転生したら天使でした。

大橋 祐

それはとある少年の最期

 ピッ ピッ ピッ……。

 病室で心電図が規則的に鳴る。

「あ…………て! あま……」

 母さん。

 うっすらと目を開けると見知った顔が沢山あった。
 クラスの連中、母さん、妹、父さん。

 ハハッ、みんな何て深刻そうな顔してんだ。
 ちょっと車と当たっただけじゃねぇか。

 起き上がろうとしたが身体が全く動かない。

 うそ。


 意識が遠のく。


 まずい。

「「「「「天音あまねッ!!」」」」」

 あー、死にたくな…………。

 ピーーーーーーーーーーーー。




 こうして、俺こと天音は今日死んだ。

* * *

 目がさめると白い空間だった。
 いやなんでやねん。

 なんだこれよくある異世界転生モノか?

『そうであるがそうではない』

 うわっ、ビックリした。

『ははっ、そう驚くでない。ワシは概念生命体65ー84 呼称【リグレス】まあ君たち人間が言うところの神様みたいなヤツじゃ』

 神様出てくるのかよ……。俺は選ばれた人間か?

『そう! 君は裁きの天使アズリエルに見放された悲しい悲しい人間……』

 選ばれてないじゃねーか! 見放されたってなんだよ!

『そうだね。それには少し君の魂について話さなきゃならない事がある』

 魂?

『そう、魂。君たち生命体に宿るその人を形成する人格的なものさ。まあ、わかりやすくいうと魂』

 はあ? 人格とかって脳で形成されるみたいなのを聞いたことがあるんですが。

『まあ、そうじゃな。もっと正確に言うと難しくなるのだが……脳そのもの、いや違うか……、ああ、そうだな潜在的・・・つまり生まれる前から決まってある人格なんじゃよ』

 まあ、納得はしました。
 で、俺の魂が少し特別なんですか?

『ああ、そうだな。魂はそれぞれ特性がある。まあ、といっても人間レベルなら集中力が持続しやすいとか思考速度が速くなるとか。ぶっちゃけ無くたってあったって別に変わらん特性だが……』

 はー、それで俺のは人間レベルを逸脱しており生活にまで影響すると……。

『ああ、その通り! 君の魂の特性は【負の因果】! そう! 簡単に言うと君は確定性のある事象でも結果が負に傾く大変悲しい魂なのだよ』

 は?

『心辺りはないかね? ゲームのセーブがいきなり消えたり、空から美少女が降ってきたりは?』

 前者と後者で規模が違いすぎませんか?
 というかそんなこと0%0%0%くらいでしか起きたことないし、美少女に関しては絶対にあり得ないし。

『それじゃよ。その絶対にあり得ないことが起きるのが君の魂の特性なんだよ』

 なるほど。
 それで裁かれるはずの俺の魂は裁かれなかった……魂の特性のせいで。

『そういうことじゃ。そして君には天使として過ごしてもらいたい』

 …………は?

『安心せい。悪いようにはしない。うまくいけば恋仲……ゲフンゲフン。では!」

 いや説明!
 なんか!
 なんかしろやぁぁぁぁぁぁぁ!

 俺の身体は光の奔流に飲まれ意識は消えた。

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