玉の輿に乗った私は世界最強になりました
アンデットの群れと生意気王子
「ぐうぇぇぇ」
「ほら~言わんこっちゃない。飲み過ぎだよ」
「だって~」
「そもそも治癒魔法しか使えない凪が冒険者として稼ごうってのが間違ってたんだよ」
「でもさ、『冒険者=ガッポガッポ』ってイメージあるじゃん!!」
「そりゃ確かに冒険者は儲けてるイメージあるよ、でもさ、そんなの冒険者の中でも一握りしかいないでしょ。そんなにお金がほしいなら玉の輿でも狙えば、大商人の家にでも嫁げれば苦労しないと思うけどな~」
「・・・確かに」
「まぁ無理だと思うけどね、ささ明日もあるんだから酒はおしまいにして寝よ」
「は~い」
ランプの灯りを消して布団にはいる。皆さん、既におわかりだと思いますがそう!私、安東凪紗はとにかくお金が大好きなのです!
なぜかって、そりゃお金があればなんでもできるし、お金があれば心に余裕が持てる。そう!お金があれば人生充実する!!・・・からです。
中にはお金がなくても幸せだ!そういう人もいます。ですがどうでしょう。お金がなくて幸せなら、お金があればもっと幸せになれる。そうは思いませんか?
ですから、私はお金を沢山得られるなら大抵の事はします。ですがそんな私でも自分で決めているルールがあります。それは、
・盗みはしない
・他人に迷惑をかけない
・人の道を踏み外さない
・自分を大切にする
これだけは何がなんでも守る事にしています。こう言ってはなんですが、私めっちゃ可愛いです。告白されたことも数えきれない程あります。ですからもし娼館で娼婦として働けば一生遊んで暮らせる位稼げるとおもいます。ですがそれは自分を犠牲にしている。自分は働きはするが商品になるつもりはないしなってはいけないと思う。だからこうして地道に稼いでいるのだ。
まあ玉の輿を狙うのはありだと思うが・・・
「ふぁぁ、おふぁよう」
「おはよ・・・うっ」
「どうしたの!?」
「・・・吐きそう」
ダッシュでトイレへと向かい胃の中の物をぶちまける。鼻の奥が痛い・・・わかるかな、あの吐いたときの酸っぱい感じというかツーンとしたような痛みとか、これ本当に最悪だ。
「凪・・・顔色ものすごく悪いよ」
「・・・ん、二日酔いみたい。氷でも舐めてれば大丈夫だと思うから」
魔法で氷を出して貰うと口にほおりこむ。
ああ、痛いけど吐き気がひいていく・・・
「ほんと、不便だよね。治癒魔法が使えるのに自分には効果ないとか、なぞだよ」
「しょうがないじゃん、そうゆうものなんだし、ていうか夢も回復魔法覚えてよ」
「無理だって知ってるでしょ。私には適正がないんだから」
そう私は治癒魔法が使える。て、ゆうか治癒魔法しか使えない。これは生まれ持った魔法特性で治癒魔法だけはかなりの才能があるがそれ以外はからっきしだ。ちなみに夢、一色夢は魔法特性はない。と、言うのも魔法特性は誰にでもあるわけではなく。ごく少数の人しか持っていない。しかし夢は努力で魔法力を磨き治癒魔法以外はかなりのレベルで行使できる。
「ほら吐き気も治まったならさっさと仕事に行くよ」
「え~鬼~。今日は休もうよ」
「なにいってるの、今日からは大商人の護衛で給料もいいんだから行きます!」
夢は私の首根っこを掴むとそのまま引きずって行く。
「ちょいまち、そこ階段・・・」
私の声は届かず階段を引きずられながら降りる。すっごくお尻が痛い。あ・・・吐きそう。
なんとか吐き気をこらえて腕をタップ降参する。そして町の入り口まで歩いていく。
既に他の人は集まっているようだ。今回の依頼は合同でおこなわれるので知らない人がたくさんいる。
「初めまして、君たちは凪紗君と夢君であってるかな」
恰幅のいい気の良さそうな人が話しかけて来た。恐らくこの人が依頼人の大商人、尾津馬さんだろう。話し方とは裏腹に高そうな服を着ている。
「はい、安東凪紗です」
「一色夢です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼むよ。何かあったら気兼ねなく言ってくれ」
うん、やっぱりいい人そうだ。私達の今回の仕事は護衛だが何もなければただ荷車に乗っているだけだ。
「ああ、君たちは私と同じ馬車に乗ってくれ」
ラッキーだ。荷車と馬車では乗り心地が天と地ほどの差がある。早速馬車に乗り込むと目的地に向けて主発した。目的地は王都クランベールだ。クランベールはここクロックベル王国の首都でありクロックベル国王が住むクランベール城のある都だ。水が豊富で織物産業が盛んだ。
「ほう、ではなぜ凪紗君は治療院ではなく冒険者に?」
「もちろん治療院で働いていた事もあったのですが、合わなくて」
「そうだったんですか。確かに合う会わないありますよね。私も昔は冒険者をしていた事もあったのですがね。合わなくて、それでいまに至るのですよ」
「尾津馬さんが!?」
「そういえばなぜ私達を馬車に乗せてくれたのですか」
「嫌だったかね」
「いえ、そんな事はないのですが。別に特別強いわけでもない私達をなぜかと思いまして」
「ああ・・・今回の護衛、女性は君たちだけですから、男ばかりのところにいれては可哀想かと」
「そうだったんですか、お心遣い感謝します」
こんな具合に会話をしながら進むこと三日あともう少しで王都に着く、そう思ったときそれは見えた。
「なぜ、あれがこんなところに・・・」
前にいたのはアンデットの集団だった。なにかに群がってこちらには気がついていないようだったが、かなりの数がいる。
「止めてください」
尾津馬さんが急に御者に制止を呼び掛けた。まさかのアンデット達の真横でだ。
「なぜ止まったのですか!?」
声を大にして語気を強め呼び掛ける。アンデットは物理攻撃では倒せないのだ。それが目測でも百以上だ。普通なら自殺行為であるのだから語気も強くなって当然だろう。
「誰か襲われているようです。凪紗君なら助けられるのでは?」
「確かに魔力をほとんど使えば助けられるかも知れませんが・・・」
「ならお願いします。報酬は倍にしますし幸いエリクサーも持っていますのでどうか・・・」
仕方ない。そこまで言われてはやるしかないだろう。それに依頼は護衛なのだから、やつらを倒すのは仕事の内かもしれない。
「わかりました」
私は詠唱を始める。アンデットを倒せるのは回復魔法のみ、私の魔法特性は回復魔法つまり私はアンデットの天敵ともいえる存在だ。
「━━━━━鐘は鳴り響く。全ての傷を癒せ!」
【癒しの鐘】
中級の広範囲回復魔法を発動するとアンデット達からたちまち砂のようになっていく。瞬きをした次の瞬間には目の前のアンデットは消えそこには砂の山が出来上がっていた。みるとその中心、襲われていたと思われる人が剣を鞘にしまうとこちらへ向かって歩いてくる。
「・・・げっ!」
「あのお方は・・・」
夢が「ヤバッ!」といった表情をしているのに対し尾津馬さんは「なぜ?」といった二人とも全く正反対の反応をしている。なんかすごい人なのだろうか。
すると急に二人がその場に片膝をつき頭をさげた。つられて私も同じ動作をしたがなにがなんだかさっぱりだ。
「表をあげろ、よく俺様を助けてくれた。一応例を言おう」
「ありがたきしあわせ。しかしなぜこのような場所に伊藤様がおられるので」
「なぜ貴様にそのような事を言わねばならぬ」
「確かにその通りでございま━━━」
「しかしまあよい、命を助けられた身質問の一つや二つ答えてやろう。
俺様がなぜここにいるか?だったな。他国から帰っている途中だったのだ。そこでアンデットに襲われた。護衛の奴等は一人残らずアンデットにやられ死んだ。俺様一人守れぬとは奴等も無能だな」
「な!!」
頭に来た私はこいつを殴ってやろうと立ち上がろうとした。しかし、夢に止められてその思いはかなわなかったのでキッと睨み付けてやった。それをやつはそよ風の如く流す。ので更に頭にくる。
「しかし、城に戻ろうにも足がない。お前俺様を城まで送れ」
「喜んで」
「ほら~言わんこっちゃない。飲み過ぎだよ」
「だって~」
「そもそも治癒魔法しか使えない凪が冒険者として稼ごうってのが間違ってたんだよ」
「でもさ、『冒険者=ガッポガッポ』ってイメージあるじゃん!!」
「そりゃ確かに冒険者は儲けてるイメージあるよ、でもさ、そんなの冒険者の中でも一握りしかいないでしょ。そんなにお金がほしいなら玉の輿でも狙えば、大商人の家にでも嫁げれば苦労しないと思うけどな~」
「・・・確かに」
「まぁ無理だと思うけどね、ささ明日もあるんだから酒はおしまいにして寝よ」
「は~い」
ランプの灯りを消して布団にはいる。皆さん、既におわかりだと思いますがそう!私、安東凪紗はとにかくお金が大好きなのです!
なぜかって、そりゃお金があればなんでもできるし、お金があれば心に余裕が持てる。そう!お金があれば人生充実する!!・・・からです。
中にはお金がなくても幸せだ!そういう人もいます。ですがどうでしょう。お金がなくて幸せなら、お金があればもっと幸せになれる。そうは思いませんか?
ですから、私はお金を沢山得られるなら大抵の事はします。ですがそんな私でも自分で決めているルールがあります。それは、
・盗みはしない
・他人に迷惑をかけない
・人の道を踏み外さない
・自分を大切にする
これだけは何がなんでも守る事にしています。こう言ってはなんですが、私めっちゃ可愛いです。告白されたことも数えきれない程あります。ですからもし娼館で娼婦として働けば一生遊んで暮らせる位稼げるとおもいます。ですがそれは自分を犠牲にしている。自分は働きはするが商品になるつもりはないしなってはいけないと思う。だからこうして地道に稼いでいるのだ。
まあ玉の輿を狙うのはありだと思うが・・・
「ふぁぁ、おふぁよう」
「おはよ・・・うっ」
「どうしたの!?」
「・・・吐きそう」
ダッシュでトイレへと向かい胃の中の物をぶちまける。鼻の奥が痛い・・・わかるかな、あの吐いたときの酸っぱい感じというかツーンとしたような痛みとか、これ本当に最悪だ。
「凪・・・顔色ものすごく悪いよ」
「・・・ん、二日酔いみたい。氷でも舐めてれば大丈夫だと思うから」
魔法で氷を出して貰うと口にほおりこむ。
ああ、痛いけど吐き気がひいていく・・・
「ほんと、不便だよね。治癒魔法が使えるのに自分には効果ないとか、なぞだよ」
「しょうがないじゃん、そうゆうものなんだし、ていうか夢も回復魔法覚えてよ」
「無理だって知ってるでしょ。私には適正がないんだから」
そう私は治癒魔法が使える。て、ゆうか治癒魔法しか使えない。これは生まれ持った魔法特性で治癒魔法だけはかなりの才能があるがそれ以外はからっきしだ。ちなみに夢、一色夢は魔法特性はない。と、言うのも魔法特性は誰にでもあるわけではなく。ごく少数の人しか持っていない。しかし夢は努力で魔法力を磨き治癒魔法以外はかなりのレベルで行使できる。
「ほら吐き気も治まったならさっさと仕事に行くよ」
「え~鬼~。今日は休もうよ」
「なにいってるの、今日からは大商人の護衛で給料もいいんだから行きます!」
夢は私の首根っこを掴むとそのまま引きずって行く。
「ちょいまち、そこ階段・・・」
私の声は届かず階段を引きずられながら降りる。すっごくお尻が痛い。あ・・・吐きそう。
なんとか吐き気をこらえて腕をタップ降参する。そして町の入り口まで歩いていく。
既に他の人は集まっているようだ。今回の依頼は合同でおこなわれるので知らない人がたくさんいる。
「初めまして、君たちは凪紗君と夢君であってるかな」
恰幅のいい気の良さそうな人が話しかけて来た。恐らくこの人が依頼人の大商人、尾津馬さんだろう。話し方とは裏腹に高そうな服を着ている。
「はい、安東凪紗です」
「一色夢です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼むよ。何かあったら気兼ねなく言ってくれ」
うん、やっぱりいい人そうだ。私達の今回の仕事は護衛だが何もなければただ荷車に乗っているだけだ。
「ああ、君たちは私と同じ馬車に乗ってくれ」
ラッキーだ。荷車と馬車では乗り心地が天と地ほどの差がある。早速馬車に乗り込むと目的地に向けて主発した。目的地は王都クランベールだ。クランベールはここクロックベル王国の首都でありクロックベル国王が住むクランベール城のある都だ。水が豊富で織物産業が盛んだ。
「ほう、ではなぜ凪紗君は治療院ではなく冒険者に?」
「もちろん治療院で働いていた事もあったのですが、合わなくて」
「そうだったんですか。確かに合う会わないありますよね。私も昔は冒険者をしていた事もあったのですがね。合わなくて、それでいまに至るのですよ」
「尾津馬さんが!?」
「そういえばなぜ私達を馬車に乗せてくれたのですか」
「嫌だったかね」
「いえ、そんな事はないのですが。別に特別強いわけでもない私達をなぜかと思いまして」
「ああ・・・今回の護衛、女性は君たちだけですから、男ばかりのところにいれては可哀想かと」
「そうだったんですか、お心遣い感謝します」
こんな具合に会話をしながら進むこと三日あともう少しで王都に着く、そう思ったときそれは見えた。
「なぜ、あれがこんなところに・・・」
前にいたのはアンデットの集団だった。なにかに群がってこちらには気がついていないようだったが、かなりの数がいる。
「止めてください」
尾津馬さんが急に御者に制止を呼び掛けた。まさかのアンデット達の真横でだ。
「なぜ止まったのですか!?」
声を大にして語気を強め呼び掛ける。アンデットは物理攻撃では倒せないのだ。それが目測でも百以上だ。普通なら自殺行為であるのだから語気も強くなって当然だろう。
「誰か襲われているようです。凪紗君なら助けられるのでは?」
「確かに魔力をほとんど使えば助けられるかも知れませんが・・・」
「ならお願いします。報酬は倍にしますし幸いエリクサーも持っていますのでどうか・・・」
仕方ない。そこまで言われてはやるしかないだろう。それに依頼は護衛なのだから、やつらを倒すのは仕事の内かもしれない。
「わかりました」
私は詠唱を始める。アンデットを倒せるのは回復魔法のみ、私の魔法特性は回復魔法つまり私はアンデットの天敵ともいえる存在だ。
「━━━━━鐘は鳴り響く。全ての傷を癒せ!」
【癒しの鐘】
中級の広範囲回復魔法を発動するとアンデット達からたちまち砂のようになっていく。瞬きをした次の瞬間には目の前のアンデットは消えそこには砂の山が出来上がっていた。みるとその中心、襲われていたと思われる人が剣を鞘にしまうとこちらへ向かって歩いてくる。
「・・・げっ!」
「あのお方は・・・」
夢が「ヤバッ!」といった表情をしているのに対し尾津馬さんは「なぜ?」といった二人とも全く正反対の反応をしている。なんかすごい人なのだろうか。
すると急に二人がその場に片膝をつき頭をさげた。つられて私も同じ動作をしたがなにがなんだかさっぱりだ。
「表をあげろ、よく俺様を助けてくれた。一応例を言おう」
「ありがたきしあわせ。しかしなぜこのような場所に伊藤様がおられるので」
「なぜ貴様にそのような事を言わねばならぬ」
「確かにその通りでございま━━━」
「しかしまあよい、命を助けられた身質問の一つや二つ答えてやろう。
俺様がなぜここにいるか?だったな。他国から帰っている途中だったのだ。そこでアンデットに襲われた。護衛の奴等は一人残らずアンデットにやられ死んだ。俺様一人守れぬとは奴等も無能だな」
「な!!」
頭に来た私はこいつを殴ってやろうと立ち上がろうとした。しかし、夢に止められてその思いはかなわなかったのでキッと睨み付けてやった。それをやつはそよ風の如く流す。ので更に頭にくる。
「しかし、城に戻ろうにも足がない。お前俺様を城まで送れ」
「喜んで」
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