ん?なにか状況がおかしいって?
なんでこいつは満点とってるのに猫の鳴き声で俺はこのプニプニ肉球を使ってこいつの頭を優しく撫でているかって?

それは数日前にさかのぼる

俺は家から少し遠くの高校に通っている。
勉強はだめだめ(自称)運動は柔軟体操とマット運動1極型、アニメ好き、小説好き、音楽大好きの立派な高校1年生だった
唯一誇れる点といえば飼ってる雌猫の可愛さ。
その自慢を軸に学校での地位を比較的良好にし波風たてずに生活してきたのだが
20日ほど前、衝撃的な出来事が起こった

朝、目が覚めると視線は低いし、普段と違い起きたその瞬間からお目ぱっちりだし、なにより目の前に俺がいるし
思わず「はあ!?」と声を出してしまったかと思えば出てきた声といえば
「にゃぉーーーーん」
といううちの飼い猫の声そっくりな鳴き声だし
そして結局飛び起きて自分の姿を視認した俺は毛むくじゃらなお手(肉球付き)を見つめて
ラノベでもあるまじきセリフを叫んでいた

「にゃあぁぁぁ!!!」
(俺たち、入れ替わってるーーー!?)

それを口にしてもいきなり前々前なんとかが流れ出すわけでもなくその後、同様に起きて同様に動揺した
(ギャグじゃないから寒いとかいうなよ?)
俺(中身は大好きな飼い猫のココア。多分)にペンを使って状況を説明、言葉が話せるらしい俺(ココア)と情報交換を開始した

性格、思惑、言葉遣いはそのまま変わってない
だが、俺の場合猫の声しかだせないため会話するときはペンになる
それに考えすぎると眠くなるという活動制限が付属していて、猫ってぐうたらだなと再確認

一方ココアは言葉は知っているらしく
流暢に俺のメモを見ながら日本語を使って会話できるようだ。だが、動きはまだなんともならずに人間の体のまま寝そべったり丸めたり俺の体をいじくりまわしていた
幸いにも、俺が体操が得意なので体は柔らかくあまり不自由はしていないことが分かった
唯一問題なのは雌なので言葉遣いが少し女の子っぽくなってしまうところで
それは直すよう伝えたので表面上は大丈夫だが驚いたときとかは戻ってしまわないか心配だ


それから母親との会話をクリアして
その日は休み、ココアの人間らしい動きの
特訓と俺のメモ書きの特訓を行った。

さすが溺愛する我が猫というもので
上達が異常にはやく、字の書き取りも習得。
前述のように数日後にはしっかり勉強し
満点までとれるようになっていた
まったく可愛いったらない

あーーー!どうせなら女の子と入れ替わって!
そしたら女口調も直さなくてすむし
気軽に話せるじゃないか!彼女みたいにさ!
そもそもなんで俺が男なんだよ!匂いは
普通だわ女子と話すのは苦手だわ好きな人は
いるけどあんまり交流できないわ
男ってほんと不憫なんだけど!なんとかして!
そもそもこの世界がっ・・・・・・
と叫んでいたらココアにうるさいと叩かれた
まじ悲しい


こうして俺とココアの日常は続く












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