悪役令嬢登場! ~伝説の召喚士は転生して最強を目指すそうです~

ノベルバユーザー313607

プロローグ 終わりと始まり

時は戦乱の時代。この何もない戦場に『伝説の英雄』の最期が迫っていた
それは、かつてない程の強敵との戦闘で...


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砂嵐が巻き起こる戦場で、
二人の息を荒くする男達と、
仮面を付け、まだまだ余裕だと言わんばかりに
仁王立ちする者がいる。




奴は、人間と言うにはあまりに力があり、
魔物と言うにはあまりに存在が薄く、今にも死にそうな動きだ。
しかし、


敵は狐の仮面を着けていて、何やら魔法を掻き消す力があるらしい


「召喚魔方陣!」


俺は今できる最善の策を考え実行する
クソ、もう魔力が尽きた。


だが、奴は嘲笑いながら、手を触れずに魔方陣全てを一瞬で壊した。


「無駄なことを」


なんだこの強さ。今まで戦ってきたどのタイプとも違う。
何かの能力に違いない。だが、考える暇を与えてくれない。




「諦めるな! 学校時代の連携で行くぞ」


そうだよな、今こそ初心に戻るべきだよな


何があっても絶対に諦めない少年漫画のように
俺は炎の魔法で覆った剣で斬り続ける。
一撃はかわされ、二撃目もかわされ、最後は..当たったと思ったのに!
さっきから人間と戦っている感じがしない。まるで幽霊だ。




戦友は黒い魔力で覆った拳で相手に殴りかかる
だが、全てかわされた。






今度は同時攻撃!。 前と後ろから思いっきり。
これなら当たる..と思ったが、敵は攻撃をすり抜けた。
そして、すり抜けたパンチが俺と相棒に当たった。


「フフフ、伝説の勇者の力はその程度か?」


くそ、なぜだ。さっきから二人掛かりで攻撃して命中しているのに効いていない。
というか当たったように見えているに実際はその感覚が無いのだ。
!? ということは


「気づくのが遅かったな」


突如、俺の目の前に瞬間移動し、俺の腹に激痛が走った。 
恐らく、とてつもなく速いパンチを打たれたのだろう
凄まじい。一瞬で全てが持ってかれる。一撃食らっただけでこの威力か
陸に打ち上げられた魚のように、息苦しく、動けなくなった。


「相棒ーーーっ!」


やめろ、今、俺の方を向いたら


「よそ見するとはな」


やはり、奴は見逃さなかった。


「しまっ」


[空壊豪魔拳!](スペース·ディクショーハイブラスト)


突然、彼の拳が紫のオーラに包まれる。そして...
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必殺技だろうか。まるで隕石が落ちたと言わんばかりの
穴が開く。


「ま...待て」
友はボロボロの体で男の足を掴んだ。 


「ほう。まだそんな力があったとは..面白い。
だが俺様よりも、まず死にかけの相手をしたらどうだ?」


「..永喜!!」


「フフフ、じゃあな」
そういって彼は空間に溶けるように消えていった。




「おい! 大丈夫か! 待ってろ、何か回復薬を..」


友は励ましてくれたが自分の死期くらいは俺にも分かった。
さっきの突然の出来事で、俺の体は肋骨が折れ、心臓にも突き刺さっていた


「いや、それは自分に使え。俺はもう無理そうだ。この戦いの結末、
あの世でたっぷり...いや、恐らく俺はあの世に行けない。」


「何で」


「俺はこの世に強い未練が残っている。だから、死んだあとに
俺はこの天職をそのまま受け継ぎ、未来へ転生されるだろう


だからお前にお願いがある。*****してくれ!」


「あぁ、わかった。絶対成し遂げる!」


友はそういいながら泣いている。


「また..来世で会おう。相棒」




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「お、ようやく目覚めたか」 


普通の女の子の声がした。生きているのか?
いや、それは無いだろう
目の前にいたのは、手のひらと同じくらい小さい妖精だった。


「俺は大妖精 チャコ·ミネアだ。
一応、聞いておくが転生するってことで良いんだな?」


「あ、あぁ頼む」 


え..その体で大妖精!?
つーか、髪の毛長いから女の子だと思ったわ


「..おい、お前。今俺にとって失礼なこと考えてただろ」


         !? 


「教えてやろうか? 俺は心が読めるんだよ。それと俺は女だ。
今回の件は、転生後のお前に俺の必殺技をぶちかますことだけで許してやろう」






「..悪かった、それと...」


「転生後のステータスについてだろ? 大丈夫だ。
ここにくる前のお前が言ったように天職はそのままだ
あとサービスで、今より、頭が良くなるように転生させてやる、あと能力も」


知能アップは嬉しいが、


「そんなこと出来るのか?」  


「もちろん。お前にはあいつを倒してほしいからな。」


「それでは転生の儀を始める」


頭がフワッと浮いた感覚が残った






...ここは。
空か? 雲が見える。


ボーっとしていると何か俺の耳に直接語りかけてくる声が


「よし、転生後の魂は出来上がった。後はお前に頼みたいことがある。」


「頼みたいこと?」


「お前が来世で新たに手にする能力は...希望なんだ。この世の中のな」 


希望か


「だから、その力を最大限生かすためにも少し過酷な家庭で育ってもらう」


「いや、何でだよ」


「それは、すぐにわかる。親がいる家庭だと能力を使おうと思わないだろうからな」


「よし。じゃあ『我らの希望』よ、行ってらっしゃい」


突然、俺は落とされた。
物凄い速さで降下しているのを感じる。
下を見ると、住宅街が見えてきた。
そして....


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無いもない場所から二人を倒した男が浮き出てくる。




「あ、お帰りなさいパパ。結局、あの二人はどうしたの?」


「計画通り、一人は始末した。」 


「ってことはそろそろ..」


ワクワクした顔をしながら、呟く。


「あぁ、この世界が俺たちの物になるまでそう遠くない
他の奴等にもそう伝えてくれ」





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