魔王おばあちゃんのマメ知恵を駆使してまったりスローライフ

ノベルバユーザー313493

雪の日は

 「魔王様今年も来ましたね」
 「あぁ来たなそう・・・」
 「「雪だ」」


 そう冬もついに本番に入った今日この頃ついに雪が降ったのだ。
 雪、それは子供なら誰もがはしゃぎ喜ぶ天然のオモチャ。
 雪、それは大人なら誰もがため息をつき鬱になる自然現象。


 「さぁ始めるか」
 「はい、始めますか」


 そういうと魔王達は雪掻きを始めた。とはいっても魔王のお城の庭はとても広い、そこでそろそろ助っ人が来るころだ。


 「魔王様~」
 「お待たせしました」
 「今年もきたぜ」


 そういいながらやって来たのは町の人達だ彼らには雪が降ると雪掻きを手伝ってもらっていた。もちろんタダではないい毎年魔王が作る豚汁とほうとうを最後に配るのだ。それにそのあとは全員で町の雪掻きも済ませる。一種のお祭りとなっていた。


 「今年も沢山やって、沢山食って頑張るぞ!」
 「「「「「「「「「おぉぉ!!」」」」」」」」


 そう言って始まった雪掻き、皆でやるからそれだけで楽しいのだ。そして集めた雪は倉庫にしまう。なぜ倉庫にしまうのかというと夏に冷房として冷気を部屋に送るためだ。こうすることで電力の消費が押さえられる。
 また入りきらなかった雪は集めてドーム状に固めて鎌倉にするのだ。こうして子供から大人まで楽しみながら毎年やる。


 「皆、メシにするから一旦休憩だ」


 魔王がそう呼び掛けるといたるところから「待ってました」という声が聞こえる。そうやって皆で仲良く食べてまた雪掻きをする。こうすることでみるみるうちにお城の庭の雪はおろか町の雪までやり終えることができるのだ。


 「あぁ~今年も楽しかったな」
 「いいやもう雪が降らないとは限らないぞ」 
 「そうだな、そしたら今度は雪の像でも作るか」


 そうやって皆で冬をのりきるのだ。

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