聖戦

ヤマネコ

第16話 二国の援軍

ドラコ軍の方から大勢の声援が聞こえた。

「バーレス様、急報です!」

「何だ?」

「ドラコ将軍が、右翼の敵大将ダグマを討ち取りました!」

「そうか。だが、まだ終わりではない。ドラコ将軍に伝令、"直ちにその場から離れ、ラグベルト様の援護に向かわれよ"と。」

「何故、ドラコ将軍をラグベルト様のもとへ?」

「何か、嫌な予感がするからだ。」

一方ラグベルト軍では、総大将ラグベルト含めるサイラス軍、オーガ四人衆軍、その他の将軍の隊のネオス軍と、リガーンズ軍右軍大将のデンスリーとその側近、ヒース率いる軍と対立していた。

「押し返せーっ!」

「オォーッ!」

「敵の総大将、ラグベルトの首をとれーっ!」

「オォーッ!」

そんな熱い戦いの中、ネオス軍にとって最大の危機が訪れるのであった。バーレス将軍が指揮する本陣にある知らせが入った。

「急報、急報!」

「何事だ!」

そうバーレスの部下が尋ねると、

「西門及び南門にバルコ王国軍、グルーメル王国軍が現れました!」

「何?!」

まさに、バーレス将軍の嫌な予感が当たったのである。

「おそらく、リガーンズの援軍に来たのだと思います。如何致しますか?将軍。」

「オーガ軍、ドラコ軍、中央で余っている隊をラグベルト様の西側に固めて、層を厚くしろ。あと、フィレント。」

「お呼びでしょうか、バーレス様。」

「我の赤騎兵隊二百と、お主の紫騎兵隊全軍を率いて、ラグベルト様の援軍として加勢しろ。」

「はっ!」

こうして、バーレス将軍の精鋭部隊が出陣した。

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