聖戦

ヤマネコ

最終話 新たなる時代へ

王都、王城などの復興作業が続く中、ラグズ第三国王シラヌス、そしてラグベルト達将軍、将校達を含め、計25名が裁判所に集まり、反乱軍首謀者であるトーレス元将軍、バルコ王国軍大将マークス将軍、副将のトランス将軍の裁判を行なっていた。

「ではこれより、戦犯であるトーレス、マークス、トランスの裁判を始める。」

裁判長が裁判を始めた。ここからは、長くなるので省略させて頂くが、始まってから3時間後、

「罪人3名に判決を下す。まず、罪人トーレスを死刑に処す、続いて罪人マークス、トランスをバルコ王国に強制送還することを決定する。」

3人の裁判が終わった。

「やっと終わったな、ラグベルト。」

グレンが話しかけてきた。

「ああ、だがまだこれだけじゃ終わらない気がするんだ。」

「確かに、これから先は何かが起こりそうな気がするもんな。」

すると、二人の後ろから男の太い声がした。

「その通りじゃ、そこの将軍二人や。」

「シラヌス国王様、その通りとは?」

男の声はラグズ第三国王シラヌスであった。

「後で、玉座の間へ来なさい。」

そう二人に言い残し、シラヌス国王はその場から立ち去った。その後、二人は玉座の間へ向かった。

「おお、来たか。待っておったぞ。」

シラヌス国王は笑顔で二人を出迎えてくれた。

「国王様、さっきの話の続きなのですが。」

「ああ、そうじゃったな。実はな、このラグズ王国は新たなる時代を迎えようとしておる。」

「それはどういう意味で?」

「つまり、戦の時代の幕開けじゃ。」

「全くその通りです、国王様。」

とその時、誰かの声が聞こえたとたん、突然ドアが開き、誰かが入ってきた。

「やっと来たか、バーレス将軍。」

なんと、入って来たのはバーレス将軍であった。

「あ、お久しぶりです。ラグベルト将軍にグレン将軍。」

「あ、ああ。久しぶりだな!」

「それよりも、どういう事なんだ?」

グレンは聞いた。

「此度の戦で各国から目を向けられ、この国は弱体化しています。だから、この国を奪わんとしている国が大勢いるのです。それに、ラグズ王国は北方の大国ルシガン、南方のグルーメル、西方のトローム、東方のバルコの四ヵ国に囲まれているため、どこから攻められても守れない状況下にあるのです。」

「でも、同盟が活きてる以上向こうも手出しは出来ないはずでは?」

とラグベルトは聞くと、

「同盟が活きていれば、こんな状況にはならなかったですし、バルコ王国も軍をよこさないはずです。」

「という事は...」

「つまりは、密かに同盟を破られていたということになりますね。ま、あくまで憶測ですが。」

「ラグベルト、これはやばいことになりそうだぜ?!」

グレンは興奮しながら言った。

「これから各国との厳しい戦いや、まだ知らない将軍達との戦いがたくさん待ち受けている事でしょう。」

「大丈夫だよ、俺らはルシフェルの戦士なんだからな!」

グレンが嬉しそうに言った。

「あなた方二人に警告しますが、西方の大国ルシガンの将軍には気をつけて下さい。"あの方"に出くわせばルシフェルの戦士など言ってられませんからね。」

ラグベルト達は、バーレス将軍の最後の一言に疑問を抱いたが、大して気にせずその時を過ごした。だがしかし、バーレス将軍の言う"あの方"とは一体誰のことを意味するのか?!


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