東方消想録

如月大河

幻想郷の過去

「よう。霊夢。遊びに来たぜ。」
「何であんたは毎日のように来るのよ。」
......俺は魔理沙を追ってこの神社に入った。
そこで目に入ったのは寝ながら煎餅を食べ
ているニートの典型的な巫女の姿だ。......
ここって神社だよな?本当に参拝客なんだなぁ。と感じてしまった。というか、うん?毎日?
「そんなの暇だからに決まってるぜ!......と言いたかったが今回はちゃんとした理由がある。」
「珍しいわね。あんたがちゃんとした理由があって来るなんて。」
巫女は驚いていた。驚くほど珍しいのか......一体魔理沙は何をしているんだ?毎日?
「その理由ってのがコイツでな。どうやら外の世界から来たみたいなんだ。」
「へぇ。コイツがねぇ。私は博麗霊夢。ここ博麗神社の巫女よ。」
「俺は来島来斗だ。よろしく。」
「来斗ね。よろしく。......」
な、なんだ?霊夢がこっちをじろじろ見てくる。何か俺に付いてるのか?
「......さすがに霊夢なら気付くよね。彼か ら魔力のようなものを感じる。多分、彼も......。」
ま、魔力?本当に訳が分からない。一体この世界は何なんだ?
「って、そうだ。この世界について説明していなかったね。」
「あっ。そう言えばそうだな。私としたことが、すっかり忘れてたぜ。ごほん。幻想郷ってのはな―」
「幻想郷は君の居た世界とはまったく違う世界だ。それは君も分かっているはずだ。」
「おい。大河。折角私が説明しようとしてるのに。」
魔理沙が会話に割って入った。が如月さん
はそれを無視して話を続ける。
「ここから本題だ。幻想郷は昔、「日本の人里離れた辺境の地」にあるとされて来た。」
「......私の話は無視かよ。」
......なんというか。ドンマイ。魔理沙。俺は心中でそう魔理沙を慰めた。そんな俺にも構わずに、会話を続ける。
「そこには多くの妖怪が住んでいた。同時にそれを退治しようとする人間も現れた。しかし、科学とは凄い。科学が発展していくにつれ、妖怪たちは忘れ去られた。やがて妖怪たちは一部の人間と共に結界を張った。そうして彼らは長い年月幻想郷で過ごし、現在に至ると言う訳だ。」
「そして、私がその博麗大結界を管理しているわ。この結界は幻想郷を外の世界からこちらを認識させない、要するにお互いに干渉出来なくしたのよ。」
......成る程。分からん。黙って聞いているが、まったく理解が追い付かない。
「この幻想郷は妖怪と人間が共存している場所だ。だけどね、妖怪と人間の力の差が大きすぎた。だから幻想郷を支配しようとする者も現れた。そこで力のバランスを保つ為にスペルカードが作られた。これは魔力ではなく、それぞれの能力で使える。だから人間でも使える。」
「私や霊夢がそうだな。」
このカードにそんな力があったのか......。でも待て。能力?俺にはそんな能力なんて物はない。ただの凡人だ。
「......待った。俺は能力なんてない。ただの凡人だ。如月さんは俺に能力があるとでも言いたいのか?」
「それは分からない。けど、もしも能力があるのなら、君は......。救世主だ。」







コメント

  • 如月大河

    どうも。3日間?ぶりです。少しずつ来斗の能力があることが分かってきましたねぇ。まあまあ良いと思うので、読んでください。

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