転生鍛冶師は剣を打つ

夜月空羽

第五十三話 振り返って

シジマ・ジエンにジエン流の剣術を教えてもらおうと会いに行ったが失敗に終わり、俺は飯を食べながらそのことをジャンヌ達に話した。
「そんなに気難しい人だったの?」
「気難しいというか、訳アリって感じがしたな………」
きっと何かあって剣を捨てたのだろう。だから剣を教えるつもりはないのかもしれない。
それでも俺はグリードを倒す為にも強くならないといけない。
前回は勝てたけど、恐らくあの時のグリードは本気を出していなかった。ただの気紛れで俺もジャンヌも生かされたが正しいだろう。
グリードを倒す為にも何よりジャンヌを守る為にも強くならないといけない。その為の剣術だ。
明日も根気強く頼みに行ってみるか…………。今はそんなことよりも……………。
俺はシジマ・ジエンの事は一旦頭の片隅に置いて改めて今の自分を客観的に考えてみる。
転生前は平凡な一般家庭。家もどこにであるごく普通の家だった。それが転生して半年も経たないうちに豪邸の主となっている。金銭面をどうにかしてくれたのはリリスだけど………。
そして眉目秀麗で有名なエルフメイド。そのうち一人セシリアは手を出してOKの了承済み。
魔乳に魅入られて奴隷として買った牛人キャトルのシュティアは身分は奴隷だけどセシリア達と違って俺達と一緒に食事を取っている。むしろセシリア達もそうして欲しいと常々俺は思う。
この家では力仕事を担当しているらしく、シュティア本人も奴隷としての立場を弁えているのか、こちらも手を出してもいいと了承は頂いている。
いつかはその魔乳を存分に堪能したいものだ……………。
そしてリリス。魔王の娘であり俺が召喚魔法で召喚した召喚魔。頭脳明晰、容姿端麗、才色兼備、身分も性格も包容力もエロさまで全てを兼ね備えた完璧美女。正直、欠点らしいところなど見たことがない。後はバイである可能性が非常に高い。
そんな完璧美女であるリリスは俺に惚れて俺を魔王にしようと企んでいる。その為にハーレムを作って人脈を広げようとかなんとか……………。まぁ、俺もどうして俺なんかに惚れたんだろうと疑うぐらいの美女だ。リリスを見るたびに俺なんかよりもいい人がいるんじゃないかって思ってしまうぐらいいい女だ。
「どうされましたか? ご主人様」
「いや、今夜な(ジャンヌを二人で弄ろう)」
「はい。今夜に(二人でジャンヌ様を弄りましょう)」
「!? なに!? 今急に悪寒が!」
共にエッチ抜きの一夜を過ごす約束。だけど正直リリスと一緒に寝たら俺は間違いなくビーストモードにされてしまう恐れがある。だから俺とリリスの間にジャンヌを入れて二人で一晩ジャンヌを可愛がることになった。ジャンヌなら手を出しても問題なんてないし、むしろ、そう提案した時のリリスの顔はこれ以上にないぐらいの満面の笑みだった。
リリスにとってジャンヌは弄りがいのある玩具なんだろう。その気持ちはおおいにわかるが。
そして我が恋人ジャンヌ。
俺がこの世界で初めて会った人。そして俺をボコボコにした人でもある。
でも出会ってから常に一緒に行動している。互いの夢の為に研磨し、努力を続けている。
俺は騎士になりたいジャンヌの夢を本気で応援しているし、何かあれば喜んで手を貸す。そして俺はジャンヌの騎士としてジャンヌを守る。
鍛冶師になるのに騎士にもなるのはおかしいことだとはわかっているけど、それぐらい俺は本気でジャンヌの事が好きなんだと改めてそう思える。
「どうしたの? 私の顔をじっと見て」
「いや、改めて俺ってジャンヌに惚れていると思って。愛してるぞ、ジャンヌ」
「い、いきなり何を言い出すのよ!? この馬鹿! 変態!」
顔を真っ赤にしてナイフやフォークを投げてくるもさっと躱す。
なかなか投擲能力も上がったな……………。今度投擲用のナイフでも作ってみるか。
「あらあら、愛されて羨ましいですね。ご主人様、私のことは?」
「勿論だ。言わせるな、恥ずかしい」
「全然恥ずかしそうに見えないのだけど!?」
「安心しろ、ジャンヌ。今日もたっぷり可愛がってやる。リリスと一緒に」
「え!? なにそれ! どういうことなの!?」
「言わせるな、恥ずかしい」
「どういうことなのよぉぉおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」
毎日恒例のジャンヌ弄り。とは言ってもするのは俺とリリスぐらいでシュティアやセシリア達は弄られキャラのジャンヌを慰めている。まぁ、これが今の俺の生活だ。
オールグスト様によって異世界に転生して貰い、ジャンヌと出会って学院に入学して、ダンジョンに潜って灼熱竜ヴォルケーノドラゴンを倒したり、魔剣を打ったり、エルフであるセシリアに魔剣を盗まれ、番外の悪魔エキストラデーモンを倒したり、シュティアを買ったり、グリードの野郎にジャンヌが犯されそうになってマジ切れしたり、この前は聖女様に惚れられてしまった。
転生してから中々濃い人生を歩んでいるとは思う。けど、それがまた楽しい。
転生直後は鍛冶師に弟子入りしてそこから鍛冶をしながらのんびりと異世界スローライフをすると思っていたけど、ジャンヌとの出会いはきっと運命だったのかもしれないな。
「さてと、ご馳走様。シュティアかセシリア。どっちか背中を流してくれ」
「あ、それなら今日は私がするね」
立ち上がって共に風呂に向かうシュティア。ふふふ、ではその二つのメロンで背中でも流して貰おうかな……………。
「ジャンヌ。お前もしっかりと身体を洗っておけよ? セシリア、手間だけど明日の朝も頼む」
「かしこまりました」
「今日もなの!? 任務から帰ってから毎日じゃない! 私そろそろゆっくり寝たいのだけど…………」
「寝ててもいいぞ? その間凄いことをするから。リリスと一緒に」
「何するつもりなのよ!?」
「それは今夜のお楽しみ。リリス、ジャンヌが逃げないように見張っといて」
「かしこまりました。ご主人様」
「かしこまらないでよ!!」
いや~異世界に転生してから毎日が楽しいなぁ~。
その夜、俺とリリスは二人で一緒にジャンヌを可愛がりました。それはもう朝までしっかりと。
ふぅ、気分爽快だぜ。

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