聖戦

ヤマネコ

第20話 内乱

城外の激戦が起きている中、城内でも内乱が起きていた。

「あいつはまだ帰って来んのか?」

「はい、仮面の将軍の元に行ってから戻ってきていませぬ。」

「怪しいな、よし。至急、兵をここに集め、城内を捜索させよ。指揮はロドム老将軍に任せる。」

「はっ、お任せを。」

「我らはキグロスに援軍を要請しに行く。」

「では、お気をつけて。」 

その後、トーレスは裏の城門前で荷造りと兵の召集を行なった。と突然、ロドム老将の元に急報が届いた。

「急報!二階の廊下にて、仮面の将軍の部下と思わしき兵士を発見しました!」

「捕えたか?!」

「いえ、それが足が素早く、撒かれてしまいました。」

「急報!」

と、また別の兵士が報告を伝えに来た。

「三階の廊下にて、マーカー将校を含め計80名の護衛兵が死亡、なので犯人は多数の人物を連れて犯行に及んでいると推測されます。」

それを聞いてロドム老将は

「...仮面の将軍め、一体何を考えておるのじゃ...。全兵に告ぐ、怪しい者、グルーメル王国の兵士を見つけたら、直ちに刺殺せよ。」

すると、背後から男の声がした。

「一人の男相手に随分と手を焼いてんじゃねえか。それでも、グルーメルの英雄か?」

「誰じゃ!」

「お前を殺す者だよ!」

そう笑いながら言い、ロドム老将の背中を剣で突き刺した。

「グハァッ!」

ロドム老将は大量の血を吐き出し、吐血しながらこちらを向いた。

「きっ、貴様はっ!」

刺した者の正体は、仮面の将軍であった。

「何故、我らを裏切った?!」

ロドムは聞いた。

「は?最初からお前らの味方じゃねえよバーカ。それにグルーメル王国の人間でもねえし。」

「では、お前は?!」

「死ぬ前に教えてやるからよーく聞け。俺はラグズ王国の将軍、グレンだ!」

そう言い、グレンは仮面を外した。

「グハァッ。」

ロドム老将軍は息絶えた。

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