if中二病が異世界転移したら━改訂版━

ノベルバユーザー313493

12話 騎士団入団試験2

 次に表れたのは一角熊だ。最初の頃倒した奴である。こいつ実は角から高威力の電撃を広範囲に放ってくる厄介奴らしいが、あのときはおそらく油断したいたのだろう。そうでなければ俺は間違いなく死んでいた相手だ。
 が、今は違う。奴の毛は固く丈夫だ。ミスリルの刀なら難なく斬ることが出来るがそれでは面白くない。そこでだ。奴の弱点は背中だ。背中には硬い毛がないのでそこなら普通の刀でも通る。俺は電撃を撃たれる前には脚に魔力を集中さて高速で移動すると背中に一刀を入れた。試験管なんかもうあいた口が塞がらないようだ。別に一角熊が特別強かったわけではない。それ以外、魔装術に問題があるのだ。実はこれ、使える人が少ししかいないらしくとても珍しいのだとか、それで試験管は驚いているのだろう。


 「次、お願いします」
 「‥‥‥」


 ?流石に驚きすぎだろ。


 「次は?」
 「っあ、いや。もういい。文句無しの合格だ。技術だけなら既に騎士団長補佐並かそれ以上だろう。まさかこんな逸材が露らるとは‥‥‥。では結果を発表する。合格者は90、91、92、93、94‥‥‥108、110、111番だ。他のものは帰っていいぞ。また腕を磨いて来てくれ!合格した者は闘技場中央の舞台に集まるように」


 結果を聞くと俺達はぞろぞろと目的の場所へ向かう。


 「え~ではこれより入団式を始める。まずは私から自己紹介をしておこうか。私は騎士団長のジン・シェオファだ。よろしく頼む。ちなみに左にいる赤髪のきの強そうな女が騎士団長補佐まぁ服団長だな。の、レイサだ。でその隣のデカイ奴も騎士団長補佐のセドだ。さて取り敢えずおめでとう、と言って置こうかな。君たちはこれよりレヴィナス帝国の騎士となる。この国の騎士に重要な心構えは一つ!人を思いやり大切にする。それに限る。そいつを確りと胸に刻み日々精進するように!私からは以上だ。あとはレイサから説明する」
 「先程紹介されたが私はレイサだ。一応これからは君達の上司にあたる。まずは騎士団の位と大まかな人数から説明しよう。騎士団は現在団長をトップとして、団長補佐二人、騎士団長直属騎士百人、騎士団長補佐直属騎士が私と、セドに百人づつの計二百人。一等将校約千人、二等将校約五千人、三等将校約一万人、一等騎士約五万、二等騎士約七万、三等騎士約十万の計約二十二万いる。しかし、帝都にその全てがいるわけではない。勿論地方にもいるわけだ。我々は常に人手不足だ。だから君たちには大いに期待している。日々の訓練を確りとこなしいち早く騎士団として活動出来るように精進してくれたまえ。そこで早速だか来週より強化遠征を行う。武器、食料等はこちらで準備する。この後名前と使用武器の報告にくるように。残りはおいおい、説明する。これで解散だが111番はこの後私の元へ来るように。では解散!」


 これは確実にあれだ。めんどくさいやつ。あぁ、憂鬱だ。別に目立つのが嫌なわけではない。むしろ目立ちたいくらいだけど、そのせいで面倒なことになるのはゴメンだ。しかし、騎士団に入った以上上司の言うことは聞かなければならないので取り敢えず向かう。


 「あの、111番の間宮竜次です」
 「よく来てくれた間宮くん。君の試験は見させて貰ったよ。まさか魔装術を使うとは思わなかった。あれは騎士団の中でも使える人が限られる。恐らく私とセド。あとは団長位だろう。しかもあの練度となると団長以外では勝てるものはこの騎士団には・・・・・・・いないだろう。そこでだ、一つ私と勝負してみてはくれないか。間近で実力を試してみたい。もし私が勝ったら君は私の直属の部下として騎士団長補佐直属騎士になってくれ。もし君が勝ったら宮廷魔術師団へのキップをプレゼントしよう」
 「ん、宮廷魔術師団とは何ですか?」
 「宮廷魔術師団は団長、団長補佐、宮廷魔術師団のメンバーと一部の貴族しか公には知らない。部隊だ。彼らは全員が団長補佐クラスでその数も少ない。そして彼らの仕事は皇帝の護衛。言うなれば皇帝直属の部隊だ。騎士団への指令権は帝国が持っているが、魔術師団への指令権は皇帝が持っている。そうゆう事だ」
 「それなら別に俺はレイサさんの部下でいいのですが」
 「だから、それでは困るんだ。もし君が私より強かったならばいざというときの指揮が乱れかねない。そうゆう理由で勝負をしたいんだ。だから手加減はするなよ」
 「‥‥‥そうゆうことならわかりました。全力で行かせて貰います」


 俺達は誰もいない場所に行く。


 「じゃあルールはなし、なんでもありの一本勝負。投げたコインが地面に落ちたら試合開始。いいね?」
 「はい!」


 俺が頷くとレイサさんはコインを上に投げた。そして地面に落ちて音が鳴る。試合開始だ。


 「行きますっ!!」


 一気に踏み込んできた。なかなかに速いけど━━━━脚に魔力を集中して高速で回避するとそのまま上段から振り下ろす。それを寸前のところで避けるとそのまま懐に入って更に一撃を入れてきた。刀で受けるが重い、受けた刀ごと弾かれてしまった。そしてレイサはそのまま追撃を仕掛けてくる。右、左、右、右、上、右、と時々フェイントを混ぜながら怒濤の剣撃を繰り出してくる。


 「あなたはこの程度ですかっ!」


 今度はわざと攻撃を受けてそのまま勢いを後ろに飛び退くことで殺し距離をとる。そして刀に魔力を纏わせると、足しに魔力を集中させて一気に爆発。その力で一気に肉薄すると刀を下段から切り上げる。それを受けた剣は半ばからスパッと切れてしまった。


 「これはダメですね。やはり全く相手になりませんでしたか」
 「いえ、そんな事はなかったと思いますが」
 「いいえ、私の完敗よ。そもそも私はあのスピードで限界だった。それに間宮くんみたいに剣に魔力を纏わせることはできないからどうやっても勝てなかったわ。さて、それじゃあ約束通り話を通しておくわ」
 「その必要はねぇぞ」
 「どうしたんだランベルト」
 「どうしたんだじゃねぇ、俺が試験してやるヒナタあれ使っていいだろ」
 「ダメです。と、言いたいところですが確かにあれがなければ勝負にもならなさそうですしね。それに面白いのをみせてくれたので特別に許可します」
 「よっしゃ!よし、竜次ちょっとばかし待ってろ。すぐくるから」


 そう言って何処かへ行ってしまった。


 おいおい、何がなんだかヒナタって誰だよ。ってか何しにきだよ。いやなんとなくわかるけど、わかるけどなんなんだよ!


 「まさか、〈神速〉が試験をするんですか‥‥‥」
 「なにか問題?」
 「いえ、そんな事はございません」
 「ならいいです」


 怖!なにあのヒナタって人。めっちゃ怖いんですけど。


 「おいおい、あんま苛めんなよ~〈修羅のヒナタ〉さん」


 そういいながら赤い双剣を持ったランベルトが戻ってきた。


 「おい、ランベルト貴様喧嘩売ってんのか?その名で呼ぶなと言ってるだろ!」
 「わりわり、そうかっかするなって。〈修羅〉」
 「ほう、いい度胸だ。その喧嘩買ったぞ!!」
 「なぁ、いいか。なんでランベルトと俺が戦う流れになってんだ?」
 「そりゃあ俺が試験の相手をするからだよ。ちなみに試験管はそこのヒナタだ」
 「あっ、初めまして間宮竜次ですよろしくお願いいたします」
 「よろしくな。私はニヒル・ヒナタだ。ちなみに私は宮廷魔術師団第二団の団長だ。そこの第三団の団長とは比べ物にならないくらい強くて優しくて偉いんだぞ」


 へぇ~、そうなっだ。ってかランベルトってやっぱり凄い偉い人だったんだな。通りで銭湯のとか作れるわけだ。


 「ルールは簡単だ。どちらかが相手を先に戦闘不能にした方が勝ちだ。では初め!」




 


 

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