諸刃の剣

郁乃

第二話 -HS差別-

「......それは、大変だったね。でも、希望は捨てては駄目よ」
穏やかな笑顔を浮かべて、リフィルは首を縦に振った。
「馬鹿か。希望なんて無いんだよ。さっさとそのいい子ぶった感情を捨てろ、ヒソ共が。」
「......!」
人間はHSを、嫌味を込めてヒソと呼ぶ。
猛毒だとでも言いたいのだろう。
呼ばれ慣れているとは言えど、噛み締めて言われれば心に刺さるものがある。
「おい新人。説明が済んだならさっさと自分の班へ行け。ああ、因みに僕はお前の班のCR〈コントローラー〉だ。逆らうことは許されない。いいな?」
「は、はい」
「リーフ班班長。お前はいつまでここに…」

ここにいるつもりだ、と言いかけたその時。
CRの通信機が鳴り出した。

「はい、こちらクレール班CRニリ」
ニリと名乗るCRは丁寧に応答する。
「…!はい、了解致しました。クレール班、ウト班、リーフ班を送ります」
リーフ班は先程再生完了したばかりなのだが、人間はHSに気を遣うことを知らない。
「クレール班って確か私の…」
「おいヒソ共。出戦だ。新人、お前は班長に連絡を急げ。」
ニリはリフィルからリーフへ視線を移し、変わらず冷たい口調で放つ。
「お前は班員に連絡を急げ。今すぐ出戦だ。」
「へいへい」
リーフが軽い返事をすると、ニリは額に血管を浮かべた。
「返事ははい、だ。」
「はいはい」
「一回だ」
「分かってるわよ、うるさいわね」

自分の班のCRより五月蝿い奴だ、と思いつつもリーフは連絡を急いだ。

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