庭掃除と愛すべき奴等

　ぶ～ん～


　「っるせぇな」


　現在ここは夏、夏と言ったら暑さだけじゃない。ヤツがやってくる季節でもある。
　そう、蚊だ！


　「くそ～うぜな～」


　そう言いながら窓の外をみる。そとには雑草が生い茂り格好の生息地となっていた。


　「しゃあねぇとるか」


　そう一人ごちる魔王、今日は休みなのだ。この部屋には誰もいない。とりあえず魔王はお湯を沸かすことにした。
　沸騰したお湯を持って外へ行きそれをまく。それを何度か繰り返すと、冷凍庫から凍らせたタオルを首にまく。


　「ふぉぉ～気持ちぃぃ～」


　そう言って軍手をして帽子をかぶると外へでた。なぜお湯を撒いたかというとそうすることで根が腐るとどうじに地面が湿るので抜きやすくなるのだ。


　「よっしゃいくぜ～。
　ほいほいほい～、あ～ららららら！」


　そう物凄い勢いで抜いていく、そして広い城の周りの雑草をかけられる声も聞こえないほどに集中して抜いていった。半分くらい終わった頃だろうか、少し休むことにした。


　「ふぅ～」
　「お疲れ様です魔王様」


　そう言ってマモンが水を持ってきた。


　「みな心配してましたよ。修羅が取り付いているのじゃ内科ってね」
　「あぁすまない。でさ、お前俺に熱中症になれと？」
　「はて、なぜですか」
　「そりゃお前こんな冷たいもん持ってきて、余計に汗をかくだろうが」


　そう夏は暑いから冷たい物を飲みたいところだが、実はそれでは熱中症になる確率が上がるらしい。なのでなつでも常温の水を飲み、適度な塩分を摂取することが大切なのだ。


　「お前が俺のためにしてくれたのは知っている。だが、いいかげん覚えとけ」


　そう言うと魔王は雑草を抜くために外へでた。


　「お前らなにやってんだよ」


　外に出るとそこには山田の爺さんや高田の婆さん、隆也をはじめとした町の人たちがいた、


　「そりゃ魔王さんが修羅に憑かれたってゆうから大丈夫かってみたら、雑草を物凄い勢いで抜いてるもんだからいつも世話になってるし手伝いに来たんだよ」
　「そうだぜ」
　「皆でやったら直ぐに終わっちまったよ」
　「ホント、でもなんであんなに簡単に抜けたんだか・・・今度教えてくれよ」


　口々にそう言ってくる。


　「おめぇら余計なことしやがって・・・
   俺の町の奴等はほんと凄いいいやつらだ」


　そう涙ながらに言う魔王、それをどこか恥ずかしそうに見つめる皆、きっとこの世界はどこのどんな世界よりも素晴らしく美しいものだろ