弱者だらけの最強バトル

小倉 唯

〜驚くべき真相〜

2日目の朝


私達は放送によって起こされた。現在の時刻は6時。
いや、別に早すぎるって時間ではないけどさ?時間は普通ではあるんだけどね?んーなんか違うんだよなぁ〜
これはほんの少し前のこと……




ピーンポーンパーンポーン……
『おい、哀れなクズ共。起きやがれ!8時までに教室に居なかったやつは地獄を知って死ね‼︎』
………




まぁそんな事があった訳なんだけど。2時間ってのは辛いと思う。女の子には色々準備ってものがあるし。
……まぁ私は5時には起きてたけど。女の子らしい準備もないけど。


とりあえず私はそんなこんなで準備を終えて朝食を食べております。
と言っても準備自体は30分あれば終わるけどさー?


「もう舞ってば準備早すぎ!顔洗って髪といて着替えるだけとか…それでも乙女ですかい?」
「別に乙女なんかじゃないよー?そもそも私が丁寧に準備したところで誰も見ないって。」
さっきのに追加説明をしとくと私は愛ちゃんと朝食を食べています。正面には黙々と朝からカレーを食べてる圭くんもいるけど置いておこう。


「そーいやさ、俺ら何の説明も受けてねーけど、今日は何すんだ?」
あ、喋った。てか食べ終わってた。あれ?圭くん食べ始めたのっていつだったっけ……?
「はぁ?そんなんも分かんないの?何の説明も聞いてないから今日説明するんじゃん。頭使ったら?」
なんだかんだで恒例の3人組となってるなぁ。まぁ楽しいけど。
「あとさー舞はどうしてさっきから1人で顔をコロコロ変えてんだ?」
「舞はコレが通常運転。放っておいたら戻ってくるわよ。」
な、それは失礼な。私はちゃんとナレーション入れてるだけなのに。
「2人共なんかそれ失礼じゃない?」
「「あ、戻った」」
それ余計に傷付くんですけど……


〜〜〜〜


教室に来るともう半分くらいの人が揃っていた。同室の人同士で大体は固まっているっぽい。圭くんは何故か1人部屋らしいから私達といる。
しばらくすると8時になった。




キーンコーンカーンコーン……
そのチャイムと同時に教室の扉が勢い良く開いた。


「おい、テメェら遅刻のやつは……」
バンッ!ドサ……
「はーい、1年生の皆さん?遅刻の人は居ませんか?居ませんね。それじゃあ今日の活動について説明します。」


私こそ説明しよう。生徒会長が恒例のように暴言を吐きながら教室に入ってくると副会長さんがそんな会長の腹部を一発蹴って床に倒れさせて話し出しました。
副会長さん、温厚で優しそうな印象は何処へやら……


「今日の活動は皆さんにこの学校について知ってもらう事です。午前は学校案内に軽く説明。午後は特別実技授業となっています。なので早速学校案内に行きましょうか。」




会長さん、置いて来ちゃったけど大丈夫かなぁ……


「この学校は時咲学園。時空の狭間にある1つの国に1つしかない場所だ。ここには弱く、そして強い者だけが集まる。1つの学年に高校1年〜3年までの人がいる。お前ら1年は1クラスだけだな。」
びっくりしたぁ〜!
……ってなんか説明してるけど会長さん、さっき教室で伸びてませんでした?後、全然いつもと雰囲気が違いません?時々口悪いけどさ。


そして、ブラブラ歩いて学校を案内してる間、聞いていた話をまとめるとこんな感じかな?


時咲学園。そこは時空の狭間にある学園で特別な人しか入る事は出来ない。1つの学年に高校1年〜3年までの人がいて、1年は1クラスで後は2クラスずつ。普段は午前を基礎授業、午後は特別授業を行っていてクラス換えはない。朝は8時に教室に入ってないといけなくて4時には終わる。それ以外の時間は何処で何をしていようが良いみたい。普通の学校と同じでテストは中間と期末の2回あって筆記試験と実技試験がある。上位10人には色んな特典があるらしい。


そして案内の最後に私たちは校長室前に連れて来られた。
「ここを卒業するには単位や修学記録は必要ない。校長室で特別な試験を受けて合格する、それだけだ。
試験を受ける資格は学年関係なくある。この扉は資格のある者にしか開かないからすぐ分かる。気になればいつでも試せば良い。
そして問題はここからだ。卒業試験に合格する事なく3年間を終えてしまった者は時空の狭間に閉じ込められて死ぬことすら出来ない。いや、ある意味では死んでいると言っても良いかもしれないな。だから3年間が終わる前に試験を受けて合格する事だ。午前はこれで終わりだ。時間になったら体育館に集まれ。以上だ。」


時間が止まった気がした。
時空の狭間に閉じ込められる?死ぬことすら出来ない?やっとあんな地獄の日々から楽しくなりそうだったのに何で私はいつもこんな感じなんだろう……
「舞……?怖い顔してるよ?大丈夫?」
「愛ちゃんは。怖くないの?私は現実感が無さすぎて怖いよ……」
「怖いよ?でもなっちゃったんだから仕方ないとも思ってるんだよねー。だからさ、一緒に頑張って卒業しよ?」
愛ちゃんは強いなぁ、そんな風に思えるなんて。
あ……愛ちゃんの手が震えてる。私を気遣って……?私バカだ。心配してくれた愛ちゃんに八つ当たりするなんて。
「なーなー、今までの話よく分かんねーんだけどお前ら分かったか?」


……
「「はぁーー」」
「お、おい!なんで2人して溜め息つくんだよ!」
なんかバカらしくなってきた……
よしっ!私も楽しめるだけ楽しもう!そして卒業しよう!……皆んなで、一緒に。

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