いつかまたあの場所で

ノベルバユーザー313493

酒場じゃないの?

 アリア 『そういえばエクウェスは何でこんな時間にインしてるの』


 不意にアリアがそんなことを訊いてきた。現在は始まりの都にあるカフェで休憩中である。


 エクウェス 『ねぇ、あんまりリアルのことは聞いちゃだめなんだよ』
 アリア 『あぁそうだったよね、ごめん私ネトゲするの久しぶりですっかり忘れちゃってた』
 エクウェス 『まぁ隠してないからいいけどさ、今日は大学の講義が突然休みになって、家に帰るのも面倒だから近くのネカフェでインしたんだよ』
 アリア 『そうだったんだ!私と一緒じゃん。私も今日急に休講になってでも友達は他の講義があるからって行っちゃて、そしたら近くにネカフェがあったから久しぶりにネトゲでもしようかなって』
 エクウェス 『そうだったんだ、じゃあこの機会にどんどんクエストクリアして強くなろうぜ』
 アリア 『じゃあさ私司祭になりたいからさこれと、これと、これ、をやってもいい?』
 エクウェス 『もちろん、そしたらついでに俺も司祭もとるから』
 エクウェス 『よし、目標も決まったことだし上げに行こうぜ~!!』
 アリア 『お~!』


 そう言って俺達は、命の祝福と蒼龍討伐、女神の祝福をクリアしていった。どれも実は結構難易度が高いのだがそこは最強クラスの俺がいるので問題なかった。ちなみに司祭とはクレリックの最上位職の1つでバフ、デハフ、回復をオールマイティーにこなせるバランスのいい職業だ。
 実はこのゲーム垢を作るときに性格診断を受ける、それによって最初のジョブが決まるのだが、そのせいかヒーラーがこのゲームには少ない。もちろん最初のジョブを2次転生までさせれば他のジョブもとれるのだが。最初のジョブ以外は現在、3次転生までしかできない。4次転生までいけるのは最初に与えられたジョブのみなのである。だからエクウェスは剣士の最上位職である聖騎士になったのだ。
 そんなこんなで、一応アリアは順調にLvを上げてクレリックの上位職のプリーストになることができた。


 アリア 『今日はありがとう、またあひたね』
 アリア 『あ!また明日』
 エクウェス 『ははは』
 アリア 『もぅ、笑わないでよ!』
 エクウェス 『あぁまた明日』


 そう言って頬を膨らませてプンプンしながらログアウトして行った。もちろんエモだからね。


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 「あ~今日は楽しかったな。でも何で俺ギルドなんて作ったんだろう。まぁ別に、あんな二つ名要らないし!むしろ恥ずかしかったから嬉しいし!」


 そんなことを一人ごちりなが鑿真さくまは帰路についた。ちなみに二つ名は、前のイベントで1位になったとき他の上位100人全員がギルドにはいっている中で、ギルドに入っていなかったのが彼だけだったので"孤高の騎士"というふうに呼ばれたのだ。これがゲームないでひろまって現在では孤高の騎士のファンクラブができていたりするのだから凄いことだ。
 電車からおり歩きながらそんなことを呟いていると家まで直ぐにたどり着いた。


 「ただいまー」
 「お帰りなさい。あら早いじゃないどうしたの」
 「今日講義が休みになったからネカフェ寄って帰って来た」
 

 そういうと俺は手を洗って自分の部屋へ行った。


 (え~と、今は7時夕食まではあと30分位か、よし寝て夜に備えよう)


 そういうとタイマーをセットして寝ることにした。どれくらいたっただろうか、妹の呼ぶ声が聞こえる。時計を見るとまだ15分しかたっていなかった。


 「お兄ちゃん御飯」
 「えーまだでしょ」
 「今日はお父さん早く帰って来たから、食べに行くって」
 「あ?あぁそういうとね、わかったよ待ってて今行く」


 そういうと妹が階段を降りていく音が聞こえた。俺は布団を整えると妹のあとを追うように直ぐに下に降りていった


 「お、やっと降りてきたか寿司だ寿司に行くぞ」


 そういうと父さんは玄関を、出ていってしまった。母さんはやれやれといったようである。どうやら父さんは疲れすぎてどうやら少し狂ったらしい。そんな酷いことを思いながら俺達もあとを着いていった


 「あ~美味しかったな、よし、明日も頑張るぞーえいえいお~っと」


 どうやらまだ治っていないらしい。しかし実際寿司は美味しかった。しかも一貫とてもが大きかった、お店の方曰く江戸時代のお寿司をイメージして作っているそうだ。昔はお茶は飲まずに手を洗うために使っていたらしいなどいろいろなことを聞けてとても面白かった。


 「お兄ちゃん、私先にお風呂入るね。出たら呼びに行くからそれまで来ちゃダメだよ」
 「わかってるよ」


 そういうと俺はさっさと自分の部屋に戻った。


 (さ~てっと、そろそろ皆も来てるだろ)


 そんなことを思いながら俺はログインした


 《エクウェスがログインしました》


 《アリアがログインしました》


 エクウェス 『あ・・・』
 アリア 『あ・・・』
 エクウェス 『あぁぁぁ━━━━━━』
 アリア 『あぁぁぁぁ━━━━━━』
 アリア 『な、なななんでいるんですか』
 エクウェス 『なんでって、なんでだよ』
 アリア 『だってさっきログアウトするとき、あなたまた明日って行ったじゃないですか』
 エクウェス 『そりゃ、情景反射みたいなもんだから仕方ないでしょ。
   そういうお前こそなんでいるんだよ、お前だってまた明日って言ったじゃねぇか』
 アリア 『そりゃ私はあなたが言ったからお返しで言っただけだよ、情景反射とかあなたの頭猿並ね』
 エクウェス 『いやいや、お前が先にまた明日って言ったからそれは違うだろ、それに俺は猿じゃない。どうしてもって疑うならログを見ればいいだろ』
 アリア 『そうね、あなたが猿だということを証明してあげる』
 エクウェス 『いいや、俺は猿じゃないって証明する。それにさりげなく猿並みから猿に格下げしてんじゃねぇよ』


 そういうと二人はログを見返した


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個別チャットログ


 エクウェス 『いいや、俺は猿じゃないって証明する。それにさりげなく猿並みから猿に格下げしてんじゃねぇよ』
 アリア 『そうね、あなたが猿だということを証明してあげる』


~~~~~~~~~途中省略~~~~~~~~~~~~~


 エクウェス 『あぁ、また明日』
 アリア 『もぅ!笑わないでよ』
 エクウェス 『はははは』
 アリア 『あ!また明日』
 アリア 『今日はありがとう、またひたね』


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 アリア 『・・・・・・・』
 エクウェス 『・・・・・・・・』
 アリア 『くっそ~なんでだよ、私のあほ~!!』
 エクウェス 『ふっん!やはり私は猿ではなかったな』


 そして暫く二人ともにらみ会うエモを送り続けると、不意に笑いだした


 エクウェス 『あーははははは』
 アリア 『ふっははははは』


 アリア 『ごめんなさい、言い過ぎたわ』
 エクウェス 『あぁかまわないさ、不思議と嫌な気分でもないしな』
 アリア 『それって凄い変態発言、恥ずかしいから間違ってもオープンチャットでは言わないでよ』
 エクウェス 『あぁわかってるさ、それに俺は変態ではない』
 アリア 『本当に?孤高の騎士さ・ま!
           恥ずかしがってはいるけど、家では実は「孤高の騎士エクウェス」なんていって喜んでんのしってんだからね』
 エクウェス 『な、なぜそれを知っている!』
 アリア 『うそ、ほんとなの?私の想像で言ってみただけなんだけど、思わぬ発見!』
 エクウェス 『あー、きーこーえーまーせーんん!』
 アリア 『これチャットだから『見えませんの』間違いじゃないの』
 エクウェス 『確かに・・・』
 アリア 『ねぇ、私あなたとは初めてあった気がしないんだ』
 エクウェス 『俺も、初めて会ったにしては凄く話しやすいって言うか、話してると安心する感じかする』
 アリア 『なにそれってプロポーズ?』
 エクウェス 『・・・あぁそうかもな』
 アリア 『なによそれ』


 変な空気が流れ始めたところで後ろから声が聞こえた。


 「お兄ちゃん、ねぇお兄ちゃんてば!!」
 「おぉ、なんだ」
 「お風呂出たから入っていいっていってるの。
   さっきからずっと呼んでたのに全く聞こえてないし。ネットみてニヤニヤしてるし、マジキモかった」
 「あぁ悪かった、教えてくれてありがとな」


 俺がそういうと少しうなずいて部屋をでて言った。俺はパソコンに向き直ると風呂に行くと打ち込んだ


 エクウェス 『悪い、妹から風呂入れってきたから少し落ちる』
 アリア 『そう、 わかったじゃあ私もお風呂にするからまたあとでね』
 エクウェス 『うん、またあとで』


 そういうと俺達はログアウトした。


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 「ふぁ~今日は1日いろんな事があったなものすごく濃い1日でラノベノ主人公になったみたいだった」


 そんなことを考えていたらうとうとし始めてついには眠ってしまった。のぼせないか心配である、「ラノベノ主人公になったみたいだった」というが実際はなってしまったのでこれからも頑張っていただきたい。


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 1時間程たっただろうか


 「ハックシュン」


 「寒~い!ここどこだ。あぁ風呂の中か」


 そう言ってようやく目が覚めた。時計を見ると11時30を回ったところだった。俺は急いで着替えると自分の部屋に向かった。階段を上ってすぐの妹の部屋に明かりがついていた。普段はもう寝ているのでどうしたのかと思い、部屋をノックする。


 コンコンコン


 扉をノックすると直ぐに中からパジャマ姿の妹が出てきた。


 「どうしたの」
 「や、いつもなら寝てるのにこんな時間に起きてるなんて珍しいから見にきたんだよ」


 そういうとあくびを噛み殺したように妹は答えてきた。やはり眠いらしい。


 「今度の月曜日からテストだから勉強してたんだよ」
 「勉強なら朝にやればいいだろ」
 「今回は難しいし、受験にも大きくかかわる大事なやつだから大変なの」


 そう少し怒ったようにいってきた。まだまだ子供だなと思いつつ答える


 「それなら少しだけ見てやろうか」
 「じゃあこの場合の数の、問題だけ教えて」


 そういうと妹は俺を中に招き入れた。部屋の中にいかにも女の子らしく片付いておりきれいだった。


 「場合の数なんて数えるだけじゃん。あ、でもこの数は鬼畜だな、どこを間違えたんだ」
 「そうだけど数え間違えちゃったの」


 【問3、9枚あるカードを2枚づつ順番に分けた、このとき組み合わせはなん通りできるか答えよ】 


 「じゃあこの問題の答えだがだ78と思うんだけどあってる」
 「うん、凄いなんでそんな早く解けるの」
 「待て待て、急かすなそれを今から教えるんだろ。
  まず場合の数は基本図を用いて求める、しかし実はこれには計算式がある。これを高校では順列なんて言ったりする。
 例えば、A、B、C、と3つのコインがあったとする、これを2枚づつ順番に分けたとき何通りできるか、という問題で中学では図を使ってこんなふうに求める  
  /B   /A  /A
 A    B   C
  \C   \C  \B


 答えは6通りになる。でも高校ではこれを式で


 3P2サン、ピー、ニ=3×2
             =6
 と表す。この3は全体の数で、2は順番に並べるカードやコインなどの数を表している。でここからが難しい。
 5P3という問題だった場合は


  1 2 3
  5×4×3


 で、60となる。つまり2の場所にある数が表しているのは上から行くつかけるかで、この場合は大きな数から3つかけろよ、といういみだったのだ。これを先に問3に当てはめると式は、9P2となり


 9×8


 を表す。つまりは72となるわけだ。
  わかった?」
 「うん凄く分かりやすかったよ。これならどんなに数が大きくても数え間違えはなくなるね、ありがとうお兄ちゃん」
 「そうか、良かったな。またわかんないことがあったら聞きにこいよ」


 そういうと俺は自分の部屋に戻っていった。そして部屋に着くとパソコンの電源を入れる。


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  《エクウェスがログインしました》


 ログインすると直ぐにカフェに向かった


 アリア 『おっそ~い、なにやってたのさまさかお風呂に2時間も入ってた訳じゃないでしょ』


 そういってカフェに着くと直ぐに怒られた。


 エクウェス 『ごめん、妹に勉強教えてた』
 アリア 『そうだったんだ、じゃあ許す!』


 俺は、ははーと土下座のエモをとった。


 アリア 『ところでさあなたって頭いいの』
 エクウェス 『ん、自慢じゃないがかなり頭いいぞ、なんせ実は東治大だからな』


 すかさず胸を張るエモをだす。


 アリア 『うそ・・・』







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