矛盾なこの世界で

コロコロ

この教師に

「失礼します」

職員室につき軽く目を左右に動かし柊先生を探す

「おー、来たかこっちだ周人!
うむ、では早速だが君には我が文化部に入ってもらう」

授業中や普段の態度では見せない満面の笑みを浮かばせながら強引に周人の肩に手を乗せて、さらに強引に話を進めていこうとする

「我が文化部の良いところはだな!
生徒一人一人の考えを尊重して基本的にはフリーダムなのだが現在部員が約1名と少し物足りなくてな!」

「柊先生、まず強引に話を進めないでください。何回も言うようですがお断りです。
それとその人数でしたら約1名ではなく1名だけで充分です。
見栄をはるとろくなことがありませんよ」


周人はこの誘いを何回も受けておりもはや流れ作業のように断った


「うむ!相変わらず生意気でガキンチョとは思えん態度だな!是非とも我が部へ入るが良い!!」


まるで周人の話を聞いてないかのように自分の部活動へ参加させようとしている


「はぁー、話を聞いてくださいよ
ちなみに先生が顧問をしている文化部の部員、と言っても1人ですがその人は何をしているんですか?」


なかば、諦め気味に少しでも部活の勧誘から違う話題へ持っていけないかと模索しつつ話を進めていく


「お?興味を持ってくれたか!
その子はな基本的には何でもするが最終的な目標はある景色を見ることだ!」

「ある景色?登山や世界遺産を見て回ると言うことでしょうか?」

柊先生の言っていることに少し疑問を感じ質問を続ける


「ん?違うぞ、その景色はどこでも見れる景色だがその景色を見ることは・・
私の独断だが世界で一番難しい景色だと思う・・」

先生が少し暗い顔をした事に気付いたが触れるべきではないなと何故だか感じた

「・・・何ですかそのなぞなぞみたいな回答は、その景色というのは「柊先生〜!助けてぇ〜!!」」

話を続けようとした時に勢いよく柊先生に抱きつきながら助けを求める女子生徒が乱入して来た


「どうした由奈?また頼まれごとでもされたのか?」

先生は由奈と言われる生徒の頭を優しく撫でながら質問をする


「うん!私だけじゃ分からない事だったから少しだけ質問というか手伝って欲しいの!」


「うむ、いいぞ私が何でもきい・・て・・・いや私でも分かりそうにないかも知れんから今日は特別な助っ人を用意したぞ!」


柊先生の凛とした目がにたーっと曲線を描きなんとも不気味な笑みを浮かべながらこちらを見てきた

「先生、何故こちらを見るのかは知りませんが用事があるみたいなので俺はこれで失礼します」


あきらかに嫌な予感がしたので早くここから立ち去ろうと踵を返し職員室を出ようとするが

「まー、待て周人私は特に用事など無いぞ!用事ができたのは君の方だ!
彼女、由奈の事を手伝ってやれ!」

「お断りします」


間髪入れずにお断りを入れる

「うむ、たしかになんの報酬もないのはやる気が起きんな」

(いや、そーいう意味じゃないんだけど・・)

「よし!ならば報酬として私自身をやろう!自慢ではないが私はモテる方だ!」

「えっ!?先生なに言ってるの!?
だめだよ!!!」


先生の爆弾発言に顔を赤くしてチラチラとこちらを見てくる由奈
確かに先生は10代と言われても信じてしまうぐらい綺麗な肌にキリッとした目ふんわりとした唇にナイスバディのポニーテールが似合っている美人で生徒の中でも人気がかなりある

周人はニコッと2人に笑いかけてそっと口を開く







「お断りです」

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