聖戦

ヤマネコ

第5話 もう一人の伝説の戦士

ラグズ王国軍はオーガ四人衆の援軍の到着により、全滅の危機を免れた。だがしかし、オーガ四人衆の他に別の援軍が到着した。

「貴方がた、援軍として来てくださってありがとう。おかげで、我々の食料を奪還できた。それに、我々は全滅の危機を免れた。」

「いいえ、我々は親人類派として人類を守ることが常識だ。」

「そうか、おい食料班。このオーガ達に食料を分けてやってくれ。」

「了解です。」

「それにしても、何故我々が全滅の危機に陥っているのを知っていたのだ?」

「それはラグズ王国軍の軍旗とは違い、また別の王国の将が我々にそう教えられたのだ。」

「別の王国の軍?」

「敵襲、敵襲!」

「またか!」

「バグロムがまた全軍を率いて攻めてきました!」

「総員、戦闘準備!」

ドドドド

「ん?」

「まさかあの軍旗は!」

「国王、何か知っているのですか?」

トーレス将軍が尋ねた。

「あれは、バルコ王国の軍だ。」

「あっ、あそこにも!」

「あっ、あれはルシガン王国の軍!」

「あそこもだ!」

「あれはグルーメル王国の軍!」

「あそこに二軍が!」

「あれはトローム王国の軍とキグロス王国の軍だ!」

「それに、旧ラグズ王国騎士四天王の軍まで!」

「国王様、凄いですね。全国の軍が援軍として来るなんて。」

「ん?!」

「どうした、ガロム?」

ラグベルトは尋ねた。

「あっ、あいつは...」

ガロムはグルーメル王国軍を率いている将を指差した。

「グルーメル王国軍を率いている将がどうした?」

「あいつは昔、俺と一騎打ちした奴じゃねぇか!」

「ガロムと一騎打ち?...まさか!ジャミ将軍!」

「俺より先にあいつがバグロムを討つ前に仕留めねば。ウード、ヴェルターク、マラクス、そしてオーガ兵達、全軍俺に続け!」

「オォーッ!」

ガロム率いるオーガ軍は勢いよく出撃して行った。そしてラグベルトとグレンも出撃して行った。

「俺達も出撃するぞ!」

「オォーッ!」

「うわぁーっ!」

「がはぁー!」

「ほぉ、お前ら昨日より手応えあるのぉ。ガッハッハ!」

バグロムは笑いながら兵士達を薙ぎ払った。

「バグロム!」

「ああ?」

「覚悟ーっ!」

「待て!」

ラグベルトがバグロムに斬りかかった瞬間、グルーメル王国軍の将ジャミが止めた。

「こいつは俺に殺らせてくれ。」

「何故?」

「こいつはおれの両親...いや、おれの一族を滅ぼした奴だ。許せん!」

「おれの一族?まさか!」

ジャミはもう一人のルシフェルの戦士であった。

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