ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。
12話 僕とマーキュリー商会
「おはようございま~す」
まだ暗い店内の中へそろ~りと入っていく。
「おはようございます」
「わぁ!」
後ろから肩をぽんぽんされ、後ろを振り替えるとにやにやしたポパイさんがいた。
「もぉ~驚かさないで下さいよ」
「すみません、まるで泥棒のように店に入っていくので思わず」
そういうとはははと笑いながら明かりをつけていく。もちろん魔法なので僕も手伝う。
「あ、すみませんね」
「いえいえ」
「納品ですよね」
頷くと付いてくるように言われたので素直についていく。厨房の奥の扉をあけ地下に行く。そこには沢山の食材が保管されており、さらに室内はかなり寒く感じられた。よく見ると地面がうっすらと光っている。恐らく持続型魔方陣だろう。持続型魔方陣とは魔力を補充することで半永久的に効果を持続させられるというものだ。これは魔力がかなり必要で描くにも場所や気候などの条件によって形が変わってくるのでかなりの腕が必要なはずだが。
 
「これはココナ様に描いてもらったんですよ」
「なるほど、そうだったんですね」
僕が疑問に思っている事を答えられて少し驚いたが確かにココナなら描けるかもしれない。因みに僕には無理だ。さすが師匠は凄かったらしい。
「そうだ、すみません今回あまり用意できなくて750個しか用意できなくて」
「大丈夫です。今ある分でお願いします。あのスクランブルエッグが大盛況で1日でなくなってしまって、終いには予約されていくお客様までいるほどで」
「聞いていましたがまさかそこまでとは」
取り敢えず今ある750個を出した。
「748,749,750たしかに。そしたら38万クルシェンですね」
そう言って1万クルシェン硬貨を38枚渡してくる。
「多くないですか?37万5000程度かと」
「いいんですよ、予約料をとれたのでその分を少しプラスさせてもらっただけですから」
「そんな、ありがとうございます」
「いえいえ、商売は人間関係を大事に信頼第一ですから」
「なるほど、勉強になります」
そういうとそれは良かったと笑いながらそっと卵をしまい保管庫をでた。店を出ると冒険者組合に行く。恐らくまだだろうが取り敢えず行ってみる。
「北條様おはようございます。既に依頼の完了は確認されていますので。直ぐにでも報酬の受け取りは可能ですがどういたしますか」
「お願いします。それよりなぜ僕の名前を?」
「それは賢者様の唯一のお弟子様なのですから組合は注目しているのですよ」
なるほど、たしかに街に来るとココナが凄いということを実感する。この街にある魔方陣の殆どはココナが描いているのだ。更にこの街を守っている超大型積層式魔方陣もココナが考案したものなのだ。あんなんだが実はココナは凄いのだ。
受付で報酬の32万クルシェンと依頼の継続をお願いすると組合をでた。
「ヤバイなこれは落としたら最悪だ」
現在の所持金70万クルシェン小金持ちになってしまった。まあ殆ど蔵にしまってあるので落とすことはない筈だが。
取り敢えず仕事は全て終わったのでココナの家に向かう。
コンコンコン
扉をノックするとガタッという音と共にドンダンドダンと音ともに扉が開いた。
「司さん!」
「はい、そうですけど・・・大丈夫ですか?」
「あっ、ふぇ?」
扉から顔を見せたココナの髪はボサボサで服は肩がずり落ちていて胸が見えそうになってるし。正直いって目を向けられない。
ココナは自分の身なりを確認するとボッと顔を赤くして家の中に入っていった。
「リビングにでもいてください」
言われるがままリビングに行く。暫く考え事をしているとココナが戻ってきた。
「久しぶりです」
「お師匠様もお元気そうで何よりです」
「なんですかその変な挨拶は」
「変じゃないですよ!実際ココナは師匠なんですから、まぁふざけていましたけど」
「ほら~」
何がほら~なんだか。
「仕事はどうでしたか」
「順調といえば順調です。卵と依頼はすでに終えました」
「それは良かった。私は少し仕事が残ってて今日は一緒に出掛けられなくて、でも我が家だと思って寛いでくれていいので」
「ありがとうございます。そしたら少し出掛けて来ますね、欲しいものがあって」
そうやって来たの以前ココナと訪れた大商会の支店だ。たしか、そうそう、マーキュリーだ。
「すみません銅って置いてませんか」
「銅ですか?どの程度お探しで」
「100キロ程度」 
「なるほど、確認してきます」
店員さんは不思議そうな顔をすると奥に入っていった。恐らく倉庫に確認に行ってくれているのだろう。暫く待っていると店員さんが別の偉そうな、恐らく店長を連れて戻ってきた。
「こんにちは私、このマーキュリー商会会頭のヘルメスといいます」
おどろいた、まさか会頭が出てくるとは。
「どうされました?」
「失礼しました。まさかヘルメス様自ら出てこられるとは思わず。僕は北條司といいます」
ヘルメス様は好好爺といった風体だがその目は爛々とひかり若さと力強さがにじみ出ていた。
「これは、あなた様があの東の賢者ココナの弟子という司様ですか。私のような老骨に様などとはよして下さい。是非ヘルメスとお呼び下さい」
東の賢者?王都ではそういわれてるのか?
「そうゆうことでしたら僕の事も司でお願いします」
「わかりました。それで司さんは銅をお探しだとか」
「はい」
「理由を伺ってもかまいませんか?」
「ベッドを作ろうと思って」
「ベッドですか?ベッドならこの店でも取り扱っておりますが」
「少しいい考えがありまして、作ってみたいのです」
「なるほど、そうですな。現在この店には銅は20キロ程しかありません。なんでも司さんアイテムボックスが使えるそうで」
「確かに使えますがそれがなにか?」
よくそんな事まで知ってるな。
「一つ提案なのですが、フェノリアル領のギルスの街にあるマーキュリーの支店に行き店長マクフェイルと協力して商品を仕入れてきて頂けませんか、勿論お金はお支払いたします。あそこに行けば銅も沢山手に入ると思いますが、どうでしょう?」
腕を組んで考えてみる。ギルスという街の近くには確かに鉱山があるから向こうに行けば銅は手に入るだろう。しかしだ、ギルスの街はここから北西およそ1400キロの所にある。普通に行けば往復1ヶ月近くかかる。身体強化を使いノンストップで行ったとしても一週間くらいかかることになるだろう。流石にそれは・・・
「もし、受けていただければ銅のお代はお支払しなくても結構です」
ん?どういうことだ、流石にそれは話がうますぎるだろう。
「さすがにそれは話がうますぎでは」
「そうかも知れませんが私にも事情というものがあるのですよ」
なるほど、わからないけど向こうにも事情があると。確かに銅の分のお金がいらないとなるとこっちとしても助かる。
「わかりました。その依頼お受けさせていただきます」
「これは!それは良かった。では今すぐ組合に指名依頼を出しておきますのでよろしくお願いいたします」
それだけいうと店の奥に入っていった。
(これはココナに説明しなきゃな)
ココナの家に行き依頼について説明するとなぜかガッカリといった表情で見送られた。もしかしたらどこか行こうとしていたのかもしれない。もしそうだったら申し訳ない、こんど何か埋め合わせしなければ。
組合に行く前に少し考える。やはり少し遠すぎるのだ。身体強化を使い全速力で走ったとしても往復一週間、かかってしまうのだ。これをどうにかする方法は2つ考えてある。
一つは量子テレポーテーションの原理を応用した転移魔法を開発し使うという方法だ。しかしこれは一歩間違えば死ぬ危険がある。流石にお使い系の依頼で死ぬのは御免だ。
もう一つは賭けだが上空一万メートルまで飛びそこからジェット気流に乗って行けばもしかしたら3日程度で往復出来るかもしれない。ただしこれはジェット気流があることと、西へ吹いているという事が前提条件だ。これが崩れたら素直に走って行くしかない。
組合に行き森の監視の依頼の中断とお使いの依頼の手続きを済ませると急いで家に戻った。あそこはちょうどここから北にあり、またギルスの街の東側になるのでちょうどいいのだ。
(さあ、どれだけ早く帰ってこれるか)
まだ暗い店内の中へそろ~りと入っていく。
「おはようございます」
「わぁ!」
後ろから肩をぽんぽんされ、後ろを振り替えるとにやにやしたポパイさんがいた。
「もぉ~驚かさないで下さいよ」
「すみません、まるで泥棒のように店に入っていくので思わず」
そういうとはははと笑いながら明かりをつけていく。もちろん魔法なので僕も手伝う。
「あ、すみませんね」
「いえいえ」
「納品ですよね」
頷くと付いてくるように言われたので素直についていく。厨房の奥の扉をあけ地下に行く。そこには沢山の食材が保管されており、さらに室内はかなり寒く感じられた。よく見ると地面がうっすらと光っている。恐らく持続型魔方陣だろう。持続型魔方陣とは魔力を補充することで半永久的に効果を持続させられるというものだ。これは魔力がかなり必要で描くにも場所や気候などの条件によって形が変わってくるのでかなりの腕が必要なはずだが。
 
「これはココナ様に描いてもらったんですよ」
「なるほど、そうだったんですね」
僕が疑問に思っている事を答えられて少し驚いたが確かにココナなら描けるかもしれない。因みに僕には無理だ。さすが師匠は凄かったらしい。
「そうだ、すみません今回あまり用意できなくて750個しか用意できなくて」
「大丈夫です。今ある分でお願いします。あのスクランブルエッグが大盛況で1日でなくなってしまって、終いには予約されていくお客様までいるほどで」
「聞いていましたがまさかそこまでとは」
取り敢えず今ある750個を出した。
「748,749,750たしかに。そしたら38万クルシェンですね」
そう言って1万クルシェン硬貨を38枚渡してくる。
「多くないですか?37万5000程度かと」
「いいんですよ、予約料をとれたのでその分を少しプラスさせてもらっただけですから」
「そんな、ありがとうございます」
「いえいえ、商売は人間関係を大事に信頼第一ですから」
「なるほど、勉強になります」
そういうとそれは良かったと笑いながらそっと卵をしまい保管庫をでた。店を出ると冒険者組合に行く。恐らくまだだろうが取り敢えず行ってみる。
「北條様おはようございます。既に依頼の完了は確認されていますので。直ぐにでも報酬の受け取りは可能ですがどういたしますか」
「お願いします。それよりなぜ僕の名前を?」
「それは賢者様の唯一のお弟子様なのですから組合は注目しているのですよ」
なるほど、たしかに街に来るとココナが凄いということを実感する。この街にある魔方陣の殆どはココナが描いているのだ。更にこの街を守っている超大型積層式魔方陣もココナが考案したものなのだ。あんなんだが実はココナは凄いのだ。
受付で報酬の32万クルシェンと依頼の継続をお願いすると組合をでた。
「ヤバイなこれは落としたら最悪だ」
現在の所持金70万クルシェン小金持ちになってしまった。まあ殆ど蔵にしまってあるので落とすことはない筈だが。
取り敢えず仕事は全て終わったのでココナの家に向かう。
コンコンコン
扉をノックするとガタッという音と共にドンダンドダンと音ともに扉が開いた。
「司さん!」
「はい、そうですけど・・・大丈夫ですか?」
「あっ、ふぇ?」
扉から顔を見せたココナの髪はボサボサで服は肩がずり落ちていて胸が見えそうになってるし。正直いって目を向けられない。
ココナは自分の身なりを確認するとボッと顔を赤くして家の中に入っていった。
「リビングにでもいてください」
言われるがままリビングに行く。暫く考え事をしているとココナが戻ってきた。
「久しぶりです」
「お師匠様もお元気そうで何よりです」
「なんですかその変な挨拶は」
「変じゃないですよ!実際ココナは師匠なんですから、まぁふざけていましたけど」
「ほら~」
何がほら~なんだか。
「仕事はどうでしたか」
「順調といえば順調です。卵と依頼はすでに終えました」
「それは良かった。私は少し仕事が残ってて今日は一緒に出掛けられなくて、でも我が家だと思って寛いでくれていいので」
「ありがとうございます。そしたら少し出掛けて来ますね、欲しいものがあって」
そうやって来たの以前ココナと訪れた大商会の支店だ。たしか、そうそう、マーキュリーだ。
「すみません銅って置いてませんか」
「銅ですか?どの程度お探しで」
「100キロ程度」 
「なるほど、確認してきます」
店員さんは不思議そうな顔をすると奥に入っていった。恐らく倉庫に確認に行ってくれているのだろう。暫く待っていると店員さんが別の偉そうな、恐らく店長を連れて戻ってきた。
「こんにちは私、このマーキュリー商会会頭のヘルメスといいます」
おどろいた、まさか会頭が出てくるとは。
「どうされました?」
「失礼しました。まさかヘルメス様自ら出てこられるとは思わず。僕は北條司といいます」
ヘルメス様は好好爺といった風体だがその目は爛々とひかり若さと力強さがにじみ出ていた。
「これは、あなた様があの東の賢者ココナの弟子という司様ですか。私のような老骨に様などとはよして下さい。是非ヘルメスとお呼び下さい」
東の賢者?王都ではそういわれてるのか?
「そうゆうことでしたら僕の事も司でお願いします」
「わかりました。それで司さんは銅をお探しだとか」
「はい」
「理由を伺ってもかまいませんか?」
「ベッドを作ろうと思って」
「ベッドですか?ベッドならこの店でも取り扱っておりますが」
「少しいい考えがありまして、作ってみたいのです」
「なるほど、そうですな。現在この店には銅は20キロ程しかありません。なんでも司さんアイテムボックスが使えるそうで」
「確かに使えますがそれがなにか?」
よくそんな事まで知ってるな。
「一つ提案なのですが、フェノリアル領のギルスの街にあるマーキュリーの支店に行き店長マクフェイルと協力して商品を仕入れてきて頂けませんか、勿論お金はお支払いたします。あそこに行けば銅も沢山手に入ると思いますが、どうでしょう?」
腕を組んで考えてみる。ギルスという街の近くには確かに鉱山があるから向こうに行けば銅は手に入るだろう。しかしだ、ギルスの街はここから北西およそ1400キロの所にある。普通に行けば往復1ヶ月近くかかる。身体強化を使いノンストップで行ったとしても一週間くらいかかることになるだろう。流石にそれは・・・
「もし、受けていただければ銅のお代はお支払しなくても結構です」
ん?どういうことだ、流石にそれは話がうますぎるだろう。
「さすがにそれは話がうますぎでは」
「そうかも知れませんが私にも事情というものがあるのですよ」
なるほど、わからないけど向こうにも事情があると。確かに銅の分のお金がいらないとなるとこっちとしても助かる。
「わかりました。その依頼お受けさせていただきます」
「これは!それは良かった。では今すぐ組合に指名依頼を出しておきますのでよろしくお願いいたします」
それだけいうと店の奥に入っていった。
(これはココナに説明しなきゃな)
ココナの家に行き依頼について説明するとなぜかガッカリといった表情で見送られた。もしかしたらどこか行こうとしていたのかもしれない。もしそうだったら申し訳ない、こんど何か埋め合わせしなければ。
組合に行く前に少し考える。やはり少し遠すぎるのだ。身体強化を使い全速力で走ったとしても往復一週間、かかってしまうのだ。これをどうにかする方法は2つ考えてある。
一つは量子テレポーテーションの原理を応用した転移魔法を開発し使うという方法だ。しかしこれは一歩間違えば死ぬ危険がある。流石にお使い系の依頼で死ぬのは御免だ。
もう一つは賭けだが上空一万メートルまで飛びそこからジェット気流に乗って行けばもしかしたら3日程度で往復出来るかもしれない。ただしこれはジェット気流があることと、西へ吹いているという事が前提条件だ。これが崩れたら素直に走って行くしかない。
組合に行き森の監視の依頼の中断とお使いの依頼の手続きを済ませると急いで家に戻った。あそこはちょうどここから北にあり、またギルスの街の東側になるのでちょうどいいのだ。
(さあ、どれだけ早く帰ってこれるか)
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