卒業生殺人事件
いきなり殺人事件発生
「あー、もう一限目に間に合わないな」
そう呟きながら、式十四郎は学校の通学路を歩いていた。
一限目の開始時刻までもう五分もない。それにもかかわらず、まだ学校には程遠い。このままでは式の言うとおり、開始に間に合わない。
しかし、式は一切焦ってはいなかった。なぜなら、一限目の授業に出る気がなかったからだ。
式の通う明戸高校では、完全学力主義制を採用している。学期末に行われる定期テストで学校が指定する点数以上をとることができれば、ある程度の内申点が保障される、といったものだ。もちろん、授業にもきちんと出て、かつテストの成績が良い生徒に比べれば、評価は低くなってしまう。それでも、留年や追試を免れることができるので、真面目に勉強することが嫌いな生徒にとっては有用な制度だろう。
この制度のおかげで、いくら遅刻しようが、無断欠席しようが、テストで高得点を取りさえすれば問題ないので、式は存分にこの制度を活用している。
本日の昼食は何を食べるかを考えているうちに、式は学校まで辿りついた。時計をちらりと見ると、すでに一限目は始まっていた。まあ仕方ないよな、と思ってもいないことを呟いた式だが、そこでようやく学校の異変に気が付いた。
「何だ、門の前にパトカーが止まっている……?」
何事かと思い、式は急いで教室へと向かった。
教室に入ると、授業の時間にも関わらず教師の姿が教室になく、生徒たちが不安な表情を浮かべて語り合っていた。
何が起きているのか把握できていない式に、クラスメイトで委員長である榊刹那が話しかけてきた。
「式くん、登校してきましたか」
「あ、榊さん。一体何が起きてるの?」
「実は、……殺人事件が起きたのです。この学校で」
「え!?」
式は驚愕した。
「ど、どういうこと?」
「私も全てを知っているわけではないのですが、亡くなったのは三年生の男子生徒らしいです」
「そうなんだ……」
「というわけで、さっそく現場に行ってみましょうか」
「……は?」
「こっちです。ついてきてください」
と、榊は有無を言わさずに式の手をとり、殺害現場へと向かった。
そう呟きながら、式十四郎は学校の通学路を歩いていた。
一限目の開始時刻までもう五分もない。それにもかかわらず、まだ学校には程遠い。このままでは式の言うとおり、開始に間に合わない。
しかし、式は一切焦ってはいなかった。なぜなら、一限目の授業に出る気がなかったからだ。
式の通う明戸高校では、完全学力主義制を採用している。学期末に行われる定期テストで学校が指定する点数以上をとることができれば、ある程度の内申点が保障される、といったものだ。もちろん、授業にもきちんと出て、かつテストの成績が良い生徒に比べれば、評価は低くなってしまう。それでも、留年や追試を免れることができるので、真面目に勉強することが嫌いな生徒にとっては有用な制度だろう。
この制度のおかげで、いくら遅刻しようが、無断欠席しようが、テストで高得点を取りさえすれば問題ないので、式は存分にこの制度を活用している。
本日の昼食は何を食べるかを考えているうちに、式は学校まで辿りついた。時計をちらりと見ると、すでに一限目は始まっていた。まあ仕方ないよな、と思ってもいないことを呟いた式だが、そこでようやく学校の異変に気が付いた。
「何だ、門の前にパトカーが止まっている……?」
何事かと思い、式は急いで教室へと向かった。
教室に入ると、授業の時間にも関わらず教師の姿が教室になく、生徒たちが不安な表情を浮かべて語り合っていた。
何が起きているのか把握できていない式に、クラスメイトで委員長である榊刹那が話しかけてきた。
「式くん、登校してきましたか」
「あ、榊さん。一体何が起きてるの?」
「実は、……殺人事件が起きたのです。この学校で」
「え!?」
式は驚愕した。
「ど、どういうこと?」
「私も全てを知っているわけではないのですが、亡くなったのは三年生の男子生徒らしいです」
「そうなんだ……」
「というわけで、さっそく現場に行ってみましょうか」
「……は?」
「こっちです。ついてきてください」
と、榊は有無を言わさずに式の手をとり、殺害現場へと向かった。
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