詩集 ツキアカリ

四ノ宮雪子

イロ


熱く滾る真紅の血

手の甲の青い血管を今日もひたすらに巡る

晴れ渡った広い広い蒼天

いつも曖昧な僕のこの気持ちも、この空の前では同じになる

ざわざわと風と共に騒ぎ立てる森

ここではどんな矛盾も丸く収めてくれる

恋をしてふつらふつらと外を見る君

外の桜はもう緑のドレスでおしゃれをして、君はふーっと息を吐く

空の向こうでしゃがむ夕日

「また明日」と心の中で手を振り今日も君と共に帰路に着く

明日のイロもきっと鮮やかになるように

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