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東方消想録

如月大河

幻想入り

「・・・助けて。」
「助けて・・・誰か。」

「・・・くっ。此処は、何処だ。」
俺は何か痛みを感じて目を覚ました。
身体中が痛い。俺は自分の体を見る。全身傷だらけだ。何でこんなに傷付いているのかは、わからない。
「・・・とりあえず早く森を抜けよう。何だか嫌な予感がする。」
と、俺は何とか悲鳴を上げている体を起き上がらせ、歩く。

「・・・・・・・・・・」
あれから一時間は経っただろう。しかし、森は開けて来ない。むしろ、深くなっている気がする。
「・・・まずい。迷った。」
ここまで来て、やっと自分が迷ったことに初めて気付いた。鈍感過ぎるだろ。
「っ!!」
ここで俺は少し先に、人が居るのに気付く。よく見てみると、金髪の少女だ。
「こんな森に人が?しかもこんな深い所に。」
まあ、とにかく助かった。あの人に助けて貰おう。俺はふらつきながらも、少女の所に歩く。
「あのー すみません?」
俺が声をかけると、少女はこっちを向いて少し驚いた表情をした。が、すぐに何か納得したような表情を見せ、こう問う。
「お前、この場所分かるか?」
俺はその問いにすぐさま答える。
「いや、分からない。ここは一体どこなんだ?」
すると、少女は何故か笑っている。俺は少し不快感を覚えた。人が困っているのに笑っているからだ。俺は彼女に冷静になってから問う。
「・・・何故笑っている。人の不幸を見て、君は笑うのか。」
彼女はさらに笑う。それを見て俺は苛立ちを隠せず、怒りを込めて言う。
「いい加減にしてくれ。こっちは本当に困っているんだ。こんな訳の分からない所に 」
彼女は俺の言葉を遮り、話す。
「いや、悪いな。お前が面白くてな。」
「面白い?何が?」
俺は彼女の言う面白いの意味が分からない。彼女に聞くと、彼女はこう返した。
「お前、すごい冷静でさ。珍しいんだよ。お前みたいなの。」
「そんな珍しいのか?俺みたいなの?」
「ああ。普通もっと慌てるぜ。普通ならな。」
さりげなく馬鹿にされた気がするが、まあいいか。
「それより此処は一体どこなんだ?俺の住んでいた街にはこんな森はなかった。」
「そうだろうな。ここは幻想郷。聞いたことないだろ?」
幻想郷・・・聞いたことない。俺は地理が得意だが、そんな地名聞いたことも、見たこともない。
「知らないって顔だな。簡単に言えば、お前にとって異世界ってやつだ。」

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