M男はどこでもMだった

ノベルバユーザー313493

2話

 「ど、どうしたんですか!?少し待っててください。ポーション持ってくるんで」


 俺がギルドに着くと朝登録をしてくれた人が驚いた様子でポーションを取りに行った。


 そろそろ俺も限界かもしれ・・・な・・・い。


 俺はその場で倒れてしまった。その拍子に担いでいたカインも倒れて頭をうったが、俺を攻めるのはやめて欲しい。足に力が入らないんだ。だってよ。筋肉ムキムキのでかいヤツをステータスオール一のヤツが強敵を倒した後でここまで運んだんだぞ!むしろ褒めて欲しい。
 さっきのお姉さんが手に小瓶を持って戻ってきた。彼女は俺の頭をそっと持ち上げるとなかのものを飲ませてくれる。おそらくこれがポーションなのだろう。みるみるうちに傷が治り、体力が回復した。その後お姉さんはカインにも同じようにポーションを飲ませる。


 「いや~タケルのおかげで助かったわ。ありがとう」
 「いいさ。ピンチに遭遇するのは駆け出し冒険者の定石みたいなもんだからな」
 「その、定石?というのはよくわからないけど。本当にありがとう」


 うん、口調が戻ってよかった。あの服装のまま喋り方が治らなかったら少し悲しいものがあったからな。


 「あの、そろそろいいでしょうか」
 「あ、すみません。どうぞお願いします」
 「ではまずスライム報酬からポーション分を除いた五千ゼノです。あと、追加でヒップホースの依頼も達成されたので八十万ゼノです」


 は?あの豚みたいなやつそんなに高かったの!?


 「それにしても凄いですね。まさかはじめての依頼で難易度七のヒップホースを倒すなんて。やっぱりカインさんがやったんですか?」
 「いいえ、私は直ぐに倒されちゃったの。ヒップホースはタケル一人で倒したのよ」
 「ほ、本当ですか!?でもタケルさんは確かステータスオール一だったはずですが・・・」
 「そうよね。やっぱり測定ミスとかじゃないの?」
 「いいえ、そのような事はあり得ません。もしかしたら不明だった固有技能の能力が関係しているかもしれませんね」


 確かに・・・ってゆうか、あのカバそんなに難易度高かったのかよ!俺よく生きてたな。ああ、運がよかった。最高!


 「では次にステータスの更新をお願いします。このときレベルが上がればスキルポイントが得られます。これはスキルを習得する上で欠かせないものとなりますので十分によく考えてご試用ください」


 とりあえずこの後も一通り説明を受けるとステータスの更新を行った。


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 カイン・ロベルト LV 5


 VIT 70  DEX 120  AGI 65


 STR 100  INT 75  LUK 60


 HIT 65


 固有技能


 乙女の力ミラクルパワー 


 家事万能、ステータスを倍加。LVに応じて倍率上昇


 可愛いは正義キューティーイズジャスティス


 相手を恐怖状態にする


 スキルポイント残量 4


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 「凄いです!まさかレベル5でここまであがるなんて。この勢いなら魔王軍、軍隊長を倒せる日も直ぐかもしれませんよ」


 どうやらかなり凄いらしい。スキルポイントってのはレベルが一つ上がるごとに1つ貰えるようだ。


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 タケル・サトウ LV 23


 VIT 23 DEX 23  AGI 23


 STR 23 INT 23  LUK 23


 HIT 23


 固有技能


 最凶アンラッキー


 不死、ダメージ倍加


 M能力キモイヤツ


 ダメージの総量分ステータス倍加


 スキルポイント 38


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 「あゎゎゎゎゎゎゎ。━━━━こ、これはチートとかいうレベルじゃないですよ。どんな人生を歩んだらこんな固有技能が手にはいるんですか」


 俺も返してもらったカードをみてみる。すると固有技能の内容がわかるようになっていた。しかも、その内容は不死と、ダメージ分のステータス倍加という恐ろしいものだった。俺はやったのだ。自力でチートを手にいれたのだ。


 「道理でヒップホースを倒せたわけね。つまりはスライムからのダメージとヒップホースに何度もぶっ飛ばされたおかげで、ステータスがとんでもないことになり。そのおかげで倒せたと」
 「チートだな」
 「チートよね」
 「チートですね」


 ん、満場一致。俺の固有技能はチートです!!


 これで、これで晴れて魔王と戦える・・・


 「とりあえず今日は疲れたし、まだ早いけど帰って初依頼達成の打ち上げとでもいきましょ」


  俺達は報酬を手にギルドにある酒場へ向かう。


 「マスタービール大盛ジョッキで2杯と、骨付き肉の丸焼き4本、サラダに白パンをくれぇぃぃ!!」


 俺は大声で頼む!今日は飲むぞ!ここでは日本の法律なんて関係ない!!


 「はいよ!お待ち」


 目の前にやって来た料理の山に俺達はがっついた。


 うん、うん、うん、仕事の後のメシは最高に旨い!


 ジューシーな肉がビールによく合う!サラダは新鮮で、パンは柔らかい。最高だ!あぁ涙が出てくる。メシって、こんなに旨かったんだ!!


 「じゃあ、今日の報酬の取り分だけど。スライムは私が四千でタケルが千でいいわね」
 「ああ、問題ない。スライムはほぼ全てお前が倒したからな」


 とりあえず。俺はスライム分の報酬千ゼノを受けとる。


 「次にヒップホースの報酬だけど、これは私、何もしてないから全部タケルのね。ちなみにこうゆうものは貢献どによって分配が変わるから文句は言わないこと」
 「オーケー!じゃあ、今日は俺の奢りだ!飲むぞ~!!」
 「ありがと~!!」


 その後も飲んで食べて飲んで食べてを繰り返し気がつけば高かった日差しも既に地平線の彼方へと消えていた。こちらは日が落ちらのが幾分か早い気がする。


 「うええぇぇぇぇ」


 俺達はただいま路地裏にいる。なぜかって、そりゃカインが吐いてるからだ。どうやらあんまり酒が強い訳ではなかったようだ。


 「ありがどう~だいぶよくなったよ」
 「明日はどうする?」
 「ん~。スキル、なんて覚えて見ようかな?したらもう少し楽に依頼こなせそうだし」
 「でも、スキルってどうやって覚えるんだ?」


 俺もスキルは覚えたい。だってスキルとか、めっちゃカッコいいじゃん!!それにスキルの使えない冒険者はただの冒険者だ!って誰かが言ってた気がする。


 「・・・」
 「え?知らない・・・とか?まさかね?」
 「いいじゃない別に!明日ギルドに行って聞いてこればいいの!」


 と、言うことで明日の予定決定~。(パチパチパチ)さ~明日の予定は。「タケル&カインスキルを覚える」の一本です!と、まあパクリみたいな事は置いといて、予定も決まったことだしカイン寝ることにするようだ。カインは、というのも俺はカインを宿まで送る途中良いところを見つけてしまったのだ。


 夜━━━それは大人の時間。
 夜━━━それは大人のお店が輝きだす時間。
 そう━━━━俺は見つけてしまったのだ!娼・館・を!


 「いらっしゃいませ、お客様年齢は幾つでしょうか」
 「15ですが」
 「お客様、申し訳ございません。当店では未成年18歳以下の方のご入店をお断りしておりますのでどうかお引き取りください」


 なんと!この世界に来てまで年齢で止められるとは・・・年齢という壁はどこまで高いんだ!!


 「チクショウ!!なぜなぜ神は俺の邪魔をする!なぜ俺ばかり・・・うぁぁぁ!頼むぅぅぅ!!少し、少しでいいんだ!!どうか、どうか俺に女神を!!」
 「何度言われてもルールなのでダメです!!しつこいと警備の騎士を呼びますよ」


 まだ俺は捕まるわけにはいかない!
 俺は諦めるとその日は渋々宿に戻った。




 

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