if中二病が異世界転移したら━改訂版━
18話 宮廷魔術師団入団4
「原子の操作です」
「やはりそうゆう系だったか。予想より凄いスキルだな、魔力消費はどうだかわかるかな」
「すみません、それはまだわからないですね」
「まあなんだ。これは秘密にしておいた方がいいかもしれないな」
「そうですね」
正直このスキルは危険過ぎると思う。このスキルで金を造り出したらどうだろう。たちまち世界の貨幣価値が変化してしまう。それくらいに危険なのだ。それどころか素材さえ解ればあの世界一の硬度をほこるとされている神聖石すらも精製できると云うことなのだから。
「終わった見たいだな」
「あぁ丁度今さっきね」
「そうか。此方も用は済ませて来たから帰るなら送るが」
外をみてみると既に日が落ちていた。まあ街灯があるから全く暗くはないのだけどね。
「では失礼させていただきます」
「またいつでも来てくれて構わないからね。気をつけて帰るんだよ」
「はい」
俺達は挨拶を交わすと高須さんの家を後にした。
「そう言えばあれは聞いたか?」
「あれとは?」
「地獄の業火の王って言う名前をさ。今でこそ鬼神なんて呼ばれてが以前はそんな事を自称するいわゆる中二病というやつだったんだよ。だからか今その名前を団長の前で言うと頭を抱えて転がり回るんだ」
ああ所謂黒歴史と云うやつか。そりゃそんな恥ずかしい二つ名を名乗っていたのなら転げ回りたくもなるだろう。可愛そうに触れないであげて欲しい。
全くもってブーメランなのだが、まあそれはいつか気がつくだろう。というかか気がつくことを切に願う。
「聞かなかったことにしておきます‥‥‥」
「なんだ、つまらん奴だな」
それからは特に話すこともなく門を抜けた。
「では私はこれで、そうだ。最後にこれを渡さなくてはな」
そう言って梟に剣の意匠が施されたペンダントを渡してきた。
「これは?」
「それは宮廷魔術師団の団員である証だ。絶対になくすなよ」
「わかりました」
俺は門を出たところで別れると一人宿り戻った。帰ったら家をどうするか考えないと‥‥‥
宿に戻るとなぜかランベルトがケイと飲んでいた。
「おう、お帰り」
「よく帰ったな。今なんか持ってくるからまっててくれ」
「ただいま」
「どうだったよ」
「ん、色々凄かった。まあ一番驚いたのはランベルトが貴族だったってことだな」
「なんだよ、俺は貴族に見えねぇか」
「どこの世界にこんなヤンキーみたいな貴族がいるんだよ」
「ちがいねぇや。これでも伯爵なんだぜ俺」
「は!?伯爵?これはあれだな世界一柄の悪い伯爵だな」
驚いた。まさか伯爵だったとは、伯爵と言ったら侯爵の次に高い位のはずだ。いや、でも団長ならそれくらいなのか?
「だいたいよ、お前だって貴族なんだぞ」
「実感湧かないな」
「だろ、俺達の位なんて名前ばっかりだからな。ようは下手な奴に利用されないための位なんだよ」
「へ~」
まあ確かに団長が賄賂なんかで買われてクーデターでも起こされたらたまったもんじゃないからな。
と、そうだ丁度いいし家の話でも相談してみるか。
「なあ話しは変わるけどランベルトはなんで北区に住んでないんだ?」
「ん、そうか家をもらえるんだったな。そりゃあんな所にいたら疲れるだろ、だからだ」
「確かに疲れるだろうけど‥‥‥まあそうだな」
「竜次はどうすんだ?」
「悩んでて、家は欲しいけどこっちの皆と離れたくはないんだよ」
「そんな事ならこっちに家を貰えば良いじゃねぇか」
「あ、それもそうか。何も向こうに住めってんじゃないもんな」
そうだよな。あんな感じの家だって言われただけで、別にあそこに住めって言われたんじゃなかったんだった。
それにランベルトなら団長だしなんとかしてくれるだろ。これぞ奥義〝他力本願!〟なんてな。
これで全て解決、ゆっくり寝られる。
「すまん、疲れたからもうねるわ」
「おいおい、これぐらい食ってけよ」
「すっかり忘れてたわ。ありがと」
俺はケイの用意した串焼きとパン、スープを食べてお酒を少し飲むと部屋に戻った。
「さて、明日はデモクリトスでも試して見るか」
俺はもう慣れた手つきでたらいにお湯を張るとタオルを沈める。そしてタオルを絞るとそれで体を拭った。
できれば貰える家にはお風呂が付いていることを願う。
体を拭い終えると俺は服を来て布団の上に横になりそっと目をとじた。
次の日俺は服が出来上がるまで山に来ていた。理由はもちろん昨日手に入れたスキル万物の根源は原子の能力を試すためだ。
まずは簡単な実験からと、言いたいところだが考えてみてくれ俺は元高校一年生だ。そんなに化学変化について詳しくはない。知っているのはどれもアルコールランプを使った実験だけだ。だから、俺がやる実験は創作だ。
取り敢えず木を切る。方法としては木を構成している元素どうしの繋がりを切るといった感じだろうか。
ん~頭で解っていてもよくわからん。
てい!おりゃ!とぅっ!スパッ!
ん、全くもって切れる気配がしない。てか原子の操作とか俺には難しすぎだろ。もっと使い勝手が良ければ‥‥‥
《では私が補助致しましょうかマスター》
〝は?そんな事できんの?〟
《はい。補助と言ってもマスターの視界に原子を捉えるという機能を追加させる事と、マスターの起こしたい事象をマスターの記憶と私の中の本を頼りに起こすというだけですが》
〝十分だ!頼む〟
《了解致しました。では少しばかり頭痛が起こるかも知れませんがご注意を》
 〝へ?〟
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
〝ちょ、ギブ、マジ死ぬ。おま、俺を殺す気か!?〟
《大丈夫です。これでは死にませんので》
〝いや、意味わかんから〟
で、暫くしてようやく解放された俺は暫くの放心状態を余儀なくされた。
〝おま、死ぬかと思ったわ!〟
《死んでないじゃないですか。なにか問題でも》
〝あるよ!大ありだよ!人間は精密機械なの!あんなことして壊れたらどうするんだよ〟
《でしたら、叩いて治すとか?》
〝いや、叩くな!叩いても治らねぇよ!てか叩く手がないだろお前!〟
《はて?確かに手はありませんが‥‥‥というよりも機械とは叩いて治す物では?マスターの知識にもそうありました》
〝いや確かにそうゆうのもあるけど、あれはデマ。嘘、叩いたら機械はよりいっそう壊れるの!〟
《了解しました》
はぁ‥‥‥なんか、物凄く疲れた。てかタカスギの相手をした後って物凄く疲労している気がする。主に精神が。
さて、気を取り直して木をみてみる。なにも変わってないようだが━━━━あ、すげぇ。
とんでもない能力だ。木の構成をみたいと思った瞬間脳裏にはっきりと原子が映ったのだ。
あとはこれを切るだけなのだが、取り敢えず原子と原子の間に線を引くイメージをしてみる。
「ん~やっぱりなにも変わらないか」
そう木に寄りかかろうとした瞬間、物凄い音を発てて木が倒れた。
「おぅ、凄いなこりゃ」
倒れたのはさっきイメージで線を引いたやつだった。切り口はツルツルしておりささくれなど一つも出来ていなかった。
「取り敢えず成功か‥‥‥」
「やはりそうゆう系だったか。予想より凄いスキルだな、魔力消費はどうだかわかるかな」
「すみません、それはまだわからないですね」
「まあなんだ。これは秘密にしておいた方がいいかもしれないな」
「そうですね」
正直このスキルは危険過ぎると思う。このスキルで金を造り出したらどうだろう。たちまち世界の貨幣価値が変化してしまう。それくらいに危険なのだ。それどころか素材さえ解ればあの世界一の硬度をほこるとされている神聖石すらも精製できると云うことなのだから。
「終わった見たいだな」
「あぁ丁度今さっきね」
「そうか。此方も用は済ませて来たから帰るなら送るが」
外をみてみると既に日が落ちていた。まあ街灯があるから全く暗くはないのだけどね。
「では失礼させていただきます」
「またいつでも来てくれて構わないからね。気をつけて帰るんだよ」
「はい」
俺達は挨拶を交わすと高須さんの家を後にした。
「そう言えばあれは聞いたか?」
「あれとは?」
「地獄の業火の王って言う名前をさ。今でこそ鬼神なんて呼ばれてが以前はそんな事を自称するいわゆる中二病というやつだったんだよ。だからか今その名前を団長の前で言うと頭を抱えて転がり回るんだ」
ああ所謂黒歴史と云うやつか。そりゃそんな恥ずかしい二つ名を名乗っていたのなら転げ回りたくもなるだろう。可愛そうに触れないであげて欲しい。
全くもってブーメランなのだが、まあそれはいつか気がつくだろう。というかか気がつくことを切に願う。
「聞かなかったことにしておきます‥‥‥」
「なんだ、つまらん奴だな」
それからは特に話すこともなく門を抜けた。
「では私はこれで、そうだ。最後にこれを渡さなくてはな」
そう言って梟に剣の意匠が施されたペンダントを渡してきた。
「これは?」
「それは宮廷魔術師団の団員である証だ。絶対になくすなよ」
「わかりました」
俺は門を出たところで別れると一人宿り戻った。帰ったら家をどうするか考えないと‥‥‥
宿に戻るとなぜかランベルトがケイと飲んでいた。
「おう、お帰り」
「よく帰ったな。今なんか持ってくるからまっててくれ」
「ただいま」
「どうだったよ」
「ん、色々凄かった。まあ一番驚いたのはランベルトが貴族だったってことだな」
「なんだよ、俺は貴族に見えねぇか」
「どこの世界にこんなヤンキーみたいな貴族がいるんだよ」
「ちがいねぇや。これでも伯爵なんだぜ俺」
「は!?伯爵?これはあれだな世界一柄の悪い伯爵だな」
驚いた。まさか伯爵だったとは、伯爵と言ったら侯爵の次に高い位のはずだ。いや、でも団長ならそれくらいなのか?
「だいたいよ、お前だって貴族なんだぞ」
「実感湧かないな」
「だろ、俺達の位なんて名前ばっかりだからな。ようは下手な奴に利用されないための位なんだよ」
「へ~」
まあ確かに団長が賄賂なんかで買われてクーデターでも起こされたらたまったもんじゃないからな。
と、そうだ丁度いいし家の話でも相談してみるか。
「なあ話しは変わるけどランベルトはなんで北区に住んでないんだ?」
「ん、そうか家をもらえるんだったな。そりゃあんな所にいたら疲れるだろ、だからだ」
「確かに疲れるだろうけど‥‥‥まあそうだな」
「竜次はどうすんだ?」
「悩んでて、家は欲しいけどこっちの皆と離れたくはないんだよ」
「そんな事ならこっちに家を貰えば良いじゃねぇか」
「あ、それもそうか。何も向こうに住めってんじゃないもんな」
そうだよな。あんな感じの家だって言われただけで、別にあそこに住めって言われたんじゃなかったんだった。
それにランベルトなら団長だしなんとかしてくれるだろ。これぞ奥義〝他力本願!〟なんてな。
これで全て解決、ゆっくり寝られる。
「すまん、疲れたからもうねるわ」
「おいおい、これぐらい食ってけよ」
「すっかり忘れてたわ。ありがと」
俺はケイの用意した串焼きとパン、スープを食べてお酒を少し飲むと部屋に戻った。
「さて、明日はデモクリトスでも試して見るか」
俺はもう慣れた手つきでたらいにお湯を張るとタオルを沈める。そしてタオルを絞るとそれで体を拭った。
できれば貰える家にはお風呂が付いていることを願う。
体を拭い終えると俺は服を来て布団の上に横になりそっと目をとじた。
次の日俺は服が出来上がるまで山に来ていた。理由はもちろん昨日手に入れたスキル万物の根源は原子の能力を試すためだ。
まずは簡単な実験からと、言いたいところだが考えてみてくれ俺は元高校一年生だ。そんなに化学変化について詳しくはない。知っているのはどれもアルコールランプを使った実験だけだ。だから、俺がやる実験は創作だ。
取り敢えず木を切る。方法としては木を構成している元素どうしの繋がりを切るといった感じだろうか。
ん~頭で解っていてもよくわからん。
てい!おりゃ!とぅっ!スパッ!
ん、全くもって切れる気配がしない。てか原子の操作とか俺には難しすぎだろ。もっと使い勝手が良ければ‥‥‥
《では私が補助致しましょうかマスター》
〝は?そんな事できんの?〟
《はい。補助と言ってもマスターの視界に原子を捉えるという機能を追加させる事と、マスターの起こしたい事象をマスターの記憶と私の中の本を頼りに起こすというだけですが》
〝十分だ!頼む〟
《了解致しました。では少しばかり頭痛が起こるかも知れませんがご注意を》
 〝へ?〟
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
〝ちょ、ギブ、マジ死ぬ。おま、俺を殺す気か!?〟
《大丈夫です。これでは死にませんので》
〝いや、意味わかんから〟
で、暫くしてようやく解放された俺は暫くの放心状態を余儀なくされた。
〝おま、死ぬかと思ったわ!〟
《死んでないじゃないですか。なにか問題でも》
〝あるよ!大ありだよ!人間は精密機械なの!あんなことして壊れたらどうするんだよ〟
《でしたら、叩いて治すとか?》
〝いや、叩くな!叩いても治らねぇよ!てか叩く手がないだろお前!〟
《はて?確かに手はありませんが‥‥‥というよりも機械とは叩いて治す物では?マスターの知識にもそうありました》
〝いや確かにそうゆうのもあるけど、あれはデマ。嘘、叩いたら機械はよりいっそう壊れるの!〟
《了解しました》
はぁ‥‥‥なんか、物凄く疲れた。てかタカスギの相手をした後って物凄く疲労している気がする。主に精神が。
さて、気を取り直して木をみてみる。なにも変わってないようだが━━━━あ、すげぇ。
とんでもない能力だ。木の構成をみたいと思った瞬間脳裏にはっきりと原子が映ったのだ。
あとはこれを切るだけなのだが、取り敢えず原子と原子の間に線を引くイメージをしてみる。
「ん~やっぱりなにも変わらないか」
そう木に寄りかかろうとした瞬間、物凄い音を発てて木が倒れた。
「おぅ、凄いなこりゃ」
倒れたのはさっきイメージで線を引いたやつだった。切り口はツルツルしておりささくれなど一つも出来ていなかった。
「取り敢えず成功か‥‥‥」
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