地球で独身貴族を貫いたお爺さん(元ラノベ作家)は異世界転移して賢者になるそうですよ
旅立ち~あの世じゃなくて、異世界へ~
ワシは赤羽大助、77歳先日喜寿のお祝いを済ませたところで、あとはお迎えを待つのみのジジィじゃ。そんなワシにも昔は少し有名だったりしたのじゃ。
ワシは26でラノベ作家としてデビューし、翌年異例の早さでアニメ化、シリーズ累計3000万部を突破。
また2作目もシリーズ累計1300万部を突破、映画化も達成した。まさに大人気ラノベ作家だ。
今までも印税で暮らして来たが、まだまだ底がみえないほど残っている。
ちなみに妻、子はいない。いわゆる独身貴族というやつだ。
「おや?なんだろうか」
扉の奥、亡くなった母の仏壇のある和室から光が漏れていた。
ワシは扉を少し開いて中を確認する。なんと光の元は仏壇だった。
「ああ、ついにワシにもお迎えが来たか・・・」
扉を開け大助は光に導かれるように歩いて行く。
「悪くない人生だった。でも、生まれ変わったら次は結婚してみたいな」
そう1人呟くと仏壇に触れる。そして━━━━━
「ここは・・・」
目の前は闇に包まれじめじめした場所だった。そして、重大な事に気がついた。
「死んでない・・・だと!?」
そう、まだ死んでないのだ。手は年相応に皺くたびれていた。そして胸に手を当てると確かに心臓が脈を打つ音が聞こえて来る。
「ああ、そうか、まさかこの歳でとはな、若い頃ならな」
これはワシが沢山書いてきたもの、ワシが昔、ワシだけではないだろう。多くのアニメオタクと呼ばれるものが憧れたであろうあれだ。そう━━━━━
異・世・界・転・移
「うぉぉぉぉ」
今はこんなくらいにしか表現できないが、心のなかでは『よっしゃー!!勇者見参!』なんて跳び跳ねていたりする。
まずは現状確認だ。地面は岩、当たりは暗い、気温は・・・少し寒い。これらの事からおそらくここは洞窟であると推測される。前にも後ろにも道はあるが・・・
おっ!よくみると後ろの奥から少し光が見える。
大助はとりあえずあてもないので光の射す方へ向かう。
暫く歩くとそこには仏壇があった。もしやと思いそれに触れてみる。すると━━━━
「うっ」
眩しい。どうやら当たりのようだ。そう、我が家に戻ってきたのだ。どうやら仏壇がキーとなっていたらしい。
しかし、再び仏壇に目を向けると先ほどのような光は見えなかった。とりあえずためしにもう一度仏壇に触れる。するとまたあの洞窟に戻ってきた。後ろには仏壇がある。どうやらこれの力は失われていないらしい。と、すればやることは1つ。大助は家に戻りリュックに食料と資料として買った仕込み杖、懐中電灯を持って再び飛んだ。
こう見えてワシ、毎朝ランニングをしたりしていて体力には自信があるのだ。早速持ってきた懐中電灯のスイッチを入れて前を照らす。結構広い造りのようだ。誰か住んでいたのだろう。少し生活感が残っていた。本も置いてある。文字は日本のものではないがどこか懐かしさを感じた。
ズキンッ
急に来た激しい頭痛から本を落としてうずくまる大助。暫くして頭痛が収まり本を手にする。
するとなんと読めたのだ。さっきまで読めなかったのにだ。表紙にはこう書いてある。
「この本を手に取っている人へ」
この本は手に取っている人、つまりワシに宛てて書かれたもののようだ。
「きっと君は今不思議な体験をしたことだろう。もしかしたら君のいた世界ではあり得ない事なのかもしれない。しかし、事実だから最後まで読んで欲しい。
まず、この本が読めているということは君はこの本を書いた者、つまり私の生まれ変わりであるという事だ。
なぜ断言できるかというとこの文字はこの世界のどこでも使われていないからだ。
そんなバカな。って、思うかもしれないが事実なのだ。さて、理由は別の本に書いてあるから読んでくれて」
大助は辺りを見回すと確かに何冊かの本を見つけた。
「さて、本題に入るか。私の現在の名前はサティ・サンジェルマンだ。と言うのもどうやら私は、私を含めて合計4回生まれ変わっているようだ。そして生まれ変わる度に名前が変わっているようなのだ。
しかも、君もそうだと思うのだが前世の記憶がない。私は最後まで思い出すことはなかった。おそらく他の私もおなじなのだろう。私の時もこれと同じような本が置いてあった。
しかし、どうやらこれには秘密があるらしいのだ。と、言うのも。最初の私、つまりこの世界で産まれた私が、生まれ変わる魔法を編み出したのだがその魔法にはわからない事が多く。わかっていることは、
生まれ変わる場所はこの世界以外。
生まれ変わると記憶がなくなる。
生まれ変わるのは死んでから。
死ぬ前に知らせが来る。
と言うことだけだ。なぜ異世界に生まれ変われるのか、なぜ記憶がなくなるのかふしぎだが、みな一様に記す目的がある。
"魔王討伐"
と・・・ね。
私も実際魔王の幹部とは何度かやりあってはいるのだが、とうの魔王はまだお目にかかった事はない。
まあ、私の生まれ変わりとはいえ君の人生だ。これを強要するつもりはないし、資格もない。
最後に今までの私達が記してきた魔法の研究資料と、魔法書をここに残した。私の研究資料と魔法書もある。どうかうまく活用してくれ」
大助は一旦本を持って家に帰ろうとした。しかしどうも本だけは通り抜ける事が出来ず結局クッションを家から持ってきてその場で読む羽目になった。
最初に読んだのは魔法の基礎理論についての本だ。おそらくオリジナル(ワシはこの地で産まれた私をそう呼ぶことにひた)の記したものだろう。内容はわかった。理解もできた。しかし言葉にするのは難しい。日本の知識では言い表せないのだ。取りあえず言えるのは詠唱魔法には以下の4つの種類がある。と言うことくらいだろう。
詠唱が必要なもの
詠唱が必要でないもの
特殊な文字を書かなければならないもの
特殊な文字と詠唱が必要なもの
他には時空間魔法の研究資料や錬金術の研究資料などがあった。剣術の指南書なんかもあったが既に年なので使えないから軽く読む程度にした。
以上、魔法についてある程度の知識を得たワシはいよいよ洞窟を出ることにした。
ゴゥオオ
暫く進んでいくと水の落ちる音が聴こえてきた。どうやら近くに滝があるようだ。ちなみに進んでいるのだ。歩いてはいない。なぜそんなまねができるかというとサンジェルマンもといい、前世の私の研究が重量魔法についてだったようなのでありがたく使わせて貰うことにした。
最初は何度か失敗したがこの通り今では自由自在に使えている。
また魔力についてはどうやら問題がないようだ。というのも、オリジナルが生まれ変わりを始めたのは、この魔力量を増やすというのも目的だったようだ。おかげでこの通り既に3時間は継続して使っているが全く問題はない、
徐々に出口に近づいてくる。
「なっ!?」
出口に近づくと驚きの光景が目に飛び込んできた。なんと目の前が水で覆われているのだ。どうやらこの洞窟、滝の裏にあったらしい。
大助はここを出るために詠唱魔法『重力結界 《グラビティーサークル》』を発動して外へ出た。
「え!?」
「なっ!?」
「みるな〜!!アホ」
なんと目の前に裸の美女が、思わず凝視してしまった。
いや、だってめっちゃ可愛かったんだもん。仕方ないよね。
彼女は顔を真っ赤にすると片手で胸を隠しもう片方の手で殴り込んできた。もちろん絶賛魔法発動中の私に殴りがとどくわけもなく。逆に重力で押し返されて森の中に飛んでいってしまった。
ワシは26でラノベ作家としてデビューし、翌年異例の早さでアニメ化、シリーズ累計3000万部を突破。
また2作目もシリーズ累計1300万部を突破、映画化も達成した。まさに大人気ラノベ作家だ。
今までも印税で暮らして来たが、まだまだ底がみえないほど残っている。
ちなみに妻、子はいない。いわゆる独身貴族というやつだ。
「おや?なんだろうか」
扉の奥、亡くなった母の仏壇のある和室から光が漏れていた。
ワシは扉を少し開いて中を確認する。なんと光の元は仏壇だった。
「ああ、ついにワシにもお迎えが来たか・・・」
扉を開け大助は光に導かれるように歩いて行く。
「悪くない人生だった。でも、生まれ変わったら次は結婚してみたいな」
そう1人呟くと仏壇に触れる。そして━━━━━
「ここは・・・」
目の前は闇に包まれじめじめした場所だった。そして、重大な事に気がついた。
「死んでない・・・だと!?」
そう、まだ死んでないのだ。手は年相応に皺くたびれていた。そして胸に手を当てると確かに心臓が脈を打つ音が聞こえて来る。
「ああ、そうか、まさかこの歳でとはな、若い頃ならな」
これはワシが沢山書いてきたもの、ワシが昔、ワシだけではないだろう。多くのアニメオタクと呼ばれるものが憧れたであろうあれだ。そう━━━━━
異・世・界・転・移
「うぉぉぉぉ」
今はこんなくらいにしか表現できないが、心のなかでは『よっしゃー!!勇者見参!』なんて跳び跳ねていたりする。
まずは現状確認だ。地面は岩、当たりは暗い、気温は・・・少し寒い。これらの事からおそらくここは洞窟であると推測される。前にも後ろにも道はあるが・・・
おっ!よくみると後ろの奥から少し光が見える。
大助はとりあえずあてもないので光の射す方へ向かう。
暫く歩くとそこには仏壇があった。もしやと思いそれに触れてみる。すると━━━━
「うっ」
眩しい。どうやら当たりのようだ。そう、我が家に戻ってきたのだ。どうやら仏壇がキーとなっていたらしい。
しかし、再び仏壇に目を向けると先ほどのような光は見えなかった。とりあえずためしにもう一度仏壇に触れる。するとまたあの洞窟に戻ってきた。後ろには仏壇がある。どうやらこれの力は失われていないらしい。と、すればやることは1つ。大助は家に戻りリュックに食料と資料として買った仕込み杖、懐中電灯を持って再び飛んだ。
こう見えてワシ、毎朝ランニングをしたりしていて体力には自信があるのだ。早速持ってきた懐中電灯のスイッチを入れて前を照らす。結構広い造りのようだ。誰か住んでいたのだろう。少し生活感が残っていた。本も置いてある。文字は日本のものではないがどこか懐かしさを感じた。
ズキンッ
急に来た激しい頭痛から本を落としてうずくまる大助。暫くして頭痛が収まり本を手にする。
するとなんと読めたのだ。さっきまで読めなかったのにだ。表紙にはこう書いてある。
「この本を手に取っている人へ」
この本は手に取っている人、つまりワシに宛てて書かれたもののようだ。
「きっと君は今不思議な体験をしたことだろう。もしかしたら君のいた世界ではあり得ない事なのかもしれない。しかし、事実だから最後まで読んで欲しい。
まず、この本が読めているということは君はこの本を書いた者、つまり私の生まれ変わりであるという事だ。
なぜ断言できるかというとこの文字はこの世界のどこでも使われていないからだ。
そんなバカな。って、思うかもしれないが事実なのだ。さて、理由は別の本に書いてあるから読んでくれて」
大助は辺りを見回すと確かに何冊かの本を見つけた。
「さて、本題に入るか。私の現在の名前はサティ・サンジェルマンだ。と言うのもどうやら私は、私を含めて合計4回生まれ変わっているようだ。そして生まれ変わる度に名前が変わっているようなのだ。
しかも、君もそうだと思うのだが前世の記憶がない。私は最後まで思い出すことはなかった。おそらく他の私もおなじなのだろう。私の時もこれと同じような本が置いてあった。
しかし、どうやらこれには秘密があるらしいのだ。と、言うのも。最初の私、つまりこの世界で産まれた私が、生まれ変わる魔法を編み出したのだがその魔法にはわからない事が多く。わかっていることは、
生まれ変わる場所はこの世界以外。
生まれ変わると記憶がなくなる。
生まれ変わるのは死んでから。
死ぬ前に知らせが来る。
と言うことだけだ。なぜ異世界に生まれ変われるのか、なぜ記憶がなくなるのかふしぎだが、みな一様に記す目的がある。
"魔王討伐"
と・・・ね。
私も実際魔王の幹部とは何度かやりあってはいるのだが、とうの魔王はまだお目にかかった事はない。
まあ、私の生まれ変わりとはいえ君の人生だ。これを強要するつもりはないし、資格もない。
最後に今までの私達が記してきた魔法の研究資料と、魔法書をここに残した。私の研究資料と魔法書もある。どうかうまく活用してくれ」
大助は一旦本を持って家に帰ろうとした。しかしどうも本だけは通り抜ける事が出来ず結局クッションを家から持ってきてその場で読む羽目になった。
最初に読んだのは魔法の基礎理論についての本だ。おそらくオリジナル(ワシはこの地で産まれた私をそう呼ぶことにひた)の記したものだろう。内容はわかった。理解もできた。しかし言葉にするのは難しい。日本の知識では言い表せないのだ。取りあえず言えるのは詠唱魔法には以下の4つの種類がある。と言うことくらいだろう。
詠唱が必要なもの
詠唱が必要でないもの
特殊な文字を書かなければならないもの
特殊な文字と詠唱が必要なもの
他には時空間魔法の研究資料や錬金術の研究資料などがあった。剣術の指南書なんかもあったが既に年なので使えないから軽く読む程度にした。
以上、魔法についてある程度の知識を得たワシはいよいよ洞窟を出ることにした。
ゴゥオオ
暫く進んでいくと水の落ちる音が聴こえてきた。どうやら近くに滝があるようだ。ちなみに進んでいるのだ。歩いてはいない。なぜそんなまねができるかというとサンジェルマンもといい、前世の私の研究が重量魔法についてだったようなのでありがたく使わせて貰うことにした。
最初は何度か失敗したがこの通り今では自由自在に使えている。
また魔力についてはどうやら問題がないようだ。というのも、オリジナルが生まれ変わりを始めたのは、この魔力量を増やすというのも目的だったようだ。おかげでこの通り既に3時間は継続して使っているが全く問題はない、
徐々に出口に近づいてくる。
「なっ!?」
出口に近づくと驚きの光景が目に飛び込んできた。なんと目の前が水で覆われているのだ。どうやらこの洞窟、滝の裏にあったらしい。
大助はここを出るために詠唱魔法『重力結界 《グラビティーサークル》』を発動して外へ出た。
「え!?」
「なっ!?」
「みるな〜!!アホ」
なんと目の前に裸の美女が、思わず凝視してしまった。
いや、だってめっちゃ可愛かったんだもん。仕方ないよね。
彼女は顔を真っ赤にすると片手で胸を隠しもう片方の手で殴り込んできた。もちろん絶賛魔法発動中の私に殴りがとどくわけもなく。逆に重力で押し返されて森の中に飛んでいってしまった。
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