ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。
8話 僕と大晦日
ヤルタさん達が来てから二ヶ月が経ち、無事使用人用の家も完成して今では塀も作り替え家相応のものになった。
「どうですか」
「もう少しです」
今日で今年も終わりだ。と、言うことでおせちを用意してもらってる。この世界にもお正月というのがあるらしくおせちも普通に食べられていたからフランシェルさんに作ってもらうようにお願いしたのだ。
「里帰りとか良かったんですか?」
「ええ、私はあの家が嫌で出たので」
「なるほど、ここはお願いしていいですか」
「ええ、もちろんです」
さて、作らなきゃいけない大事なものがある。蔵から木を取り出した。鋸と鑿、玄翁を取り出す。最初に大雑把に木の周りを切っていく。それが終わると鑿と玄翁をとりだし木の真ん中から徐々に半円状になるように削っていった。
「旦那様何を作ってるんですか?」
「あぁ、臼を作ってるんですよ、後で杵も作ります」
「へぇ~聞いたことない名前ですね。何か道具ですか」
「餅という食べ物を作るための道具です」
そう、今年はこれをやるのだ。静岡の温泉での体験でやって以来は楽しさと出来立てのお餅の美味しさにはまってしまって、さすがに臼などは買えなかったけど餅つき器を買って毎年食べていたものだ。この世界に来てからもそれを食べたいと思ったのだ。
「へぇ~何か手伝えることはありますか」
そうだな、杵を作るのでも手伝ってもらおうかな、大雑把にならやってもらっていいだろう。あとの整形を自分ですればいいのだし。
「じゃあこの木を棒状に切り出して貰えますか」
「了解です」
鋸を渡して丸太から棒を切り出して貰う。おかげで早く形はできた。
「さすがにこのままもったら痛いか」
「そうですね、あとささくれなんかも刺さってしまうかもしれませんよ」
「確かに」
と、言うことで魔法の出番だ。
【砂嵐】
掌に極小で密度の高い砂嵐を発生させ、棒の側面に当てる。するとみるみるうちに角が取れて行きつるつるになった。杵の槌の部分もツルツルにした。臼の中は言うまでもないが、今さらかもしれないけど、これで削った方が速かったのではと思ってしまう。最後に棒と槌の部分を繋げて完成だ。
「これで準備は殆ど終わりかな」
屋敷のリビングに行くとココナとマヤが楽しそうに話していた。
元から二人とも知り合いだったらしく仲良くしていたのだが、最近は妙な結託まで見せてより仲良くなっていた。
「家の方は大丈夫?」
ココナは昨日まで家に帰って掃除をしていたのだ。あとマヤにはタメで話すのに自分には敬語を使うのは不公平だと騒がれたので話し方を変えた。何が不公平なのかよくわからないけど。
「もうすっかり片付きました」
「それは良かった」
「マヤは良かったんですか」
「ええ、私は特にやることはないから」
と、言うことだ。年越しはこの家でして2日目にお城に行くのだ。なんでも新年の挨拶に行かなければならないらしい。他にも今回は上位貴族、伯爵以上の爵位の人が集まって行う会議にも出席する必要がある。なんでも重要な話があるそうなのだ。
「なるほど」
まぁ確かにお城なら部屋なんて毎日メイドさんが掃除をしてくれてるから今さら気合いを入れてやる必要もないからな。実際我が家だってメイドさん達がやってくれてるし。
「暇だ~」
確かにやることがなくなったら暇だ。この世界には基本娯楽というものはあまりないし、必要な物は全て買ってきてあるから特に転移する用事もないし。
「そしたらさ、一緒に蕎麦でも打たない?」
「それもいいかも。私やったことないから楽しみだわ」
「私もです」
この世界には蕎麦はなかったのだ。ただ、たまたま朝森のなかを走っていたら蕎麦の花を見つけて、それをもって帰ってきて植えたのだ。
「じゃあ、まずはこれを砕いて粉にして」
そう言って薬研を3つ取り出して渡す。そしてお手本を見せるように蕎麦の実を少量づついれながら砕いていく。
「うっ、これなにげに腰にくるわね」
「おばさんかよっ!」
「ひどっ!私をおばさん呼ばわりするとかあり得ない」
「痛っ、うぅ~」
そう言ってココナが指をくわえている。どうやら蕎麦の実をいれるときに誤って自分の指もすってしまったらしい。相変わらずのドジッぷりだ。
「も~なにやってんの、みせてみな」
そういうとマヤが指をみて回復魔法をかけていた。それからも何度か指を巻き込む人がいたが無事全てを粉にすることができた。
それらをボールにいれると厨房に行く。
「少し場所かりますね」
「わかりました、何か手伝うことがあれば言ってください」
と、言うことで場所をかりる。自分でひいた蕎麦粉につなぎ粉を混ぜてそこに水を少量加えて捏ねていく。
「コネコネ~コネコネ~」
ココナは楽しそうに鼻唄を歌いながら捏ねている。しっかりと粉が纏まったら麺棒で伸ばす。
「のびのび~のびのび~」
また歌っているのもココナだ。実に楽しそうだ。それに引き換えマヤは捏ねてるときから真剣そのものの目付きで集中していた。
「じゃああとはこれくらいの大きさに切り揃えて終わりです」
そう言って実践して見せる。今回もココナはトン、トン、トンとリズム良く同じ太さに切っていくが、マヤはトン、○、トン、○、トンと間が長い。おかげでココナが、切り終わった頃でもまだ半分くらい残っていた。
「よし」
「できた~」
「疲れた」
「なにげに体力使いましたね」
「初めてだったからよけい」
「私は寝てくるよ。疲れた」
そう言って一人部屋に行ってしまった。実際かなり疲れたけど、そこまでではなかったような。
「僕は運動がてら隣の村に行ってきますけどどうします?」
「う~ん、私は部屋で研究でもしてこようかな」
「了解です」
門番のクロさんとシューディールさんに挨拶をして屋敷をでる。西に走ること数分、目的の村に到着した。
「おや、最近はよく来るね」
「そうですか?」
「そうだよ、前に来たのは5日ほど前だったかな」
そんなに来ていたか、
「いつものでいいのかい」
「はい」
奥に行くと荷車に乗せてミルクを持ってきてくれた。
「はい、お代です」
「あいよ、これはおまけさね。明日にでも食べるといいさ」
そういって、大きな霜降りのブロック肉をくれた。とても美味しそうだ。
「こんなに―――――ありがとうございます!」
「いいんだよ、最近は英雄御用達のミルクとしてミルクだけでも売ってるからね、むしろそっちの方がよく売れるんだよ」
「そうなんですか」
僕の知らないところで色々とブランドの名前にされているみたいだ。英雄の卵に英雄のミルク、そのうち英雄の肉とか出てきそうだ。
「じゃあ、僕からも」
蔵から大きなフロック海老を3匹取り出した。これはフロック領は港町が発達していて海産物が特産だ。この前マヤに連れていってもらって魚を購入してきたついでに何匹か買ったのだ。
「こんなに、いいのに」
「お返しです。貰ってばっかじゃ悪いですから。家族で食べてください」
「悪いね。それじゃ遠慮なく貰うよ」
「ええ、そうしてください」 
ミルクを手にいれると家に帰った。
「どうですか」
「もう少しです」
今日で今年も終わりだ。と、言うことでおせちを用意してもらってる。この世界にもお正月というのがあるらしくおせちも普通に食べられていたからフランシェルさんに作ってもらうようにお願いしたのだ。
「里帰りとか良かったんですか?」
「ええ、私はあの家が嫌で出たので」
「なるほど、ここはお願いしていいですか」
「ええ、もちろんです」
さて、作らなきゃいけない大事なものがある。蔵から木を取り出した。鋸と鑿、玄翁を取り出す。最初に大雑把に木の周りを切っていく。それが終わると鑿と玄翁をとりだし木の真ん中から徐々に半円状になるように削っていった。
「旦那様何を作ってるんですか?」
「あぁ、臼を作ってるんですよ、後で杵も作ります」
「へぇ~聞いたことない名前ですね。何か道具ですか」
「餅という食べ物を作るための道具です」
そう、今年はこれをやるのだ。静岡の温泉での体験でやって以来は楽しさと出来立てのお餅の美味しさにはまってしまって、さすがに臼などは買えなかったけど餅つき器を買って毎年食べていたものだ。この世界に来てからもそれを食べたいと思ったのだ。
「へぇ~何か手伝えることはありますか」
そうだな、杵を作るのでも手伝ってもらおうかな、大雑把にならやってもらっていいだろう。あとの整形を自分ですればいいのだし。
「じゃあこの木を棒状に切り出して貰えますか」
「了解です」
鋸を渡して丸太から棒を切り出して貰う。おかげで早く形はできた。
「さすがにこのままもったら痛いか」
「そうですね、あとささくれなんかも刺さってしまうかもしれませんよ」
「確かに」
と、言うことで魔法の出番だ。
【砂嵐】
掌に極小で密度の高い砂嵐を発生させ、棒の側面に当てる。するとみるみるうちに角が取れて行きつるつるになった。杵の槌の部分もツルツルにした。臼の中は言うまでもないが、今さらかもしれないけど、これで削った方が速かったのではと思ってしまう。最後に棒と槌の部分を繋げて完成だ。
「これで準備は殆ど終わりかな」
屋敷のリビングに行くとココナとマヤが楽しそうに話していた。
元から二人とも知り合いだったらしく仲良くしていたのだが、最近は妙な結託まで見せてより仲良くなっていた。
「家の方は大丈夫?」
ココナは昨日まで家に帰って掃除をしていたのだ。あとマヤにはタメで話すのに自分には敬語を使うのは不公平だと騒がれたので話し方を変えた。何が不公平なのかよくわからないけど。
「もうすっかり片付きました」
「それは良かった」
「マヤは良かったんですか」
「ええ、私は特にやることはないから」
と、言うことだ。年越しはこの家でして2日目にお城に行くのだ。なんでも新年の挨拶に行かなければならないらしい。他にも今回は上位貴族、伯爵以上の爵位の人が集まって行う会議にも出席する必要がある。なんでも重要な話があるそうなのだ。
「なるほど」
まぁ確かにお城なら部屋なんて毎日メイドさんが掃除をしてくれてるから今さら気合いを入れてやる必要もないからな。実際我が家だってメイドさん達がやってくれてるし。
「暇だ~」
確かにやることがなくなったら暇だ。この世界には基本娯楽というものはあまりないし、必要な物は全て買ってきてあるから特に転移する用事もないし。
「そしたらさ、一緒に蕎麦でも打たない?」
「それもいいかも。私やったことないから楽しみだわ」
「私もです」
この世界には蕎麦はなかったのだ。ただ、たまたま朝森のなかを走っていたら蕎麦の花を見つけて、それをもって帰ってきて植えたのだ。
「じゃあ、まずはこれを砕いて粉にして」
そう言って薬研を3つ取り出して渡す。そしてお手本を見せるように蕎麦の実を少量づついれながら砕いていく。
「うっ、これなにげに腰にくるわね」
「おばさんかよっ!」
「ひどっ!私をおばさん呼ばわりするとかあり得ない」
「痛っ、うぅ~」
そう言ってココナが指をくわえている。どうやら蕎麦の実をいれるときに誤って自分の指もすってしまったらしい。相変わらずのドジッぷりだ。
「も~なにやってんの、みせてみな」
そういうとマヤが指をみて回復魔法をかけていた。それからも何度か指を巻き込む人がいたが無事全てを粉にすることができた。
それらをボールにいれると厨房に行く。
「少し場所かりますね」
「わかりました、何か手伝うことがあれば言ってください」
と、言うことで場所をかりる。自分でひいた蕎麦粉につなぎ粉を混ぜてそこに水を少量加えて捏ねていく。
「コネコネ~コネコネ~」
ココナは楽しそうに鼻唄を歌いながら捏ねている。しっかりと粉が纏まったら麺棒で伸ばす。
「のびのび~のびのび~」
また歌っているのもココナだ。実に楽しそうだ。それに引き換えマヤは捏ねてるときから真剣そのものの目付きで集中していた。
「じゃああとはこれくらいの大きさに切り揃えて終わりです」
そう言って実践して見せる。今回もココナはトン、トン、トンとリズム良く同じ太さに切っていくが、マヤはトン、○、トン、○、トンと間が長い。おかげでココナが、切り終わった頃でもまだ半分くらい残っていた。
「よし」
「できた~」
「疲れた」
「なにげに体力使いましたね」
「初めてだったからよけい」
「私は寝てくるよ。疲れた」
そう言って一人部屋に行ってしまった。実際かなり疲れたけど、そこまでではなかったような。
「僕は運動がてら隣の村に行ってきますけどどうします?」
「う~ん、私は部屋で研究でもしてこようかな」
「了解です」
門番のクロさんとシューディールさんに挨拶をして屋敷をでる。西に走ること数分、目的の村に到着した。
「おや、最近はよく来るね」
「そうですか?」
「そうだよ、前に来たのは5日ほど前だったかな」
そんなに来ていたか、
「いつものでいいのかい」
「はい」
奥に行くと荷車に乗せてミルクを持ってきてくれた。
「はい、お代です」
「あいよ、これはおまけさね。明日にでも食べるといいさ」
そういって、大きな霜降りのブロック肉をくれた。とても美味しそうだ。
「こんなに―――――ありがとうございます!」
「いいんだよ、最近は英雄御用達のミルクとしてミルクだけでも売ってるからね、むしろそっちの方がよく売れるんだよ」
「そうなんですか」
僕の知らないところで色々とブランドの名前にされているみたいだ。英雄の卵に英雄のミルク、そのうち英雄の肉とか出てきそうだ。
「じゃあ、僕からも」
蔵から大きなフロック海老を3匹取り出した。これはフロック領は港町が発達していて海産物が特産だ。この前マヤに連れていってもらって魚を購入してきたついでに何匹か買ったのだ。
「こんなに、いいのに」
「お返しです。貰ってばっかじゃ悪いですから。家族で食べてください」
「悪いね。それじゃ遠慮なく貰うよ」
「ええ、そうしてください」 
ミルクを手にいれると家に帰った。
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